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WordPress
ブログCMS ウィキペディアから
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WordPress(ワードプレス)は、オープンソースのブログソフトウェア・コンテンツ管理システム (CMS) である。
PHPで開発されており、データベース管理システムとしてMySQLを利用している(後述のプラグインよりSQLiteでの使用も可能)。単なるブログではなくコンテンツ管理システムとしてもしばしば利用されている。b2/cafelogというソフトウェアのフォーク(後継)として開発、2003年5月27日に初版がリリースされた[3]。GNU General Public License (GPL) の下で配布されている。
世界中のウェブサイトで利用されており、最も人気のあるコンテンツ管理システムの1つである。2024年9月時点、全ウェブサイトの43.4%で使用されている[4][5]。
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主な特徴
要約
視点
- PHPによる動的なページ生成
- 標準添付のテンプレート等がウェブ標準に準拠
- 記事への複数カテゴリー設定に対応
- カスタマイズ可能で検索エンジンと高い親和性を持つURL
- テーマによる簡単なデザインの切り替え
- プラグインによる拡張機能
- WYSIWYGによるエントリ編集
- 投稿スラッグによるパーマリンクURL作成
ライセンス
WordPressは、GPLに従い配布される、オープンソースのソフトウェアである。誰もがWordPressの開発に参加できる、という利点がある[6]。
テンプレート、テーマ
WordPressのテンプレートはすべてPHPであるため、PHPとHTMLをある程度知っていれば容易にテンプレートをカスタマイズできる。テンプレートは多くの場合、ヘッダー部とサイドバー部、コンテンツ部、フッター部、に分けて記述され、1ページはそれらの組み合わせで表示される。WordPressでは、PHPテンプレートにスタイルシートを組み合わせたセットをテーマと呼ぶ。多くの無料テーマが、公式サイトのほかサードパーティーから提供されている。テーマの中には、ページを構成する要素をメニューから選択できるウイジェットという機能が使えるものがある。
プラグイン
様々な機能を拡張できるプラグインが用意されており、サードパーティーからも多くのプラグインが開発されている。2025年5月時点で、公式コミュニティに掲載されているプラグインの数は約59,000に上る[7]。プラグインはPHPで開発できる。ほとんどのプラグインは、WordPressのダッシュボードからダウンロードでき、さらにはFTP経由でファイルを手動でインストールすることで追加することもできる。また、有料パッケージとして多くのサードパーティが独自のウェブサイトを通じてプラグインを提供している。
モバイルアプリケーション
AndroidやiOS用といったスマートフォン向けにモバイルアプリケーションを提供している。Automatticによって製作されたこれらのアプリケーションには、統計を表示する機能に加え、新しいブログの投稿やページの追加、コメントの管理や返信などのオプションがある[8]。
国際化
WordPressはgettextを利用したi18n (internationalization) をサポートしている。translate
RTLのような特殊な言語への対応やCJK圏などにおいて単語数ではなく文字数でカウントするような言語事情考慮も行われるようになっているが、対応不十分な部分があるため日本語版や中国語(簡体字)版などの一部のパッケージではパッチプラグインを同梱しているものがある[9]。なお、こういったプラグインの有無を除けば英語版とローカライズ版の違いはほぼ言語ファイルの有無のみである[10]。
アクセシビリティ
WordPress コーディング規約では、「WordPress でリリースされるすべての新規または修正コードは、レベル AA の Web コンテンツ アクセシビリティ ガイドライン 2.0 に準拠する必要がある」と規定されている[11]。
動作環境
WordPress 6.3 より動作環境が変更された。
- PHP バージョン 7.0以上(PHP 7.4以上を推奨)
- MySQL バージョン 5.5.5以上(MySQL 5.7以上、またはMariaDB 10.4以上を推奨)
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歴史
要約
視点
WordPressの創始者は米国のマット・マレンウェッグ(Matt Mullenweg)と、英国のマイク・リトル(Mike Little)。当時最も普及していたCMSであるMovable Typeの使い勝手に不満があったマット・マレンウェッグが、その後使い始めたb2というブログツールの開発がストップした不満をブログに書いたところ、それを見たマイク・リトルがb2をベースにしたブログツールを作らないかと持ちかけ、開発がスタートした。この二人の手により2003年5月27日、WordPressの最初のバージョンである0.70をリリースした[12]。
2004年、競合するMovable Typeはライセンス体系を変更したことで批判が殺到し[13]、影響力のあるユーザーの多くがWordPressに移行した。2009年10月までに、オープンソースCMS マーケットシェアレポートは、WordPressがオープンソース コンテンツ管理システムの中で最大のブランド力を享受していると結論付け、今日では世界で最も利用されるCMSに成長した。
受賞歴と評価
- 2008年
- InfoWorldの「ベスト オブ オープン ソース ソフトウェア アワード: コラボレーション」受賞
- 2009年
- オープンソースCMS アワードの「総合最優秀オープンソース CMS」受賞
- 2010年
- デジタルシナジー社の「2010 年オープンソースの殿堂 CMS カテゴリ」受賞
- 2011年
- InfoWorldの「Bossie award for Best Open Source Software」受賞
- 2017年
- 電子フロンティア財団 におけるプライバシー評価にて5つ星[14]
リリース履歴
1.0以降のWordPressの各バージョンでは著名ジャズミュージシャンの名前にちなんだコードネームを採用している。公式にサポートされているのは最新のリリースのみだが、セキュリティアップデートは4.0までのすべてのバージョンにバックポートされている[15]。
WordPress 5.0「Bebo」

WordPress 5.0ではデフォルトエディター「Gutenberg」(ブロックベースのエディター)に刷新。これによってユーザーは、以前のバージョンよりも使いやすい方法で、表示されたコンテンツを変更できるようになった。ブロックは、ウェブページのコンテンツまたはレイアウトを形成する、マークアップの抽象的な単位である。WordPressで作成された過去のコンテンツは、クラシック ブロックと呼ばれるものの下にリストされる。Gutenbergが登場する前は、WordPressプラグインとして利用できるブロックベースのエディターがいくつかあった (例:Elementor) が、Gutenbergのリリース後、Gutenbergと既存のプラグインの比較が行われた。
Classic Editorプラグイン
大幅な刷新を行ったGutenbergに対しては、一部で慣れない既存ユーザーからの批判も強くあり、プラグインコミュニティでは低評価も少なくなかった[20]。そうした状況を受け、旧来のエディターをClassic Editorプラグインとして提供された。Classic Editorプラグインは、少なくとも 2024年までサポートされる予定となっている[21]。
Classic Editorプラグインは2023年6月の時点で、500万を超えるWordPressでアクティブになっている[21]。
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開発とコミュニティ
創始者と開発コミュニティ
創始者の二人はその他の個人や企業と共にWordPressを開発を続ける傍ら、マット・マレンウェッグはWordPressの商標を管理しているWordPress Foundationの代表である他、2005年にWeb開発会社であるAutomatticを創業し、WordPressを利用したウェブサイトホスティングサービスであるWordPress.comやメモ帳アプリであるSimplenoteを運営している。マイク・リトルはWeb開発およびコンサルティング会社であるZed1.com Ltdを創業し、WordPressを利用した英国政府関連のWebページ等の運営を行っている。
WordPressの開発は主に各リリースをテストするボランティアグループであるWP testerを含むコミュニティによって開発されている。WP testerはニュートラルビルド、ベータ版、リリース候補に早期にアクセスすることができる。エラーは特別なメーリングリストまたはプロジェクト管理やバグ追跡ツールであるTracに文書として記録される。
オープンソースのオンラインコミュニティによって開発されているが、Automatticは密接な関係を保ち、開発を支援している[22]。2014年には勤務時間の5%をWordPressのコア開発に充てることを奨励する声明を発表し、Automattic自身もその規範となるよう努めるとした[23]。
WordPress Foundation
WordPress Foundation は、WordPressの開発プロジェクトをサポートするために設立された非営利組織である。この組織の目的は、WordPressのソフトウェア開発プロジェクトへのオープンなアクセスを永久に保証することであり、その一環として、この組織はWordPress、WordCamp、および関連する商標を所有し管理している[24]。
WordCampとユーザーカンファレンス

WordCamp は、WordPressに関連するものすべてをカバーする、オフラインで開催されるカジュアルなカンファレンスである。最初のイベントは2006年8月にサンフランシスコで開催されたWordCamp 2006で、このイベントは500名以上の参加者が丸1日参加するものとなった。サンフランシスコ以外での最初のWordCampは2007年9月に北京で開催された。2023年6月現在、これまでに世界65か国、389都市以上で1,164以上のWordCampが開催されている[25]。
脆弱性
WordPressではその利用者の多さゆえにセキュリティに関する問題で影響が拡大することがある。特に2007年、2008年、2015年には多くのセキュリティ問題が明らかとなった[26]。WordPressの脆弱性の最新リストを管理している企業Flexeraによると、2009年4月のWordPressには、パッチが適用されていないセキュリティアドバイザリが7件 (合計32件中) あり、最大評価は「重大度は低い」だった。
2013年6月、最もダウンロードされている50のWordPressプラグインの一部が、SQLインジェクションやXSSなどの一般的なウェブサイト攻撃に対して脆弱であることが判明。上位10個の電子商取引プラグインを個別に検査したところ、そのうち7個に脆弱性があることが判明した[27]。そうした事態を受け、セキュリティの向上を促進し、更新に対する体験を合理化するために、WordPress 3.7では自動バックグラウンド更新が導入された。
2015 年3月、人気の高いYoast SEOプラグインにSQLインジェクションに対する脆弱性があり、攻撃者が任意のSQLコマンドを実行できる可能性があることが報告された[28]。この問題はプラグインのバージョン1.7.4で修正された[29]。
2017年1月、ウェブサイトのセキュリティ対策製品を開発しているSucuriは、WordPressのREST APIの脆弱性を特定。この脆弱性により、認証されていないユーザーがWordPress 4.7 以降を実行しているサイト内の投稿やページを変更できるようになることが判明。SecuriはWordPress開発者に密かに通知し、WordPressは6日以内に、この問題に対処したバージョン4.7.2への優先度の高いパッチをリリースした[30]。
WordPress 6.0 の時点で、PHPの最小バージョン要件はPHP 5.6で、2014年8月28日にリリースされたものである。しかし2018年12月31日以降、PHPグループによってサポートされておらず、セキュリティパッチも受け取っていないため、WordPressではPHP 7.4以降を使用することを現在(2023年6月時点)は推奨している[31]。
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スクリーンショット
- WordPress 1系の管理画面
- WordPress 2系の管理画面
- WordPress 3.0 - 3.7の管理画面
- WordPress 3.8 - の管理画面
- ブロックを利用した新しいエディタ
WordPress MU
WordPress MUは複数のユーザでブログを管理できるバージョンのWordPressである。これは主にブログホスティングの業者向けに作られている。MUは「Multi-User」の略で、ギリシャ文字μ(ミュー)が用いられることもある。サブブログはサイトのサブディレクトリまたはサブドメインのいずれかに設置でき、メインブログにはサイト内の全てのブログの最新記事や、更新情報などをリスト表示できる。インストールについてはWindows版とMac OS X版、Linux版がある。デフォルトの言語は英語のみであるが、標準版のlanguagesフォルダを流用、またはMUの日本語リソースサイトからja.moとja.poをダウンロードすれば、インストール後の主要な処理メニューを日本語化できる。なお、MUのバージョンアップは標準版に準じて行われていた。WordPress 3.0でWordPress MU(マルチサイト)とWordPressを統合。2008年3月28日に配布元のWordPress Japanが同月末のウェブサイト閉鎖を宣言、現在はWordPressへの移行を推奨している。
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わぷー
わぷー (Wapuu) はWordPress日本公式キャラクター。カネウチカズコにより制作され、2011年2月19日に開催されたWordCamp Fukuoka 2011で初公開された[32]。WordPressロゴがある丸い物体を好むように抱えている。テーマ・プラグインにわぷーを含めても問題がないよう、わぷーはWordPressと同じくGPLでライセンスされている[33]。
キャラクターの名称は投票によって決定した。得票数1位は「ワッピー」だったが、既にGMOクラウドWESTが経営しているレンタルサーバのサービス名「@WAPPY」として使われていたため、2位のわぷーが採用される事になった[32]。
脚注
関連項目
外部リンク
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