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Line Rider

コンピュータゲーム ウィキペディアから

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Line Rider(ライン・ライダー)とは、インターネット上で公開されている、Adobe FlashMicrosoft Silverlightを利用したコンピュータゲームである。2006年9月23日にスロベニアの大学生であったボスジャン・チャデジュ(Boštjan Čadež)によって公開された[1][2]タイム誌のオンライン版や『Games for Windows: The Official Magazine』にて特集された他[3][4]マクドナルドCMの題材として使われ[5]、ゲームのレビューサイト「Jay Is Games」ではBest Webtoy of 2006に選出された[6]

概要 ジャンル, 対応機種 ...
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システム

このゲームの基本的なシステムは、マウスで線を引きプレイヤーが「Play」をクリックした後、そりに乗った人型のキャラクターがその上を滑るというものである[7]。また、このゲームには物理演算エンジンが利用されているため[3]、そりが落ちないように線を円滑に引く必要がある。製作者であるチャデジュは、目標が無くスコアも存在しないLine Riderのことを、「ゲーム」ではなく「おもちゃ」として述べている[1][8]

操作の単純さに反して、ループなどのギミックを取り入れた複雑なコースが多く制作されている。コミュニティによって制作されたコースの多くは楽曲にあわせるように作られている他、コースの線を山の斜面や木などの背景アートとして利用したコースも作られている。作成されたこれらのコースは、YouTubeGoogle ビデオといった動画共有サービス上にアップロードすることで共有されている[3][7]

2008年7月1日にFlash版からSilverlight版への移行が行われた[5][9]。この移行により、Windows Live メッセンジャーを利用してユーザー間でコースを共有できる機能が追加された[9]

2009年10月にはBeta 3版がリリースされ、2つのそりを操作できるモードやカメラモード、減速する効果をもつギミックなどが追加された[10]

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沿革

要約
視点

構想と開発

ボスジャン・チャデジュは2005年に、自身が当時所属していた大学である「アカデミー・オブ・ファインアーツ・アンド・デザイン(Akademija za likovno umetnost in oblikovanje、ALUO)」での美術の授業において、アートプロジェクトを担当することになった。チャデジュは自身のスケッチブックにて、傾いた線とその上をそりで滑る男の子の絵が描かれたページを見つけたことで、子どもの頃の記憶を思い出し、その絵がアートプロジェクトの基礎となった[11]

チャデジュはビデオジョッキーのセットやFlashゲーム、Advanced Visualization Studio英語版用プリセットの開発の経験があったため、当初からアニメーションソフトウェアをコード化することで開発する計画を立てていた。初期の構想では、ユーザーがプレイ中に変更を加えることが可能であり、線を引くだけでアニメーションを作ることが出来るような設計にする予定であった。チャデジュはアンドレアス・ジシン(Anderas Gysin)によって作られたプログラムである「Cronodraw」がゲームのコンセプトに合ったものであると気付いた後に、ジシンの描画プログラムやマウスの挙動制御を行うプログラムをLine Riderに組み込んだ[12]

Line Riderの制作期間は1年以上であり、合計で4か月分の作業量で作られた。この作業には、物理学数学の学習が含まれており、特にベクトルに関しては、N+英語版を開発したMetanet Softwareによるチュートリアルから多くを学んだと言われている。チャデジュは、元のバージョンに線を消す機能を付けなかった理由として、ゲームのプレイを人生のように体験して欲しかったからと述べている[11]

キャラクターの名前に関して、チャデジュはスロベニア語で「そり」を意味する「sanke」を提案していたものの、定着しなかった。しかし、ある日、inXile Entertainment社の創設者であるブライアン・ファーゴ英語版が「なぜ、彼(キャラクターのこと)をボッシュ(Bosh)と呼ばないのか。」と発言したことで、キャラクター名がボッシュに決まった[12]

リリースと初期の人気

2006年9月23日にチャデジュはLine Riderを「fšk」のアカウント名でDeviantART上に投稿し[3]、24時間以内に1万回の閲覧回数を獲得した[12]。2006年秋に、Diggにて「Unconed」というユーザーがLine Riderに関する投稿を行ったことで人気が高まり、その結果として、複数のユーザーがYouTube上に自身らが作った作品を投稿し始め、2006年12月時点で1500万回の再生回数を獲得した[11][12]。また、2006年10月時点でのDeviantARTでの閲覧回数は4000万回以上、ダウンロード回数は32万5000回に達し、Google Zeitgeistの検索クエリチャートでは7位となり、DeviantARTの創設者の1人であるアンジェロ・ソティラ(Angelo Sotira)も人気の急上昇ぶりを賞賛した[3]。Line Riderのリリース後数週間で、LineFlyerやJeep Flyer、Line Border、Chair Flyerといったコピー商品がオンライン上で公開された[3][7]

デビッド・ポーグ英語版は、線を消す機能をあえて搭載しなかったことで難しくしたLine Riderを賞賛した[7]。また、このゲームのファンサイトである「LineRider.org」の創設者であるヴィーツェ・デ・ヴリーズ(Wietse de Vries)は、このゲームが人気になった要因として、プレイヤーが創造性を発揮できることを挙げている[10]

その後

2006年12月19日に、チャデジュはLine Riderの新バージョンを公開した。このバージョンにて線を消去する機能やズーム機能、新しい線の種類が追加された。当初は1か月前に公開する予定であったが、ファーゴからSkype経由で権利を購入する連絡を受けたため、公開を延期した。ファーゴはLine Riderを「もう1つのテトリス」と形容して高く評価し、このゲームのプレイヤーはアーティストであると賞賛した[11]

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学術的利用

Line Riderは、サウスイースタン・ルイジアナ大学英語版物理学科での物理教育におけるコンピュータの利用に関する論文での題材に利用され、The Physics Teacher誌に掲載された[13]。また、アルスター大学英語版で開かれた第7回e-ラーニング会議では、Line Riderを教育用アニメーション作成のツールとして利用することに関する議論が行われた[14]

移植版

『Line Rider 2: Unbound』ニンテンドーDSWiiMicrosoft Windows用に移植されたゲームである。2006年12月19日にinXile Entertainment社がLine Riderのコンソール版での版権を獲得し、コピー品を法的に規制したことと、ニンテンドーDS版とWii版を2008年春頃に発売する予定であることを発表した[15][16]。その後、2008年9月に発売された[17]

このゲームで新たにベイリー(Bailey)とチャズ(Chaz)という2人のキャラクターと、その2人が登場するストーリーモードが追加された。ストーリーの内容は、プレイヤーがボッシュを操作してチャズと競争し、究極のそりとベイリーの愛を勝ち取るというものであった。このモードには40種類のコースがあり、全てLine Riderの著名なコース製作者であるTechDawgが作成したコースである。また、インターネット上のコミュニティからコースデータをダウンロードできる機能も搭載された[17]

欧州版は『Line Rider: Freestyle』としてディープシルバーから発売された[18]

その後、iOS版が『Line Rider iRide』としてinXile Entertainmentからリリースされ、加速度計などといったiPhone固有の機能を利用した機能が追加された[19]

評価

さらに見る Rine Rider, レビュー結果 ...

コンピュータゲームのレビュー収集サイトであるMetacriticでは、全てのプラットフォーム版で「Mixed or average reviews」の評価を得た[35][36][37]

また、2008年のIGNゲームオブザイヤーアワードでは、ニンテンドーDS部門にてベストパズルゲーム賞[38]とベストオリジナルスコア賞[39]の2つの賞でノミネートされた。

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脚注

外部リンク

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