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Ubuntu
Debian GNU/Linuxをベースとしたオペレーティングシステム (OS) ウィキペディアから
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Ubuntu(ウブンツ、ウブントゥ[8]、[ʊˈbʊntuː] ( 音声ファイル); oo-BOON-too[9])はDebian GNU/Linuxを母体としたオペレーティングシステム(OS)である。Linuxディストリビューションの1つであり、自由ソフトウェアとして提供されている。カノニカルから支援を受けて開発されている。開発目標は「誰にでも使いやすい最新かつ安定したOS」を提供することである。
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特徴

Ubuntuは使いやすさを重要視している。例えばアプリケーションの観点では、標準的なシステムツールに加えて写真編集ツールのShotwell、オフィススイートのLibreOffice、インターネットブラウザであるMozilla Firefox、メッセンジャEmpathy等が標準で組込まれている。数独やチェスなどのカードゲームやパズルゲームも同梱されている。
セキュリティの観点では、特にLinux入門者を考慮し全権限を持つrootでのログインは標準では無効になっておりsudoを利用する[10]。また最初からすべてのポートを閉じている。アクセシビリティと国際化にも力をいれており、5.04からはUTF-8が標準の文字コードとなった。
名称は南アフリカのズールー語の言葉で「他者への思いやり」を意味するウブントゥに由来する[9]。カノニカルの創業者は南アフリカ生まれでイギリス市民権を持つマーク・シャトルワースである。
現在のユーザインタフェースは橙色を基調としたYaruと呼ばれる。ロゴのフォントはイギリスのフォント制作会社Dalton Maag Ltd.の Ubuntu Font Family である。最初のリリースから9.10(Karmic Koala)までは、Andy Fitzsimonが作成したフォントUbuntu-Titleが使われていたが、10.04(Lucid Lynx)からUbuntu Font Familyが使われている。
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デスクトップ環境
現在の標準デスクトップ環境はGNOMEである。以前はGNOME パネルが利用されていたが、GNOME 3のリリースと同時期の2011年4月に独自のUnity (ユーザインタフェース)に変更された[11]。その後、Ubuntu 18.04(2018年4月26日公開)からGNOMEに戻ることが発表され[12]、Ubuntu 17.10から再びGNOMEが採用されている[13]。
他のデスクトップ環境を採用した派生ディストリビューションとして、Kubuntu、Xubuntu、Lubuntuなどがある(Unity時代はUbuntu GNOMEも存在した)。
Ubuntu Serverでデスクトップ環境を利用したい場合、APTのメタパッケージ機能[14]を利用して"ubuntu-desktop"[15]を導入することで実現できる。
評価

ユーザーエージェントによるとインターネットトラフィックの0.5%[16]から0.65%[17]の割合を占めており、Webクライアントの中で最も人気のあるLinuxディストリビューションである。マーク・シャトルワースによると、2006年末までに少なくとも800万人のユーザがいる[18]。カノニカルのChris Kenyonによると2010年4月時点で1200万を超えるユーザーがいた。
サーバー版に関しても、WikipediaをホスティングするWikimedia財団が採用するなど[19]、大規模な採用者も増えている。W3Techsの調査では、2011年6月トラフィックの多いサーバー間のシェアではRHEL(Red Hat Enterprise Linux)を超えた[20]。日本では、北海道夕張市や大阪府箕面市などが、Ubuntuおよびその派生ディストリビューションを導入した。
ランキングの推移
DistroWatchはオープンソースのOSを紹介しているサイトである。各OSのページ閲覧数を掲載しており[21]、2010年までの数年[22]連続でランキング1位を獲得したが、2018年8月現在は3位である。順位がLinux Mintに抜かれた原因は、11.04から標準採用されたUnityがユーザーに不評だったためだという見解もある[23]。その一方で、Google Trendsの変化は大きくなく[24]、占有率が減少したと決めつけられないという見方もある[25]。Distrowatchの閲覧数ランキングは導入媒体のISOファイルのダウンロード数や実稼動マシン数とは相関性がない。2019年現在、MX Linux、Manjaro Linux、Linux Mint、および Debian GNU/Linux の後塵を拝した状況である[26]。
Unity Lens問題
フリーソフトウェア財団の元会長のリチャード・ストールマンは、Ubuntu 12.10からUnity Lens検索に標準導入されたAmazonの商品検索を使うことにより、検索クエリやIPアドレスがCanonicalのサーバーを通ってしまうことを指摘し[27]、「まるでスパイウェアである」などと批判、利用を控えるように主張した[28][29](自由やプライバシを侵害する事柄へのストールマンの批判はUbuntuに限らない)。マーク・シャトルワースは自身のブログで反論した[30]。16.04のUnity Lens検索からは、標準では無効になった[31]。
Debianとの関係
UbuntuはDebian GNU/Linux を母体に開発されている。Debian派生ディストリビューションの中にはプロプライエタリソフトウェアやクローズドソースを追加しているものもあるが、Ubuntuは以前、なるべくフリーなソフトウェアを使うことを方針としていたため、Debian の思想に近い位置に立つように努めていた[32]。しかしながら、現在は利便性を考慮してかプロプライエタリなドライバやソフトウェアを標準で組込んでいる。
パッケージは基本的にDebianの不安定版(Sid)を元に作られている[33]。Debianと同様にパッケージファイル形式としてdebを、管理システムとしてAPT/Synapticを使うことができる。ただし両者の「バイナリ互換性」は保証されていない[34]。Ubuntuによる変更点は、Debianのソースパッケージに対するパッチとしてアーカイブする仕様になっている[35]。
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歴史
Ubuntuは、2004年10月20日[36]にDebian GNU/Linuxから派生したOSである[37]。
現在、Ubuntuコミュニティはカノニカルから資金提供を受けている。2005年7月8日、マーク・シャトルワースとカノニカルはUbuntu財団を創設し、初期投資として1000万USドルを提供したと発表した。財団の目的は今後公開されるバージョンも含めたUbuntuのサポートと開発を保証することである。2006年現在財団は休眠状態にある。この不透明な状況をマーク・シャトルワースは、財団はCanonicalに不測の事態が起きたときの緊急財源であると説明している[38]。
Grumpy Groundhog(気難しいウッドチャック)というコードネームを持ったブランチが計画されている。これは常に不安定な開発・テスト版であり、Ubuntuの一部として含まれる予定のプログラムやアプリケーションをバージョン管理システムから直接ソースコードを取得、修正できる。パワーユーザや上流開発者はパッケージを実際にビルドすることなく最新版プログラムをパッケージ化されたような状態でテストでき、各アーキテクチャ向けのパッケージ化の問題を早期に得られる[39]。Grumpy Groundhogは6か月ごとにDebian Unstableにマージされることになっている[40]。Grumpy Groundhog はまだ公には利用可能とはなっていない。
2008年9月5日、DELLが発表したミニノートPC「Inspiron Mini 9」はUbuntuを選択できた[41]。2009年8月27日にシャープが発表したスマートブック「NetWalker」には、Ubuntu 9.04が組込まれ発売されていた。
2022年5月11日、Microsoft StoreにおいてWindowsのWSL用の開発版Ubuntuの提供を開始した。
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公開
要約
視点
公開ごとにバージョン番号とコードネームが存在する。バージョン番号は公開時の年と月から作られる。2004年の10月20日に公開されたWarty Warthog[42]のバージョン番号は4.10である。近年のコードネームは動物の名前がアルファベット順で付けられている。
開発工程

半年ごとに公開が行われる[43]。OSとしては比較的頻繁である。公開月は通常4月、10月である。GNOMEの公開からおよそ1か月後になるように設定されている。これにより最新版のGNOMEを同梱できるようになる[44]。Ubuntu開発者サミット(UDS)が新版開発前に開催され、世界中の開発者が機能や改善すべき点の大まかな検討をする。
バザール方式という開発方針を採用している。中心となるシステムはLaunchpadである。Ubuntu行動規範に従う限り、全ての人が翻訳や開発に貢献することができる。
サポート
暫定リリース版と長期サポート版があり、サポート期間が異なる[45]。有償サポートはUbuntu Proの名称で提供されている。長期サポート版は標準サポート(5年)、拡張セキュリティメンテナンス(次の5年)、レガシー・サポート(その次の2年)と続く。
- 暫定リリース版
- 暫定リリース版(interim release)のサポート期間は公開から9ヶ月である。半年ごとに更新しなければならないが、新しい機能を望むユーザーに向いている。13.04以前は暫定リリース版のサポート期間は18ヶ月であったが、管理コストを削減するために現在の9ヶ月に短縮された[46]。
- 長期サポート版(LTS)
- 長期サポート版(Long-term Support=LTS)は2年間隔で最新版を公開しており標準サポート期間は公開から5年間。サポート期間も長いため安定を望むユーザーに向いており、Ubuntuの調査では95%のマシンがLTS版を使用している[45]。12.04以前はLTSのサポート期間はデスクトップ向けのみ3年であったが、現在はデスクトップ向けもサーバー向けも5年となっている[47]。
- 拡張セキュリティメンテナンス(ESM)
- Ubuntu Proの名称(旧称Ubuntu Advantage)でカノニカルが有償でサポートを提供している[48]。電話やウェブを通じた問合せ窓口の提供と、標準サポート期間が終了したLTS版に対する拡張セキュリティメンテナンス (Extended Security Maintenance=ESM) を提供している。個人ユーザーの場合は5台まではUbuntu Proを無償で利用可能で(公式Ubuntuコミュニティ・メンバーの場合は50台)、拡張セキュリティメンテナンス(ESM)も無償で利用可能。各種パブリック・クラウドでもインスタンス代金に上乗せする形でUbuntu Proが利用可能[49][50]。通常のサポート終了後の拡張セキュリティメンテナンス期間は12.04は2年間だったが、14.04以降のLTS版は5年間となったため標準サポート期間・拡張セキュリティメンテナンス期間・レガシーサポート期間を合わせて合計12年間となる[44]。
- レガシー・サポート
- 拡張セキュリティメンテナンス(ESM)が終了後の2年間は、レガシー・サポート(Ubuntu Pro with Legacy Support add-on)が続く。Ubuntu 14.04からの長期サポート版で利用可能。[51]
公開履歴一覧
→詳細は「Ubuntuのバージョン履歴」を参照
公開日、サポート期限の状況は、wiki.ubuntu.comに掲載されている[44]。
ポイントリリース
LTSの公開後から一定期間内に提供されたパッケージの更新をLTS導入媒体に適用する[56]。Windowsのサービスパック適用済み媒体に似ている。LTSの場合は安定性の面でポイントリリース1から順次適用するのが推奨されている。
タイムライン

スクリーンショット
- 4.10 (Warty Warthog)
- 5.04 (Hoary Hedgehog)
- 5.10 (Breezy Badger)
- 6.06 (Dapper Drake)
- 6.10 (Edgy Eft)
- 7.04 (Feisty Fawn)
- 7.10 (Gutsy Gibbon)
- 8.04 (Hardy Heron)
- 8.10 (Intrepid Ibex)
- 9.04 (Jaunty Jackalope)
- 9.10 (Karmic Koala)
- 10.04 (Lucid Lynx)
- 10.10 (Maverick Meerkat)
- 11.04 (Natty Narwhal)
- 11.10 (Oneiric Ocelot)
- 12.04 (Precise Pangolin)
- 12.10 (Quantal Quetzal)
- 13.04 (Raring Ringtail)
- 13.10 (Saucy Salamander)
- 14.04 (Trusty Tahr)
- 14.10 (Utopic Unicorn)
- 15.04 (Vivid Vervet)
- 15.10 (Wily Werewolf)
- 16.04 (Xenial Xerus)
- 16.10 (Yakkety Yak)
- 17.04 (Zesty Zapus)
- 17.10 (Artful Aardvark)
- 18.04 (Bionic Beaver)
- 18.10 (Cosmic Cuttlefish)
- 19.04 (Disco Dingo)
- 19.10 (Eoan Ermine)
- 20.04 (Focal Fossa)
- 20.10 (Groovy Gorilla)
- 21.04(Hirsute Hippo)
- 21.10(Impish Indri)
- 22.04(Jammy Jellyfish)
- 22.10(Kinetic Kudu)
- 23.04(Lunar Lobster)
- 23.10(Mantic Minotaur)
- 24.04(Noble Numbat)
- 24.10(Oracular Oriole)
- 25.04(Plucky Puffin)
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導入
要約
視点
必要環境
2024年現在、CPUはx86_x64、ARM、RISC-V、IBM Power、IBM Zに対応している[66]。サーバー版では8.04より前のバージョンでSPARCも対応していた[67]。非公式なPowerPC版[68](7.04以前ではPowerPCに公式対応していた)やIA-64(Itanium)版、プレイステーション3版もある[69]。Ubuntu 18.04以前はx86に対応していたが、18.10以降は非対応となった。
デスクトップ版
良いパフォーマンスが得られる「推奨最低環境」は以下の通り[70]。これ以下の低スペックでもXubuntuやLubuntuを利用すれば、必要なメモリやディスク容量は少なくて済む。
- 2GHzデュアルコアプロセッサ
- 4GBシステムメモリ
- 25GBのディスク空き領域
- 3Dアクセラレーション対応GPU(256MB以上のVRAM)
- 1024x768以上の解像度のディスプレイ
- CD/DVDドライブまたはUSBポート
- インターネット接続(推奨)
サーバー版
導入方法

標準的な導入で必要機能全てが揃うように設計されている。導入媒体はLive DVDとなっており、HDD等への導入と試用の両方ができる。導入前に使用予定の機種が適合しているかを確認できる。Windows環境からの移行に対応されており[72]、お気に入り、壁紙、設定などを簡単に移行できる。

isoイメージは公式サイトからダウンロードする[73]。イメージ書き込みツールを用いてDVD/USBに書き込む事でLive DVD/USBを作成できる。Live USBはUnetbootinやUbuntuにプリインストールされている「スタートアップ・ディスクの作成」で作成できる[74]。オープンソースカンファレンスなどの会場に行くことでDVDを入手することが可能なこともある。
また、DISCなどから起動できるため、何らかの理由でwindowsが起動できなくなった際、(ただし、HDDなどが壊れていないことが条件)ファイルを救出するなどの用途で使われることがあり、その方法を記した本の付録としてUbuntuのISOイメージがDVD付録として付いてくることがある。
複数PCへの一斉導入や低スペック環境も考慮し、PXEなどのネットワーク起動での導入にも対応している。標準ではTUIでの導入が可能であり、導入時には必要な環境構成を選べる。
ShipItと呼ぶインストールCDを無償送付するサービスを2005年から提供していた[75]。メールで送付先を送るだけで注文することができた[76]。2009年10月に採算上の理由から初めて注文する場合に限り無料となり、それ以降は5枚1組、税抜き送料別で5ポンドで販売することとなった。2011年4月、ShipItは利用できなくなった。
デスクトップ版

デスクトップ版では、一般的にx64の導入用DVDが提供される(Ubuntu 18.04以前はx86用も提供していた)[67][77]。GUIによる導入が行われる。特殊用途向けに Alternate CD 版もあったが、デスクトップイメージの利便性を向上する目的で12.10から廃止となった[78]。
Wubi (Windows-based Ubuntu Installer) と呼ばれるWindowsと共存する環境構築を行うソフトウェアがあり、バージョン8.04から標準搭載されていた。Windowsファイルシステム内に導入できるので、パーティションの切り分けやフォーマットの必要がなく、既存環境を損なうことなくUbuntuを導入/消去できた。バージョン11.10日本語Remix以降には、Localized CD Image toolsの都合により収録がされていない[79]。14.04を最後にWindows 8との整合性に欠ける事、UEFIに対応できていない事などから公式対応が打ち切られた。非公式に開発が続けられている。
サーバー版
サーバー版にはLive機能はなくTUIによる導入のみとなっている。導入後はCUI上でsudo apt-get install ubuntu-desktop
を使用してGUIも導入できる。
Windows Subsystem for Linux
→詳細は「Windows Subsystem for Linux」を参照
2016年4月、Windows 10 Fall Creators UpdateよりLinuxサブシステムとしてUbuntuが動作することが発表された[80]。
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パッケージ・ソフトウエア
分類
全てのパッケージ・ソフトウェアをライセンスやサポートレベルによってコンポーネントと呼ばれる以下の4種類に分けている[45][81]。
自由ソフトウェアにはUbuntuライセンスポリシー[82]に適合したソフトウェアのみが含まれる。これはほぼDebianフリーソフトウェアガイドラインに沿っている。Mainにはいくつかの警告がある。それは「作者の許諾を得ることなく修正のできないバイナリファームウェアや特定フォント」が「再配布を妨害されない限り、Mainの中に含まれてしまうかもしれない」というものである。フリーでないソフトウェアは基本的にサポートされない(Multiverse)。ただしビデオカードドライバのようなバイナリでのみ配布されるデバイスドライバなどは別である(Restricted)[83]。これらは開発者がソースコードを読むことができないので、Mainに比べるとサポートのレベルは落ちる。
MainとRestrictedパッケージは一般的なLinuxの利用に必要なソフトウェアが全て揃うように選ばれている。同じような機能を持ったプログラムやそれほど重要でない特定の用途のプログラム等はUniverseやMultiverseに配置される。
Ubuntu Backports[84]という公式のリポジトリがある。これは特定のソフトウェアに対して不安定版でのみ利用可能な最新版をバックポートするための公式プロジェクトである。これは大局的に管理されているわけではなく、利用者からの要求に対して一定の品質を満たしさえすれば、そのパッケージがバックポートされる。
スクリーンショットを見れば一目瞭然だが、公式ブラウザはFirefox、公式メールクライアントはThunderbirdということになっている。
プロプライエタリソフトウェア
サードパーティーのソフトウェアを認証するシステムがある[85]。認証を受けたプロプライエタリソフトウェアは動作保証がされる。Ubuntu 21.10以前は、再配布が禁止されているプロプライエタリソフトウェアでもカノニカルとの契約によってpartnerリポジトリからダウンロードできるものがあった。例えばアドビのFlashプラグインや、マイクロソフト(旧:Skype Technologies)のSkypeである。しかし、含まれるパッケージ数の減少から22.04以降ではこのリポジトリは削除された。
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関連プロジェクト
要約
視点
→詳細は「en:Ubuntu Touch」を参照
→「Ubuntu for Android」も参照
カノニカルは2009年よりクラウドコンピューティング向けの開発を進めている。また2012年Ubuntu for AndroidやUbuntu Touchなどを発表し、携帯端末向けインタフェースにも対応した。Ubuntu Edge などの開発、携帯電話ベンダーとの契約を発表した[86]。スマートフォンとタブレット、デスクトップで同じものを共有できるOSを目指していた。しかしながらこの共有方針は撤回となり、またカノニカルはモバイルOS開発の事業からは公式に撤退した[12]しかし結果的に引き継ぎ先として、UBports(OS名およびコミュニティ名)のコミュニティに、モバイルOS開発が「Ubuntu Touch」の名称で引き継がれることになった。
Ubuntu Enterprise Cloud

9.04 (Jaunty Jackalope) からサーバー版で Amazon EC2 と同様の機能を実現できる「Eucalyptus」を搭載した。9.10(Karmic Koara)ではクラウド構築用パッケージ「Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)」を正式に公開した。クラウド構築用パッケージを提供したのはUbuntuが初めてである[87]。

Ubuntu One
かつてはオンラインストレージサービス「Ubuntu One」も提供していた。9.04(Jaunty Jackalope)から実験的に、9.10(Karmic Koara)から正式にサポートした。複数のPCやスマートフォンの間でファイル共有ができた。無料で5GBまで同期でき、毎月2.99米ドルまたは毎年29.9米ドルを支払うと20GB容量を拡大できた。10.04(Lucid Lynx)では7digital配給の音楽配信サービス「Ubuntu One Music Store」を展開した。20GBごとに毎月3.99米ドルまたは毎年39.9米ドル支払うことで音楽配信サービスを利用することが出来た。主に以下のものを同期できた。
- ファイル
- Ubuntu One Music Storeで購入した音楽
- Webページのブックマーク
- 電子メールの連絡先(アドレス帳)
- ブロードキャストメッセージのアーカイブ
2014年4月2日、同年6月1日でサービスを終了することを発表した[88]。データは7月31日まで保持されその後削除された。
Ubuntu Pro
Canonicalは2023年1月26日(現地時間)に有料サブスクリプションUbuntu Proをリリースした[89]。元々はUbuntu Advantageという名称で有償サポートが提供されていたが、Ubuntu Proに名称変更された。Ubuntu ProはUbuntu 14.04 LTS以降のすべての長期サポート版(LTS)で利用できる。 主に以下のような機能がある。
- 通常サポート終了後の5年間の拡張セキュリティメンテナンス(ESM)とその次の2年間のレガシー・サポート
- Kernel Livepatch
- 再起動することなくカーネルを更新できるようになる。これによりサーバに利用しているマシンなどでダウンタイムを最小限に抑えることができる
- Landscape
- システム管理ツール
- FIPS 140対応の暗号化モジュール他のセキュリティ関連サポート
価格はワークステーションの場合年間25米ドル、サーバーの場合は年間500米ドル。各種パブリック・クラウドでも専用のプランが提供されている。個人利用の場合は最大5台のコンピューターで無料で利用できる。
スマートフォン
2015年2月6日、Canonicalがスペインの携帯端末メーカーbqから初めてUbuntu Touch(タッチ操作を中心としたモバイル向けのUbuntu)搭載したスマートフォンをEU限定で発売すると発表(当面はイギリス、スペイン、ポルトガル、スウェーデン)[90][91][92][93]。11日、搭載機種の「BQ Aquaris E4.5 Ubuntu edition」が発売された。
上記の通りスマートフォンからは撤退が発表されている。現在はUBports Communityによって開発が続けられている[94]。
派生品
要約
視点
主なものは、Ubuntuの派生品一覧に掲載される。
公式
これらはUbuntuと異なるパッケージを導入するだけであるが、それらのリポジトリはUbuntuと同じである。お互いに全く同じパッケージを使え、それぞれのデスクトップ環境を共存させられる。
Ubuntuの派生品一覧に載っているものの一部は、カノニカルのコントロールを離れ、独自の目的をもった別プロジェクトである。
公式から外れた派生品
公式から外れた派生品一覧に掲載。
非公式
次のような複数の非公式な派生物がある。これらのプロジェクトの中には、Ubuntuと密接に関わり、Ubuntuと同時に開発・公開され、パッケージはUbuntuと同じ公式リポジトリを利用しているものもある。
Ubuntuの派生品一覧に掲載されたもの

非公式派生品一覧に掲載。
その他の派生品
※原則、DistroWatchのほかSourceforgeやOSDN、雑誌、他言語版を含めWikipediaに記事が存在しないものは掲載しない。
- Anonymous-OS
- 匿名のハッカー集団・Anonymousと名乗る人物が開発したディストリビューション。マルウェアであるとの指摘もある[99]。
- Aurora OS
- eeeUbuntuの後継。カノニカルからの公式サポートから離脱したため改名した。
- ChaletOS[100][101][102]
- Windowsに似た操作性で、Wineを標準搭載しWindowsアプリも動作する。Xubuntuから派生。
- Clonezilla
- ディスクまたはパーティションの複製(クローニング)ならびにイメージ作成(イメージング)用。
- Elbuntu
- ウィンドウマネージャとして Enlightenment を採用している。
- Fluxbuntu
- デスクトップ環境としてFluxboxを採用した「最も軽い」ディストリビューション。開発停止。
- Freespire[103]
- Linspireから派生したディストリビューション。ver.2.0からUbuntu派生となっている。
- ChromeOS
- GoogleがUbuntuを母体に、当初オープンソースで開発していた。2010年2月に、母体となるOSを「Gentoo Linux」に変更した[104]。
- nUbuntu
- 保安ツールを多数含んでいる。
- Pear Linux[105][106]
- macOS風に構成されたディストリビューション。

- Puppy Linux
- 軽量Linuxディストリビューション。ver.5 以降からUbuntu母体の派生版が開発されている。
- Ubuntu Christian Edition[107][108]
- 標準的な Ubuntu に聖書全文と URL フィルタリングを搭載したクリスチャン向けのディストリビューション。
- Ubuntu Lite(U-Lite)[109]
- 旧式機器を備えた古いコンピュータ用のディストリビューション。
- Voyager[110][111][112][113]
- Xubuntuから派生したフランス産のOS。Xfce採用である。32ビット版と64ビット版のほか、Debian (安定版) 母体の配布版もある。
日本発の派生品
- Ecolinux
- ロースペックマシン向けのOS。11.04.3を最後に開発終了。
- Ecolinux-ez
- Ecolinuxのデスクトップ環境をXfceに置き換え、初心者向けにカスタマイズされたディストリビューション。開発終了。
- Ecolinux-light
- デスクトップ環境にFluxboxを採用したディストリビューション。比較的軽量だがあまりにも使いづらいため開発が終了した。現在は、Ecolinux-lxに引き継がれている。
- Ecolinux-lx
- Ecolinux-lightの後継版。Ecolinuxと何一つ変わらない。開発終了。
- Ubuntu Desktop日本語Remix
- 日本のローカルコミュニティ「Ubuntu Japanese Team」によって日本語環境に改善が加えられたもの。なお、Japanese Teamによる追加パッケージ[114]をオリジナルのUbuntuに導入すると、日本語Remix相当になる。追加パッケージはUbuntuをベースにした派生ディストリビューションにも適用可能。開発停止。追加パッケージは引き続き利用可能[115]。
- 巫女 GNYO/Linux
- openMosixとSCoreを利用したPCクラスタが構築可能。CD起動/HDD導入共可能。当初はDebianを母体とした。開発停止。
その他
- 2007年の秋にUbuntu 7.10を公開した後、新しい低電圧Intelモバイルチップを搭載したPDAやスマートフォン上で動くUbuntu Mobile and Embeddedエディションを開発すると公表している[116]。
- VirtualAppliances.netは仮想環境で事前にビルドされたUbuntu対応のアプリケーション集である(仮想アプライアンス参照)。
- 【第72回】Windows上でシームレスにLinuxを動かせる! WSLで改めてUbuntuに入門しよう(PCWatch、2025年4月5日) # Windows上のWSLでUbuntuを導入して動かす例。
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脚注
関連文献
関連項目
外部リンク
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