HD 20868

HD 20868は、地球からろ座の方向に約160光年離れた位置にある10等級の恒星である。

HD 20868
仮符号・別名	Intan[1]
星座	ろ座
見かけの等級 (mv)	9.93[2]
分類	K型主系列星もしくは橙色巨星[2] 橙色準巨星[3]
位置 元期:J2000.0[2]
赤経 (RA, α)	03h 20m 42.6938865769s[2]
赤緯 (Dec, δ)	−33° 43′ 48.373945247″[2]
赤方偏移	0.000154[2]
視線速度 (Rv)	46.12 km/s[2]
固有運動 (μ)	赤経: 292.467 ミリ秒/年[2] 赤緯: 96.138 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π)	20.9257 ± 0.0304ミリ秒[2] （誤差0.1%）
距離	155.9 ± 0.2 光年[注 1] （47.79 ± 0.07 パーセク[注 1]）
絶対等級 (MV)	6.5[注 2]
物理的性質
半径	0.73 ± 0.01 R☉[4]
質量	0.76 ± 0.02 M☉[4]
表面重力	4.59 ± 0.02 (log g)[4]
自転速度	1.5 km/s[3]
自転周期	39 日[3]
スペクトル分類	K3/4III/V[2] K3/4IV[3]
光度	0.255 ± 0.002 L☉[4]
表面温度	4,811 ± 14 K[4]
色指数 (B-V)	1.128[3]
金属量[Fe/H]	-0.03 ± 0.06[3]
年齢	84 ± 37 億年[4]
他のカタログでの名称
CPD-34 338[2] Gaia DR2 5053536074700031616[2] HIP 15578[2] TYC 7023-236-1[2] 2MASS J03204266-3343484[2]
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概要

大きさの比較

太陽	HD 20868

HD 20868は太陽の約4分の3ほどの質量と半径を持ち、光度は約4分の1程度である^[4]。SIMBADではHD 20868はK型主系列星もしくは橙色巨星としているが^[2]、2009年に後述の惑星HD 20868 bの発見を報告したMoutouらは準巨星としている^[3]。

2008年に、太陽系外惑星観測装置HARPSによって行われたドップラー分光法（視線速度法）による観測でHD 20868を公転する太陽系外惑星HD 20868 bが発見され、2009年に発見論文が発表された^[3][5]。HD 20868 bは離心率0.75という極めて歪んだ楕円軌道を1年強の公転周期で公転しており、少なくとも木星の2倍の質量を持つ^[3]。

HD 20868の惑星^[3][5]

名称 （恒星に近い順）	質量	軌道長半径 （天文単位）	公転周期 (日)	軌道離心率	軌道傾斜角	半径
b (Baiduri)	≥1.99 ± 0.05 MJ	0.947 ± 0.012	380.85 ± 0.09	0.75 ± 0.002	—	—

名称

2019年、世界中の全ての国または地域に1つの系外惑星系を命名する機会を提供する「IAU100 Name ExoWorldsプロジェクト」において、HD 20868系はマレーシアに割り当てられる惑星系となった^[6]。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、マレーシア国内での選考と国際天文学連合 (IAU) への提案を経て、太陽系外惑星とその母星に固有名が承認されるものであった^[7]。2019年12月17日、IAUから最終結果が公表され、HD 20868はIntan、HD 20868 bはBaiduriと命名された^[1]。Intanは、マレー語で「ダイヤモンド」を意味する言葉で、恒星の輝きを彷彿とさせる^[1]。Baiduriは、マレー語で「オパール」を意味する言葉で、惑星の神秘的な美を暗示する^[1]。