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質量の大きい恒星の一覧
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質量の大きい恒星の一覧(しつりょうのおおきいこうせいのいちらん)では、質量が太陽の50倍以上と推定される恒星を示す。

恒星の質量
質量の測定
恒星の質量を直接に測定できるのは、恒星が連星系の場合に限られる。特に二重連星の場合には、公転軌道の大きさや周期の測定により正確な質量が求められる。WR 20aaとab[1]、及びNGC 3603-A1aとb[2][3]は、この性質を利用して、現在のところ最も信頼の置ける質量の数値が与えられている。全天の恒星の多くは連星系を作っているため質量の測定が可能であるが、単独の恒星の場合、その表面温度と絶対光度の関数として統計的に推定するしかない。すなわち、質量と絶対光度は4乗に比例して増減する質量光度関係があるので、それに表面温度にかかる補正を行なえば質量を推定できる[4]。



質量測定の不確実性
実際には、大質量の恒星の多くは地球から見て数千光年以上も遠くにあり、連星系の場合、精密な観測によっても誤差を取り除く事ができず、決定的な数値が得られない。また、星団に所属している場合が多く、大量の星間物質や、恒星自身が放出したガスがあるため光がさえぎられてしまい、更に観測が難しくなる[5]。このような観測の邪魔になる物質は、時として恒星が単独であるのか、連星であるのか分からなくする事もある。例えば最も明るい恒星であるLBV 1806-20は、初めは質量が130太陽質量以上の単独の恒星であると考えられていたが、現在では質量が互いに65太陽質量の恒星の連星系であると推定されている[6]。
単独星では、そうした星間物質やガスにより、更に測定の精度が落ちる。表面温度と絶対光度のどちらか、あるいは両方が不確実であれば、数値に幅が生じる。例えば、質量が最も重いと推定される恒星R136a1の質量は、現在では太陽質量の265倍という数値が広く受け容れられているが[7][8][3]、推定の最大値は345倍、同じく最小値は230倍とされるなど幅がある[3]。また、ケフェウス座VV星は、質量が太陽の100倍とする意見もあれば、25倍から40倍[9]程度とする説もある。ピストル星[10]は、自らが放出したガスであるピストル星雲[11]や、その周辺にある暗黒星雲に覆われており、その絶対光度はまだよく分かっていない[12]。
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大質量星の限界
かつては、太陽質量の40倍程度が恒星質量の上限であろうとされたが[13]、後の観測データの蓄積と充実により、さらに大きな質量もあることが分かってきた。ただし、恒星の質量が極めて大きい場合、核融合のエネルギーによってガスが膨張しようとする放射圧が、押さえつける力である重力を上回るため、安定して質量を維持できず、大量のガスを放出して質量を減らすと考えられる。いわゆる質量放出である。このような恒星では、誕生時から質量を減らし続けるため、誕生直後と現在の質量は大きく異なる。このような例はりゅうこつ座η星Aやピストル星で見られる。
放射によって自らの質量を安定して維持できなくなる限界質量はエディントン限界と呼ばれ、その限度は理論的には太陽の120倍の質量であると考えられているが、まだはっきりしておらず、その探索は現在でも続いている。大質量星を多く含むアーチ星団の観測では、太陽の150倍を超える質量の恒星は発見されていない[14]。
従来、ビッグバンから間もない時期にできた最初の恒星は質量が太陽の数百倍もある超巨大星ではないかと推定されてきたが、最近の研究では、せいぜい太陽質量の50倍以下であったとの結果が発表されている[15]。
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大きさとの関係
また、質量が大きい恒星は、必ずしも直径も大きいとは限らない。特に直径は恒星の進化によって大きく変化する。生まれたばかりの恒星の直径は比較的小さく、その後中心部で水素の核融合反応が進んでヘリウムの芯が成長するとともに中心の温度が上がり、それとともに次第に直径が大きくなり、最終的には炭素・酸素・ネオンその他の重い元素の核融合が始まるとともに急速に膨張して赤色超巨星になる、とするのが現在の恒星進化論の主導的見解である。例えばR136a1は知られている限りで最も重い恒星であるが、その直径は太陽の35.2倍である[3]。しかし、大きな恒星として有名なおおいぬ座VY星(17[16]~40[17]太陽質量)の1420 ± 120倍[16]や、著名な恒星であるベテルギウス(18~19太陽質量[18])の1180倍[19]のような赤色超巨星よりずっと小さい。
一覧
要約
視点
以下は、太陽質量の50倍以上と推定される恒星の一覧である。これまで述べてきたような理由により、以下の表に示す恒星の質量は、そのほとんどが議論の範疇にある。
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脚注
関連項目
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