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国立環境研究所

日本の茨城県つくば市にある国立研究開発法人 ウィキペディアから

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国立研究開発法人国立環境研究所(こくりつかんきょうけんきゅうしょ、英語: National Institute for Environmental Studies)は、茨城県つくば市小野川に存在する日本の国立研究開発法人の一つで環境問題に関する公的研究機関。略称国環研NIES。建物設計は大谷幸夫(大谷研究室[1])。

概要 国立研究開発法人国立環境研究所, 正式名称 ...
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概要

つくば市小野川16番地2に所在する、環境問題に関する公的研究機関である。建物は5つの建築群から構成されており、それぞれが固有の空間構成と形態を取っていながら、コンクリートと構造部材を統一的な造形要素とすることにより施設全体の統合感を保っている[2]。「環境」を意識した作りとなっており、施設内にアカマツを残しているほか、排水を所内の池で調整する等自然の保全に努められた施設となっている[2]

沿革

  • 1974年3月、環境庁[注 1] の研究所として発足(当時は国立公害研究所)。
  • 1990年7月、直接的な公害被害への対応から地球環境問題など環境保全への対応が課題となるのに伴い、組織を全面改組するとともに国立環境研究所と改称。
  • 2001年1月、省庁再編により環境省発足。4月、環境省所管の独立行政法人国立環境研究所となる[3]
  • 2015年4月、国立研究開発法人国立環境研究所に改称[3]
  • 2016年4月、福島支部を開設[4]
  • 2017年4月、琵琶湖分室を滋賀県琵琶湖環境科学研究センター内に設置[5]

ミッション

2021年度から2025年度までの5年間の中長期計画には「重点的に取り組むべき課題への統合的な研究の推進」の項目に以下のプログラムが列挙されている[6]

  1. 気候変動・大気質研究プログラム
  2. 物質フロー革新研究プログラム
  3. 包括環境リスク研究プログラム
  4. 自然共生研究プログラム
  5. 脱炭素・持続社会研究プログラム
  6. 持続可能地域共創研究プログラム
  7. 災害環境研究プログラム
  8. 気候変動適応研究プログラム

この他、中長期計画期間を超えて実施する事業として以下の2つがある。

  1. 衛星観測に関する事業
  2. エコチル調査に関する事業

2024年、同研究所が関与した人工衛星いぶきによる観測から、全大気平均二酸化炭素濃度の年増加量が2011年以降の14年間で最大となる3.5 ppm/年を記録し、全大気平均濃度が421 ppmを超えたことが報告された。これは地球温暖化の進行が加速していることを示す重要な知見であった[7]

陣容は研究職を中心とする常勤職員約270名の他、約600人の外来研究者を受け入れている。

環境情報・環境教育に関する取組

EICネットなど環境情報を公開し共有することにより、国民の環境に対する意識を高め、さらに実効ある効果を上げている。

IPCCへの協力

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に協力しており、IPCC第4次評価報告書には79論文が採択された。また、IPCCのノーベル平和賞受賞後に当研究所出身の14人の研究員に対してIPCCから感謝状が贈られた[8]

国立環境研究所のウェブサイトでは、科学的な知見を共有するために、IPCCの評価報告書に関する動画解説や解説ウェブサイトを公開している[9]

組織

  • 企画部[10]
  • 総務部
  • 環境情報部
  • 気候変動適応センター
  • 地球環境研究センター
  • 資源循環・廃棄物研究センター
  • 環境リスク・健康研究センター
  • 地域環境研究センター
  • 生物・生態系環境研究センター
  • 社会環境システム研究センター
  • 環境計測研究センター
  • 福島支部
  • 琵琶湖分室

歴代所長・理事長

所長
  1. 大山義年(1974年3月 - 1977年7月)
  2. 佐々学(1977年10月 - 1980年1月)
  3. 近藤次郎(1980年2月 - 1985年9月)
  4. 江上信雄(1985年10月 - 1988年6月)
  5. 不破敬一郎(1988年7月 - 1990年3月)
  6. 小泉明(1990年4月 - 1992年3月)
  7. 市川惇信(1992年4月 - 1994年3月)
  8. 鈴木継美(1994年3月 - 1996年9月)
  9. 石井吉徳(1996年10月 - 1998年3月)
  10. 大井玄(1998年4月 - 2001年3月)
理事長
  1. 合志陽一(2001年4月 - 2005年3月)
  2. 大塚柳太郎(2005年4月 - 2009年3月)
  3. 大垣眞一郎(2009年4月 - 2013年3月)
  4. 住明正(2013年4月 - 2017年3月)
  5. 渡辺治保(2017年4月 - 2021年3月)
  6. 木本昌秀(2021年4月 - )

不祥事

2014年3月31日、国立環境研究所の女性研究者が筆頭著者の論文に改竄が見つかり、女性研究者の不正責任が公式認定された[11][12]。女性研究者は国立環境研究所を雇い止め(事実上の解雇)となり、大学の調査に応じなかった[11]。この事件で女性研究者の他に不正責任が公式認定された筑波大学の男性教授、女性講師は辞職後にそれぞれ停職6月相当、諭旨解雇相当の処分を受けたが、国立環境研究所は女性研究者を何も処分しなかった[12]

脚注

関連項目

外部リンク

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