WASP-29

WASP-29とは、地球からほうおう座の方向に285光年 (87パーセク) 離れた位置に存在する連星系である。主星はK型主系列星で、赤色矮星である伴星は2021年に発見された^[2]。この星系は運動学的には銀河系の薄い円盤の中に位置している^[4]。主星は黒点活動が活発ではなく、X線フラックスが低い古い恒星である^[5]。

大きさの比較

太陽	WASP-29A

WASP-29A
星座	ほうおう座[注 1]
見かけの等級 (mv)	11.33[1]
位置 元期:J2000[1]
赤経 (RA, α)	23h 51m 31.0839097560s[1]
赤緯 (Dec, δ)	−39° 54′ 24.258188484″[1]
視線速度 (Rv)	24.48±0.43 km/s[1]
固有運動 (μ)	赤経: -56.767 ミリ秒/年[1] 赤緯: -88.988 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π)	11.4349 ± 0.0151ミリ秒[1] （誤差0.1%）
距離	285.2 ± 0.4 光年[注 2] （87.5 ± 0.1 パーセク[注 2]）
WASP-29Aに対するWASP-29Bの軌道
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)	10994 au[2]
惑星の数	A: 1
物理的性質
半径	A: 0.808±0.044 R☉[3]
質量	A: 0.825±0.033 M☉[3] B: 0.38 M☉[2]
表面重力	A: 4.5±0.2 cgs[3]
自転速度	A: 1.50±0.60 km/s[3]
スペクトル分類	A: K4V[2] B: M3V[2]
表面温度	A: 4800±150 K[3]
金属量[Fe/H]	A: 0.11±0.14[3]
年齢	A: 140+0 −70 億年[3]
他のカタログでの名称
CD−40 15273、TOI-192、TIC 183537452、TYC 8015-1020-1、2MASS J23513108-3954241、DENIS J235131.0-395423[1] A: Gaia DR3 6534414719318886144 B: Gaia DR3 6534426740931264896
■Template （■ノート ■解説） ■Project

惑星系

WASP-29の周囲を公転しているホット・サターンであるWASP-29bは2010年に発見された^[4]。この惑星の平衡温度は 960 ± 30 K である^[6]。惑星の大気には一酸化炭素が豊富に存在しているが、メタンやナトリウムの量は少ない可能性がある^[7][8]。ただし、WASP-29bの高く濃い雲層は詳細な分光観測を妨げている^[9]。

2018年の研究では、WASP-29のハビタブルゾーン内に仮に惑星が存在している場合、その惑星の軌道の安定性はWASP-29bによって大きく悪化することが判明した^[10]。

WASP-29の惑星^[6]

名称 （恒星に近い順）	質量	軌道長半径 （天文単位）	公転周期 (日)	軌道離心率	軌道傾斜角	半径
b	0.243+0.020 −0.019 MJ	0.0470±0.0025	3.92271218(25)	<0.059[3]	89.468+0.018 −0.017°	0.775±0.031 RJ