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Linux Mint
Linuxディストリビューションの一つ ウィキペディアから
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Linux Mint(リナックス・ミント)はLinuxディストリビューションの一つである。洗練され、最新で快適なLinuxデスクトップを提供することを目標としている。UbuntuやDebianを母体にしており、それぞれのリポジトリを共有している。
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概要
Linux Mintは2006年にフランス出身でアイルランド在住のクレマン・ルフェーブルにより設立された。Linux Mintは、簡素であることよりも、多くのソフトウェアと最新の技術を使用することにより、誰にでも使いやすいLinuxシステムを提供することに焦点を当てている[4]。
デスクトップ環境はGNOME 3から派生したCinnamon、GNOME 2から派生したMATE、他にXfceを採用する。いずれもWindowsに良く似たデザインを持っているが、Cinnamonの動作にはGNOME 3の要件に従い3Dアクセラレータが必須となる。
2010年7月2日に製作側は公式ブログにてDebianをベースとしたLinux Mintをテストしていることを明らかにした[5]。これをLMDE (Linux Mint Debian Edtionの略) と称していくつかの評価版をリリースした後、2015年4月にLMDE2 "Betsy"を安定版としてリリースした[6][7]。
2024年1月12日にリリースされた21.3(Cinnamon 6.0)より、実験的機能としてWaylandセッションが利用可能となっている。[8]
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システム要件
- 2GB の RAM(快適な使用には 4GB を推奨)
- 20GB のディスク容量(100GB を推奨)
- 1024×768の解像度(画面が収まらない場合、Altキーを押しウィンドウをマウスでドラッグ)
配布形態
Linux Mintには同梱されるコンポーネントや標準デスクトップ環境によるいくつかのエディションがある。各エディションは起動時にインストール不要なLive DVDとして動作する。
かつて、No codecsと示されているDVDイメージ以外は、Adobe FlashやWindows MediaなどのプロプライエタリなコーデックやDVD-VideoのCSSを復号するlibdvdcssなどのDRM関連のソフトウェアが収録されていた。No codecs表記のないバージョン17系以前のインストールイメージの日本を含むいくつかの国での配布は、知的財産権に関連する複数の法律に抵触するおそれがあるので注意が必要である。かつては国内の複数のミラーサーバがLinux Mintを提供していたが、これを理由に2012年3月1日にJAISTのサーバが一旦提供を中止したのを皮切りに、すべてのミラーサーバがLinux Mintの提供を中止していた。しかし2013年5月から、JAISTはlibdvdcssなどを含んでいないNo codecs版のイメージに限って提供を再開した[9]。この時からLinux MintおよびLMDEのパッケージのミラーも日本国内で唯一再開している。2016年5月にリリースされたLinux Mint 18より、コーデックを含まないISOのみが配布されることとなり、これに伴ってOEM版およびno-codecs版は廃止された[10]。なお、コーデックはメニュー等から選択することでインストールが可能となっている。
mintTools
要約
視点
Linux Mintはユーザの利便性を向上させるために、mintソフトウェア群mintToolsを含んでいる。これらはPythonおよびシェルスクリプトで開発されている。
- mintUpdate
- Linux Mint専用のアップデートソフトウェア。mintUpdateはアップデートに安全性と必要性に応じてセーフティレベル(1から5)を割り当てる。アップデートはレベルごとに、通知する/しない・適用対象とする/しないの設定ができ、レベル4と5にカテゴライズされている開発版(動作に問題がある、あるいはテストが十分に行われていない)パッケージは、非常に経験豊かなユーザだけが必要とするので、デフォルトでは隠される。これにより、初心者ユーザが自身のハードウェアでは適切ではない更新を行ってシステムが破壊されるといった事態を防ぐ。
- mintInstall
- Linux Mint用ソフトウェアマネージャ。mintファイルを配布するインターネット上のカタログからソフトウェア情報を取得しダウンロードおよびインストールする。Linux Mint Software Portalのフロントエンドとして動作し、ソフトウェアのスクリーンショット、ユーザレビューや人気度、インストール済みの場合のバージョンおよびインストール可能バージョンの確認が行える。APTのGUIフロントエンドでもあるため、UbuntuリポジトリやGetDebの検索機能も具備する。mintファイルはソフトウェアを含まないが、すべての情報とダウンロードURIを含む。
- mintUpload
- ファイルマネージャ上でのファイルの右クリックメニューで、「Upload」を選択することによりファイルをサーバーにアップロードするFTPクライアント。アップロードするとそのファイルへのURLが与えられ、迅速かつ容易に他人とファイルを共有することができる。ファイルサーバは、一般のFTPサーバの他、無償でスペースが提供され保存期間が制限されるデフォルトサービス(ファイルサイズ最大10MB、保存期間2日間)およびLinux Mintが提供するレンタルサーバーサービス(有償)のMint-Spaceに対応する。
- mintNanny
- 簡易ペアレンタルコントロールソフトウェア。設定されたドメイン名のサイトへのアクセスを禁止する。
- mint4win
- WubiのLinux Mint版。
- mintMenu
- MATEデスクトップに提供されるメインメニュー。テキスト、アイコン、色を完全にカスタマイズ可能である。GNOMEメインメニューと同じホットリンクを共有する。
- mintWifi
- いくつかの無線LANドライバを含む無線LAN設定ツール。
- mintBackup
- バックアップツール。指定したフォルダやインストール済みソフトウェアの一覧情報を容易にバックアップおよびリストア可能。バックアップ対象から除外するディレクトリおよびファイルの指定、バックアップ対象とする隠しディレクトリおよびファイルの指定が行える。mintBackupがインストールされているシステムであれば、バックアップファイルをダブルクリックするだけでリストアできる。
- mintSources
- Ubuntuの「ソフトウェアソース」を置換する。PPAの管理も行える他、全てのミラーサーバーに対してチェックを行いどこが最も速いかをグラフで表示する機能も独自に持つ。Linux Mint 15 "Olivia" から搭載。
- mintDrivers
- Ubuntuのドライバ管理のフロントエンドを代替する。Ubuntuのものと違い、バージョンを明記するほか有名なメーカーの物にはロゴが表示される。Linux Mint 15 "Olivia" から搭載。
- mintDesktop
- デスクトップ設定を簡単に行うためのツール。KDEとCinnamonを除くエディションで提供される。
- mintStick
- LinuxのライブCD形式のISOイメージをUSBメモリにブート可能な形で展開するツール。Linux Mint以外のディストリビューションも扱える。Linux Mint 16 "Petra" 以降ではUSBメモリのフォーマットツールも含む。
- アップデートマネージャ「mintUpdate」
- ソフトウェアマネージャ「mintInstall」
- ファイルをサーバに簡単にアップロードできる「mintUpload」
- 簡易ペアレンタルコントロール「mintNanny」
- GNOMEデスクトップで提供される「mintMenu」
- ホームフォルダを簡単にバックアップできる「mintBackup」
- デスクトップのカスタマイズを行う「mintDesktop」(GNOME)
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リリース
要約
視点

Linux Mintは、一定のリリースサイクルに従わない。リリースは、順々に計画される。まず、プロジェクトは次のリリースのために目標を定める。通常、すべての目標が達成された時にRC版がリリースされ、問題がなければその後安定版がリリースされる。従来のUbuntuベースを離れ、更なる軽量化を目的としたLinux Mint Debian Edition(以下LMDE)の試験的なリリースもされている[11]。リリース版はデスクトップ環境別に複数のものを用意している。たとえばバージョン21では、代表的な Cinnamon の他に MATE や Xfce も存在する。
Linux Mint
Linux Mint Debian Edition
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導入方法
Live DVDのISOファイルをダウンロードして、導入可能である。同一バージョンのUbuntuからアップデートすることも可能。
基本的に、Linux MintはUbuntuにパッケージなどを追加したディストリビューションなので、UbuntuにLinux Mint、Canonical Partnerのレポジトリを追加して、Linux Mint関係のソフトウェアを導入して、デスクトップ環境(Cinnamonなど)の設定を修正するとLinux Mintになる。
日本語環境
現在、アップストリームのUbuntu Japanese Teamのリポジトリをそのまま用いるだけで、日本語環境を使用することが可能である。
Ubuntuとの比較
Linux MintはUbuntuをベースとしており、Ubuntuのソフトウェアリポジトリを使用することから、ほとんどのパッケージは両ディストリビューションで同じであり、二つのシステムはほとんど同じように振る舞う。例えば、Linux Mint 16 "Petra" はUbuntu 13.10 "Saucy Salamander" のパッケージプールを使用する。Linux Mint 17以降は、UbuntuのLTS版のみをベースとする方針に転換した。その間はベースとなるUbuntuのバージョンは維持しつつ、デスクトップや各種ソフトウェアを更新したマイナーバージョンをリリースとすることとした。これらは17.1、17.2、17.3のように、小数位を加えたバージョン番号としている。
もっとも大きな違いはそのデスクトップにある。UbuntuとLinux Mintはどちらも使いやすさにフォーカスしているが、Linux Mintは独自のテーマを提供し、mintToolsと呼ばれる独自のアプリケーションを搭載している。詳細は#mintToolsに譲るが、例えばmintDesktopはMATEおよびXfceそれぞれのデスクトップの設定、Windowsワークグループおよび近くのネットワークの自動ブラウズを行うツールである。
先述のとおりLinux MintはUbuntuを基にしているため、Linux Mintより非常に大きなコミュニティを持つUbuntuのヘルプやアドバイスは多くの場合でLinux Mintにも同じように適用できる。
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ブランチ
他の多くのLinuxディストリビューションと同様に、Linux Mintにも異なるテストバージョンあるいは “ブランチ” が存在する。最新の機能またはLinux Mintの “不安定ブランチ” を含むブランチは “Romeo” と呼ばれ、Linux Mintリリースにおいてデフォルトで有効になることはない。最先端の機能を求めるユーザや新パッケージのテストを手助けしたいユーザがRomeoをAPTソースに追加できる。Romeoはそれ自身がブランチではなく、他のリポジトリを置き換えるわけではない。
新しいパッケージは開発者及びテスターによってテストされるRomeoで最初にリリースされる。のちにそのパッケージが十分な安定性があると判断されると最新の安定版リリースにバックポートされる。
脚注
関連項目
外部リンク
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