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S-520ロケット
日本の観測用の単段式固体燃料ロケット ウィキペディアから
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S-520ロケットは宇宙科学研究所(現在はJAXAの内部組織)の開発した観測用の単段式固体燃料ロケットである。Sは単段を(2段式ではSS-520になる)、520は直径が520mmであることを表す。
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概要
制式観測機として主に利用されていたK-9Mを置き換える目的で計画された。単段式観測ロケットS-500として南極での利用も考慮され計画された[1]。その計画を基に直径が520mmに変更され、開発されたのがS-520ロケットである。26機のうち23機が内之浦宇宙空間観測所から、3機がノルウェーのアンドーヤロケット発射場から打ち上げられた。派生型に第2段を付加したSS-520がある。
技術的特徴
単段式になったことで組立及び発射時の作業性向上がなされた。単段式にもかかわらずK-9Mの2倍の打ち上げ能力を実現している。
推進系
ミューロケットの第1段と同じ直填式の高性能ブタジエン系コンポジット推進薬を採用したほか、S-310同様の2段型最適推力プログラムの採用によって、ペリメーターの大きい前部クローバー型断面部が飛翔初期の高推力レベルを、後部円筒型断面部が後期の低推力レベルを補償する設計となっている。ノズル開口比を8と比較的大きくとることで実効比推力の向上も図られた。
構造系
モータケース材料に当初は超高張力鋼HT-140が用いられていたが、23号機以降はS-310と同様にクロムモリブデン鋼が用いられている。尾翼は前縁がチタン合金、平行部はアルミハニカムをコアとしたGFRP/CFRPの積層を表板とするサンドイッチ構造が採用されており、軽量で耐熱性を有した構造となっている。科学観測機器がCFRP製のノーズフェアリング内に収納され、基本計器が底部の平行部に収納される。オプションとして基本計器とモータの間に姿勢制御モジュールや回収モジュールを搭載することが可能である。
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派生型
拡張系

計画
以下はいずれも計画段階として存在したもの。実現したSS-520及びそれによる人工衛星打上げとは相違点がある(ブースター追加案はいずれもその投棄の問題から実施には至っていない)。
機体諸元
S-500(計画)
- 全長:7.8m
- 直径:500mm
- 全備重量:2.1t
- 到達高度:350/250km
- ペイロード:200/350kg

S-520
- 全長:8.0m
- 直径:520mm
- 全備重量:2.1t
- 到達高度:430/350km
- ペイロード:95/150kg
- 真空最大推力:18.9tf
- 真空平均推力:14.6tf
- 真空比推力:264.8秒
- 出典[6]
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脚注
関連項目
外部リンク
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