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7-デヒドロコレステロール

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7-デヒドロコレステロール
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7-デヒドロコレステロール (7-dehydrocholesterol) は、ズーステロール(動物ステロール)の一種で、プロビタミンD3 と呼ばれる有機化合物。人の体内の皮膚の近くで、この化合物は紫外光の作用によりビタミンD3(コレカルシフェロール)に変わる。コレステロールから、7、8位の水素が失われて二重結合となった構造を持つ。

概要 識別情報, 特性 ...

7-デヒドロコレステロールに紫外光が当たると、電子環状反応により環が開き、中間体であるプレビタミンD3((6Z)-タカルシオール)へと変わる。そこからさらにシグマトロピー転位が起こり、ビタミンD3 を与える。

7-デヒドロコレステロールは哺乳類の乳にも見つかっている。

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生合成

コレステロール合成の前駆体であるプロビタミンD37-デヒドロコレステロール)が、皮膚上で紫外線を受けてステロイド核のB環が開き、プレビタミンD3((6Z)-タカルシオール)となる。

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プレビタミンD3は、自然発生的にビタミンD3(コレカルシフェロール)へ異性化する。プレビタミンD3からのビタミンD3(コレカルシフェロール)への転移は、室温では12日間で完了する[1]

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皮膚での分布及び光化学反応

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皮膚の表皮の層。基底層(図の赤色部分)及び有棘層(オレンジ色部分)での7-デヒドロコレステロールからプレビタミンD3の生成が最大となる。

皮膚は、主要な2層で形成されている。内側の層は真皮で、結合組織の大部分を占めており、外側の層は薄い表皮である。表皮は、5層で構成されており、外側から内側に順に、角質層、顆粒層、顆粒膜層、有棘層基底層である。

皮膚で270-290 nmの紫外線を受けて7-デヒドロコレステロールからプレビタミンD3(転移してビタミンDに変化するもの)が光化学的に生成される。7-デヒドロコレステロールは、ヒトを含むほとんどの脊椎動物の皮膚中(基底層及び有棘層)で大量(25–50 mg/cm2)に生成される[2][3]

ある種の動物では、毛皮や羽根が紫外線の皮膚への到達を妨げている。鳥類や毛皮を持つ哺乳類においては、皮膚から毛皮や羽根に7-デヒドロコレステロールを含む皮脂を分泌し毛繕いすることによって口からビタミンDを摂取している[4]

1923年に7-デヒドロコレステロールに紫外線を照射することによって脂溶性ビタミンを生成できた。アルフレッド・ファビアン・ヘスは、「光はビタミンDと同等である。」ということを示した[5]。ドイツのゲッティン大学のアドルフ・ヴィンダウスは、ステロールと関連ビタミンの構造の解明で、1928年にノーベル化学賞を受賞した[6]。彼は、さらに、1930年代にビタミンDの化学構造を確定した。

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関連項目

脚注

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