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Engrish

アジア系言語話者による文法や綴りの誤った英語 ウィキペディアから

Engrish
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Engrish (イングリッシュ)とは、非英語言語者による、単語や文法に間違いがあり、英語話者にはナンセンスや意味不明な英語を揶揄する俗語である[1]。 "Engrish" は、 "English" の綴り字の"l"を"r"に置き換えた造語であり、元々は日本語話者に特徴的な英語の流音 "R" と "L" の混同を揶揄して作られた[2]言葉である。

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意味をなさない英語が印字された日本のTシャツ

Engrishは、1940年代くらいから現れ、1980年代以降、主にアジア系言語話者の欠陥英語を指す言葉として使われている[3]。日本では、英語がファッションとして使用される事も多く、文法が間違っていたり、意味をなさないengrishが氾濫している。

概要

要約
視点

Englishは、嘲笑表現であり、「Engrish」は英語の非母語話者へのカジュアルな人種差別表現と見做される場合もある[4]。 話言葉での発音の問題だけでなく、書き言葉の間違いに対しても使用され、主に発音又はスペルの間違いと、文法の間違いに大別される。

発音又はスペルの間違い

日本人が混同しがちな発音の一例は次の通り。

  • ライト
right(/ráɪt/、「正しい、右」)と light(/láɪt/、「軽い、光」)で区別がつかない。
  • アース
earth(/ɜ́ːrθ/、「地球」)の意で用いられることが殆どだが、英語話者には ass(/ǽs/、「ケツ(俗語)」)としか受け取れない場合が多い。例えば、「センター・オブ・ジ・アース」は「地球の中心」ではなく「ケツの中心」となる。
  • シット
sit(/sɪ́t/、「座る」)の意で用いられても、英語話者にはshit(/ʃɪ́t/、「クソ(卑語)」)に聞こえる。例えば、「シットダウン」は「(突っ立ってないで)座りなさい」ではなく「クソをたれなさい」となる。(なお、「座ってください」は "Have a seat" が適切であるため、"Sit down" 自体が文脈上不適当なEngrishとみなされる場合も多い。)

スペルの間違い

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重要文化財のプレートだが本来はBranch(支店)がBrunch(朝食と昼食を兼ねたブランチ)とスペル間違い

日本では、片カナが同じ単語のスペルを間違えたり、カタカナをそのままローマ字書きしてしまうするengrishが、街のあちこちで非常に多くみられる。例えば重要文化財のプレートでさえ、本来はBranch(支店)のはずがBrunch(朝食と昼食を兼ねたブランチ)とスペルを間違えてしまう。他にも例えばEngrish In Japan に出てくる例のごく一部だけでも、次のような例がある。

  • BAS STOP -本当はBUS STOP(バス停)
  • NO SMORKING -本当はNo SMOKING(非常に多い)
  • Pubric -本当はPublic (公共) (lとrの混同)
  • Regs -本当はLegs (足) (lとrの混同)
  • Puremiamu -本当はPremium(特上)(カタカナのまま)
  • Porch (玄関ポーチ)-本当は Pouch(化粧ポーチ) 
  • Katsushika Word(葛飾単語)-本当はKatsushika Ward(葛飾区) 
  • Bending Machine(折り曲げる機械)-本当はVending Machine (自動販売機)
  • rihabili(カタカナのまま)-本当はRehabilitation (リハビリ)

文法の間違い

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Engrishで書かれた縁むすび守。
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Engrishの一例。自動券売機の定期点検中の標識だが、英語部分は「固定周期点検されている」の意味になってしまっている。
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  • This will hope that you will make have a boyfriend or girlfriend or marry.(右写真)
文法間違いは2つ。makeとhave の動詞原型が2つ並んでいる。また最後のmarryも目的語が無い。仮にThis will hope that you will make a boyfriend or girlfriend or get married.としても、直訳をすると、これはあなたがボーイフレンド又はガールフレンドを作るか又は結婚するでしょう事を望むでしょう。という意味がわからない文章になる。
  • Note No Trespassing through between East And West Gate Allowed.(右写真)
本当は「(注意)東門↔西門 無用の者、通り抜けを禁ずる」だが、「記録:東と西門の間を通り抜けて侵入禁止」という意味になっている。
  • Please take advantage of the maid.
日本のホテルなどで見られた掲示。「メイドをご利用下さい」という意味を表そうとしているが、take advantage of という表現の誤用である。事実や好機に対して使った場合は、「利用する・活かす」と言う意味になるが、人に対して使った場合、「つけ込む」「かどわかす」「誘惑する」と言う意味合いになるので「メイドの隙(すき)につけこんでください」となる。珍妙な英語を集めた『Anguished English』という本にも、同様の例[5]が収録されている。
  • WEAK COOL
1990年代の一時期に阪急電鉄電車の窓に貼られていた「弱冷車」のステッカー上の文句。漢字をそのまま英単語に置き換えたもので、「弱い涼しい」となり意味をなさない。現在の同社ではmildly air-conditionedと、正確な表現に改められている。[要出典]
  • Please turn the card inside out[6]
日本のあるホテルのレストランで「食事が終わったらカードを裏返してください」という意図で使われたもの。turn ... inside out は、たとえば手袋セーターの内側を外に出すような場合に使う。カードには inside(内部)がないため、turn ... inside out することはできず、物理法則を無視した指示である。正しくはPlease turn over the card.など。[疑問点]
  • Please refrain from barking, to avoid nuisances to neighbors.[7][8]
「犬の鳴き声は近隣の方への迷惑となりますのでご注意ください」と言う掲示に添えられていた英文。和訳すると「くイヌに対して、隣人たちへの迷惑を避けるため、吠えるのは控えてください」指示している意味になる。


和製英語等との違い

尚、Engrish は和製英語や日本語訛英語とは別物である。和製英語は、「日本語話者が日本語として使う外国語の借用語」であり、日本語訛英語は、アクセントや文法に日本語話者特有のクセがある英語を指すのに対して、Engrish は、日本語話者(など)が英語として使っているが、単語や文法に間違いがあり、英語話者にはナンセンスや意味不明な英語」を指す。

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脚注

外部リンク

関連項目

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