HR 858

HR 858とは、惑星を持つことが確認されているろ座の方向に地球から約104光年離れた位置に存在する恒星である^[2]。黄色がかった白色をしており、肉眼で観測することが可能である。しかし、視等級は6.4であるため、肉眼で観測することは困難である^[1]。10km/sの視線速度で遠ざかっている^[2]。絶対等級は3.82である^[3]。

HR 858
星座	ろ座
見かけの等級 (mv)	6.382[1]
分類	恒星
軌道要素と性質
惑星の数	3
位置 元期:J2000.00
赤経 (RA, α)	02h 51m 56.246s[2]
赤緯 (Dec, δ)	−30° 48′ 52.26″[2]
視線速度 (Rv)	+10.07±0.13[2]
固有運動 (μ)	赤経: 123.229±0.070[2] 赤緯: 105.788±0.151[2]
年周視差 (π)	31.2565 ± 0.0700ミリ秒[2] （誤差0.2%）
距離	104.3 ± 0.2 光年[注 1] （31.99 ± 0.07 パーセク[注 1]）
絶対等級 (MV)	+3.82[3]
ろ座のHR 858の位置。
物理的性質
半径	A:1.310+0.0240 −022 R☉[4] B:0.17±0.04 R☉[4]
質量	A:1.145+0.074 −0.080 M☉[4]
表面重力	A:4.19±0.10 (log g)[4]
自転速度	A:8.3±0.5[4]
スペクトル分類	A:F6V[5] B:M[4]
光度	A:2.348+0.069 −0.071 L☉[4]
表面温度	A:6201±50 K[4] B:2800±300 K[4]
色指数 (B-V)	+0.484[3]
金属量[Fe/H]	A:−0.14±0.08[4]
年齢	A:22.8±13.0億年[6]
他のカタログでの名称
CD−31°1148、GC 3443、HD 17926、HIP 13363、HR 858、SAO 193951, TOI-396[7]
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特性 

HR 858はF型主系列星で、スペクトル分類はF6Vで^[5]、中心核で行われる水素の核融合によってエネルギーを生成している。年齢は約20億年で、自転速度は8.3km/sである^[6]。質量は太陽の1.1倍、半径は1.3倍である。有効温度は6201ケルビンで、光球から太陽の明るさの2.3倍を放出している^[4]。

年周視差が8.4″の伴星であるBが270天文単位離れた位置で公転している^[4]。Bは赤色矮星とされている。

惑星系 

2019年5月、TESSのトランジット法を用いた観測により、少なくとも3個の太陽系外惑星が存在することが公表された。これらの惑星は全て主星の近くを公転しており、地球の約2倍の大きさのスーパー・アースとされている。bとcは3:5の軌道共鳴となっている可能性がある^[4]。

HR 858の惑星^[4]

名称 （恒星に近い順）	質量	軌道長半径 （天文単位）	公転周期 (日)	軌道離心率	軌道傾斜角	半径
b	—	0.0480+0.0010 −0.0011	3.58599±0.00015	<0.30	—	—
c	—	0.0674+0.0014 −0.0016	5.97293+0.00060 −0.00053	<0.19	—	—
d	—	0.1027+0.0022 −0.0025	11.2300+0.0011 −0.0010	<0.28	—	—