トップQs
タイムライン
チャット
視点

プレグナンX受容体

ウィキペディアから

プレグナンX受容体
Remove ads

プレグナンX受容体(プレグナンXじゅようたい、: pregnane X receptor、略称: PXR)は、ヒトではNR1I2遺伝子によってコードされるタンパク質である[5][6][7]SXR(steroid and xenobiotic sensing nuclear receptor)、NR1I2(nuclear receptor subfamily 1, group I, member 2)の名称でも知られる。

概要 NR1I2, PDBに登録されている構造 ...
Remove ads

機能

PXRは核内受容体であり、その主な機能は外来の毒性物質を検知し、それに応答してこうした物質の解毒と体外への除去に関与するタンパク質の発現をアップレギュレーションすることである[8]。PXRは核内受容体スーパーファミリーに属し、このファミリーのメンバーはリガンド結合ドメインとDNA結合ドメインを持つことで特徴づけられる転写因子である。PXRはシトクロムP450遺伝子CYP3A4の転写調節因子であり、9-cis-レチノイン酸受容体であるRXRとのヘテロ二量体としてCYP3A4プロモーターに結合する。デキサメタゾンリファンピシンなど、CYP3A4を誘導するさまざまな化合物によって活性化される[5][7]

リガンド

アゴニスト

PXRはステロイドプロゲステロン17α-ヒドロキシプロゲステロン17α-ヒドロキシプレグネノロン5α-ジヒドロプロゲステロン英語版5β-ジヒドロプロゲステロン英語版アロプレグナノロンコルチコステロン酢酸シプロテロン英語版スピロノラクトンデキサメタゾンミフェプリストンなど)、抗生物質リファンピシンリファキシミンなど)、抗真菌薬胆汁酸ヒペルフォリン(セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリ)の成分)、メクリジンパクリタキセルカフェストール[9]フォルスコリン[10][11]など、多数の内因性・外因性の化学物質によって活性化される[8]

アンタゴニスト

ケトコナゾールは、PXRのアンタゴニストとして知られている数少ない例の1つである[12][13]。SPA70(LC-1)は近年同定され、PXRの強力かつ選択的なアンタゴニストとして特性解析がなされた[14][15]

Remove ads

機構

他のII型核内受容体と同様、活性化された際にはレチノイドX受容体とヘテロ二量体を形成し、ホルモン応答エレメント(hormone response element, HRE)に結合して遺伝子の発現を誘導する[8]

PXRの活性化の主要な標的はCYP3A4の誘導である。CYP3A4は多くの薬物の代謝の第I相を担う重要な酸化酵素である[6][7]。さらに、PXRはグルタチオン-S-トランスフェラーゼ[16]など第II相の抱合反応を担う酵素や、OATP2英語版[17]MDR1[18][19]など第III相の排出に関与するタンパク質もアップレギュレーションする[18]

出典

関連文献

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads