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黒檀の小箱のある静物

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黒檀の小箱のある静物
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黒檀の小箱のある静物』(こくたんのこばこのあるせいぶつ、: Натюрморт с поставцом, : Still-Life with an Ebony Chest)は、17世紀スペインバロック期の画家アントニオ・デ・ペレーダが1652年にキャンバス上に油彩で描いた絵画である。1814年にアムステルダムでW・コースフェルト (W. Coesvelt) から購入されて以来[1]サンクトペテルブルクエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2][3]

概要 作者, 製作年 ...
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作品

静物画は、17世紀初めにだんだん人気のあるジャンルとなっていた[3]。17世紀半ばから後半にかけて活躍したアントニオ・デ・ぺレーダも宗教画に加え、かなりの数の静物画を描き[2]、最も成功した静物画家の1人となった[3]。彼はバリャドリッドで画家であった父親の工房で学び、後に首都のマドリードに移った。そして、スペインの王室コレクションの監督者であったローマ出身の画家ジョヴァンニ・バッティスタ・クレッシェンツィ英語版からカラヴァッジョ後の自然主義様式を吸収したが、それは簡素な構図と細部への非常な配慮を組み合わせたものであった[3]

17世紀のバロック美術においては、戦争や飢饉といった当時のヨーロッパの歴史を反映し、生の儚さを主題としたヴァニタス画が多く描かれた。ぺレーダが得意とした静物画もこのヴァニタス画で[2]象徴寓意に満ちた『騎士の夢』 (王立サン・フェルナンド美術アカデミー、マドリード) などの作品では、描かれている事物がすべて意味を担っている[4]

本作にはそうした象徴、寓意性はないと思われるが、ペレーダ独自のものである。事物の材質感が非常に巧みに描き分けられている一方で、同じスペインのフアン・サンチェス・コターンフランシスコ・デ・スルバランらの静物画の定型である水平的構成は見られない。この点で、北方の静物画の影響をうかがわせて興味深い[2]

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ギャラリー

脚注

参考文献

外部リンク

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