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Interlisp

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Interlisp(大文字/小文字の組み合わせは様々見られる)は、プログラミング言語LISPの一種を中心としたプログラミング環境。1967年、Bolt, Beranek and Newman (BBN) でPDP-10(OSはTENEX)上の BBN LISP として開発開始されたものである。Danny BobrowWarren TeitelmanRonald Kaplan がBBNからパロアルト研究所に移った際に、それを Interlisp と改称した。Interlispはスタンフォード大学を中心とするDARPAコミュニティの人工知能研究者らに広まっていった。Interlisp で特筆すべきは、プログラミング環境に対話型開発ツールを統合したことであり、デバッガ、簡単な間違いを自動訂正するツール(DWIM英語版[1] - "do what I mean")、解析ツールなどが統合されていた。

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適応

パロアルト研究所では移植性を高めるため、"Interlisp virtual machine" と呼ばれる仮想機械が定義された。しかし、これは移植の基盤としては便利ではなかった。

Peter Deutsch はInterlispのためのバイトコード型命令セットを定義し、Xerox Alto にてマイクロプログラム方式のエミュレータとして実装。その後一連のワークステーションに移植され、Xerox 1108 や 1186 といった商用LISPマシンに採用されパロアルト研究所内でも使用された。それらの実装はまとめて Interlisp-D と呼ばれている。後期の製品は、ANSI規格の Common Lisp の処理系 Xerox Common Lisp を搭載している。Interlisp-D のオブジェクト指向プログラミング機能 LOOPS は、シンボリックスFlavors英語版と共に Common Lisp Object System の元になった。

PDP-10版Interlispは Interlisp-10 と呼ばれるようになり、BBNではLISPマシン Jericho 向けの Interlisp-Jericho も開発された(製品化せず)。1982年スタンフォード大学情報科学研究所 (ISI) とパロアルト研究所が共同でVAX上のBSDに移植し、Interlisp-VAX と呼んだ[2]

1981年、パロアルト研究所の Warren Teitelman と Larry Masinter が IEEE Computer 誌にInterlispの概要と設計哲学についての記事を発表している[3]

1985年から87年にかけて、富士ゼロックス(現:富士フイルムビジネスイノベーション)がバイトコード・インタプリタのC言語による実装を開発し、サニーベールの Xerox AI Systems (XAIS) と共同でサン・マイクロシステムズSPARC 4 アーキテクチャ上にその環境とエミュレータを移植した。同年、ゼロックス社の中でも赤字部門だった XAIS はスピンオフされ Envos 社となったが、すぐに倒産した。

1992年ACM ソフトウェアシステム賞が Interlisp の先駆的功績に対して与えられた。受賞者は、Daniel G. Bobrow、Richard R. Burton、L. Peter Deutsch、Ronald M. Kaplan、Larry Masinter、Warren Teitelman。

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脚注

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関連文献

外部リンク

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