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Nine-primaried oscines

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Nine-primaried oscines
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nine-primaried oscines[1](ナイン・プライマリード・オサインズ)または New World nine-primaried oscines[2][3][4]は、鳥類スズメ目スズメ上科内の系統である。

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アトリ、ズアオアトリ、ゴシキヒワ

通常7–8科に分類されるが、分類によっては1科アトリ科 Fringillidae とされる。

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特徴

スズメ亜目の初列風切 (primary frathers) は基本的に10枚だが、この系統では9枚である。このため、nine-primaried oscines(初列が9枚の鳴禽類)または nine-primaried passerines(初列が9枚のスズメ亜目)と呼ばれる。

ただし、より詳細に見ると、nine-primaried oscines も初列風切は10枚ある。しかし、第10初列風切は小さく、第9初列雨覆の下に隠れている。そのため、nine-primaried oscines の適切な定義は「第10初列風切が第9初列雨覆に覆われている」となる[5]

また、この特徴は nine-primaried oscines に限られたものではなく、ツバメ科などにも見られる。そのため、それらと区別するために New World nine-primasried oscines とも呼ばれる。ただし、アトリ科(狭義)とホオジロ科を中心に旧世界に棲む種も多いため、この語の意味は若干あいまいである。New World nine-primasried oscines からアトリ科を除くこともある[4][6][7]。ここでは(特定の学説に言及する場合を除き)New World nine-primasried oscines をこの狭義の意味で使う。

nine-primaried oscines 全体を New World nine-primasried oscines と呼ぶのは、これらが新世界起源と考えられたことが一因だが、近年の研究によると実際には新世界起源ではないようである[8]

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系統

nine-primaried oscines 内部は Klicka et al.(2007)[9]より。

スズメ科 Passeridae

セキレイ科 Motacillidae

nine-primaried
oscines
アトリ科

アトリ亜科 Fringillinae

スミレフウキンチョウ亜科 Euphoniinae

ヒワ亜科 Carduelinae

New World
nine-primaried
oscines

アメリカムシクイ科 Parulidae

ムクドリモドキ科 Icteridae

ホオジロ科 Emberizidae

フウキンチョウ科 Thraupidae

ショウジョウコウカンチョウ科 Cardinalidae

ツメナガホオジロ科 Calcariidae

おそらくセキレイ科 Motacillidae、あるいはスズメ科 Passeridae と近縁である[10]。ただし。nine-primaried oscines がこれらの2科を内包する ((スズメ科 + アトリ科) + (セキレイ科 + New World nine-primaried oscines)) という系統を求める説もある[11]

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分類

現在主流の分類では、7科[12][13]~8科[14]に分かれる。1科の相違は、マミジロミツドリ科 Coerebidae(伝統的にミツドリ科と意訳されてきたが[15]、現在は単型のためここでは学名どおりにマミジロミツドリ科とする)を認めるか否かによるが、マミジロミツドリ科は系統的にはフウキンチョウ科に内包される[16]

これらに対し、nine-primaried oscines 全体をアトリ科とし、アトリ亜科 Fringillinaeホオジロ亜科 Emberizinae に分け、ホオジロ亜科をさらにいくつかのに分ける分類もある。このアトリ亜科と、ホオジロ亜科内のそれぞれの族が、通常の分類での科に当たる。

それらの中間的な分類として、近年はあまり使われないが、nine-primaried oscines をアトリ科とホオジロ科に分け、ホオジロ科をいくつかの亜科に分ける分類もあった[17][18]

分類史

要約
視点

範囲

Nitzsch (1840) が、スズメ亜目の初列風切の枚数について初めて論じ、9枚と10枚の2種類あるとした[5]

Sundevall (1872) は、それぞれのグループにラテン語で命名し、初列風切が9枚の群を novempennatae、10枚の群を decempennatae とした。

Tordoff (1954)[2]; Tordoff & Arbor (1954)[19]により New World nine priomaried oscines として定義されたが、現在の範囲とは若干異なって、モズモドキ科 Vireonidae を含み、ハワイミツスイ類ヒワ亜科の一部)とズアカサザイ Zeledonia(アメリカムシクイ科の1属1種)を含まなかった。ただし彼らは、当時ハワイミツスイ科とされていたハワイミツスイ類を、New World nine priomaried oscines に近いとし、また、ヒワ亜科を除外することについて論じている[19]

George (1962)[20]では、モズモドキ科は除外され、ハワイミツスイ科が加わり、またさらに、伝統的にアメリカムシクイ科に含められてきたオリーブアメリカムシクイ Peucedramus を除外した(現在オリーブアメリカムシクイは nine priomaried oscines の外のオリーブアメリカムシクイ科に分類される)。これらの結果、彼の New World nine-primaried oscines は現在の範囲とほぼ同じとなった。

Sibley and Ahlquist (1970)[3]は、George (1962) とほぼ同じ範囲を New World nine-primaried oscines としたが、オリーブアメリカムシクイを含めた。

科分類

伝統分類

分子系統以前は、数科に分けられてきたが、具体的な分類は諸説あり一定しなかった。20世紀後半に一般的だった伝統的な分類の2例を挙げる。

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初期の分子系統分類

Sibley & Ahlquist (1970)[3]は、nine-primaried oscines 全て(彼らが nine-primaried oscines だとしたオリーブアメリカムシクイ Peucedramus を含む)をアトリ科にまとめ、これらを3亜科に分けた。

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AOU Checklist (1980) は、ほぼ New World nine-primaried oscines(アトリ科を除く)をホオジロ科とし、これを6亜科に分けた(それぞれの亜科の詳細、現在のアトリ科とオリーブアメリカムシクイ科の扱いは未詳)。

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Sibley et al. (1988) では、AOU (1983) に似て、nine-primaried oscines の大半をアトリ亜科とホオジロ亜科に分けた。ただし、第3の亜科として現在は nine-primaried oscines に含まれないオリーブアメリカミツスイ亜科があったこと、現在のスミレフウキンチョウ亜科がホオジロ亜科フウキンチョウ族に含まれていたことは、実際の系統と異なっていた。

彼らの広義のアトリ科は必ずしも広く受け入れられなかったが、それを採用しない場合も、アトリ亜科をアトリ科に、ホオジロ亜科内の各族をそれぞれ科にと、階級を置き換えた分類が一般的になった。

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2000年代以降の分子シーケンス系統により、この分類は若干の修正を受けた。ここで表に示した科・亜科レベルの修正以外にも、多数の属が科を移動された(各科の記事を参照。この記事では省略)。

属と種

Sibleyらの時代のリストと思われる。近年の修正を受けていないので注意。

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出典

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