TOI-700 c

TOI-700 cとは、かじき座の方向に約101.5光年離れた場所に位置する、恒星TOI-700を公転する太陽系外惑星である^[1]。TOI 700 cと表記されることもある^[2][3]。

TOI-700 c[1]
仮符号・別名	TOI 700 c[2][3]
星座	かじき座[2][3]
分類	太陽系外惑星 海王星型惑星
発見
発見年	2020年[4]
発見者	TESS
発見方法	トランジット法[4]
位置 元期:J2000.0[5]
赤経 (RA, α)	06h 28m 23.2287828000s[5]
赤緯 (Dec, δ)	−65° 34′ 45.521569925″[5]
固有運動 (μ)	赤経: -102.750 ミリ秒/年[5] 赤緯: 161.805 ミリ秒/年[5]
年周視差 (π)	32.0980 ± 0.0211ミリ秒[5] （誤差0.1%）
距離	101.61 ± 0.07 光年[注 1] （31.15 ± 0.02 パーセク[注 1]）
軌道要素と性質
軌道の種類	周回軌道
軌道長半径 (a)	0.0925+0.0088 −0.0083 au[1] （13,838,000+1,316,480 −1,241,680 km）
離心率 (e)	0.033+0.063 −0.025[1]
公転周期 (P)	16.051098+0.000089 −0.000092 日[1]
軌道傾斜角 (i)	88.90+0.08 −0.11°[1]
近点引数 (ω)	22.9183+103.132 −137.510°[1][注 2]
通過時刻	2458340.0887+0.0011 −0.0010 BJD[1]
TOI-700[4]の惑星
物理的性質
直径	33,548.3 km
半径	2.63+0.24 −0.23 R⊕[1]
表面積	3.528×109 km2
体積	1.971×1013 km3
質量	7.48+5.89 −3.30 M⊕（推定）[1]
表面温度	356 ± 10 K[6] （83 ± 10 ℃）
年齢	>15 億年[1]
他のカタログでの名称
TOI-700.02 TIC 150428135 c
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TOI-700の惑星系とハビタブルゾーンの位置

発見

2020年1月にハワイのホノルルで開催された「アメリカ天文学会第235回会合」にて、アメリカ航空宇宙局（NASA）が打ち上げた太陽系外惑星探索衛星TESSによる観測データから、TOI-700 cを含むTOI-700を公転する3つの惑星を発見したと発表された^[1][2][3]。TOI-700 cは惑星が主星の手前を通過（トランジット）することによる定期的な主星の見かけの明るさの減光から惑星を発見するトランジット法によって発見された^[1][4]。

特徴

大きさの比較

海王星	TOI-700 c

地球の2.63倍の大きさを持つ、海王星よりやや小規模な海王星型惑星を指す「サブ・ネプチューン（sub-Neptune）」に分類されている^[1]。軌道はハビタブルゾーンより内側に位置する。表面温度は83 ℃と推定されている^[6]。2017年に発表された「Forecaster」と呼ばれるモデルを用いたところ、地球の7.48倍の質量を持つと推測されているが、上限値では地球の13倍以上、下限値では約4倍とかなり大きな誤差が存在している^[1]。

公転周期は約16日で、TOI-700系を公転する惑星の中では内側から2番目を公転している。TOI-700 cを含むTOI-700系の3つの惑星はすべて潮汐固定されている可能性がある^[3]。TOI-700 cの内側と外側には共に地球程度の規模を持つTOI-700 bとTOI-700 dと呼ばれる別の惑星が公転しているが、その中間にあるTOI-700 cのみ大きさや推定される質量が大きいことから、TOI-700系で長期的な惑星移動が発生していた可能性があるとされる^[1]。