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ガンピ

ジンチョウゲ科の植物の一種 ウィキペディアから

ガンピ
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ガンピ(雁皮[4]学名: Diplomorpha sikokiana)はジンチョウゲ科ガンピ属落葉低木である。奈良時代から製紙原料として用いられている。別名はカミノキ[1]

概要 ガンピ, 分類 ...
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ガンピの花
三重県伊勢市朝熊山
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名称

和名「ガンピ」の名の由来は、カニヒ(伽尼斐)という植物の古名から転化したという説と、カミヒ(紙斐)が訛ったともいわれている。

分布・生育地 

生育する東限は静岡の伊豆、北限は石川の加賀市付近までである。四国九州黒髪山)、静岡兵庫などに多く分布する[4]。暖地を好み、山中の日当たりのよいところに生える[4]

特徴

落葉広葉樹低木で、高さ1.5 - 2メートル (m) になる[4]。枝はなめらかで濃褐色をしており、若い枝には毛がある[4]互生し、長さ3 - 5センチメートル (cm) の卵型で、全体に絹毛がある[4]。特に葉の裏面に絹毛が多く生える[4]

花期は初夏(5 - 6月)[4]。枝の先に黄色の小花が頭状に数個集まってつく[4]には花弁がなく、萼が長さ7 - 8ミリメートル (mm) の筒状になり、先端が4裂して花冠状になる[4]雄蕊は8個つく[4]

果期は10 - 11月[4]果実痩果で、長さ5 - 6 mmの紡錘形をしており、萼筒に包まれて褐色に熟す[4]

人工栽培

野生品は乱穫しすぎで収穫量は減少傾向にあるため、困難であるものの人工栽培が試みられている。実生、根分け挿し木などにより苗を育てるが、1年目の植え替えの際によほど注意しないと枯死する[5]を植え付けて3年目に第一回の収穫を行うが、4月 - 11月が適当。生皮を剥ぎ、乾燥して出荷する。製紙の過程は三椏和紙などと同様。

利用

樹皮の繊維がきめ細かく、高級和紙の原料となる[4]。繊維はの3分の1程度と短く、その質は優美で光沢があり、平滑にして半透明でしかも粘性があり緊縮した紙質となる。

富山県(主に県東部の地域)では模造紙のことを雁皮という。新方言の一つ。

歴史

遣唐使と共にに渡った最澄が、わざわざ土産として筑紫の斐紙(雁皮紙)を200張り持参している。当時紙の先進国であった中国に、土産として持参できるほどに高い評価を得ていたことになる。平安期の公家の女流詩人たちに、かな文字を書くのにもっともふさわしい紙として愛用され、中世から近世にかけて、鳥の子紙の名で紙の王としてその名を知られている。

脚注

参考文献

関連項目

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