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MAP3K5
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MAP3K5(mitogen-activated protein kinase kinase kinase 5)またはASK1(apoptosis signal-regulating kinase 1)は、MAPキナーゼ経路の一部を構成するMAPキナーゼキナーゼキナーゼである。MAP3K5は、酸化ストレス、小胞体ストレス、カルシウムの流入など一連のストレスに応答して、Raf非依存的にJNKとp38 MAPKを活性化する。MAP3K5は、がん、糖尿病、関節リウマチ、心血管疾患、神経変性疾患に関与していることが知られている[5][6]。
MAP3K5タンパク質をコードするMAP3K5遺伝子は、6番染色体の6q22.33に位置する[7]。ノーザンブロット解析によって、MAP3K5の転写産物はヒトでは心臓と膵臓に豊富に存在することが示されている[8]。
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作用機序
非ストレス状態では、MAP3K5はC末端のコイルドコイルドメイン(CCC)を介してオリゴマー化している(このことは活性化の必要条件である)が、還元型チオレドキシン(Trx)やCIB1の抑制作用によって不活性型となっている[9]。TrxはN末端のコイルドコイルドメイン(NCC)に直接結合することで、MAP3K5のキナーゼ活性を阻害している。TrxとCIB1は、それぞれ酸化還元状態、カルシウム感受的な形でMAP3K5の活性化を調節している。どちらもMAP3K5の活性化因子であるTRAF2と競合しているようである。TRAF2とTRAF6はMAP3K5へリクルートされ、より大きな分子量の複合体を形成する[10]。その後、MAP3K5はCCCだけでなくNCCも介したホモオリゴマー相互作用を形成し、スレオニン845番の自己リン酸化によって完全に活性化される[11]。
MAP3K5遺伝子の転写はIL-1やTNF-αなどの炎症性サイトカインによって、NF-κBタンパク質RelAの活性化を介して誘導される[6]。TNF-αは、MAP3K5タンパク質を脱ユビキチン化によって安定化することもできる[12]。このように、MAP3K5の発現は転写段階だけでなく、翻訳後段階でも調節されている[6]。
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相互作用
MAP3K5は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。
研究
MAP3K5は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療標的の1つとなる可能性がある。MAP3K5は家族性ALSと孤発性ALSの双方でアップレギュレーションされていることがAIを活用した生物学的標的発見プラットフォームを用いて発見された。標的の発見に伴って、ALSの治療のためにいくつかの経路の解析や薬剤の設計が行われている[28]。
出典
関連文献
外部リンク
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