此

漢字

此

• 部首: 止止 + 2 画 = 総画: 6画6
• 部首: 止止 + 2 画 = 総画: 5画5
• 止偏の画数揺れ^[1]

• 筆順 :

  

字源

• 会意。「止 （足）」+「匕 （=「比」、ならぶ）」。「やめる」「とまる」を意味する漢語｛此 /*tsheʔ/｝を表す字。のち仮借して代名詞「これ」を意味する漢語｛此 /*tshejʔ/｝に用いる。^{[字源 1]}
  • 「止」を形声文字の音符と解釈する説があるが、声母と韻部の不一致が示す通り「止」は音符ではない。また「匕」を人の形と解釈する説があるが、甲骨文字を見ればわかるように、これは誤った分析である。

甲骨文字	金文	簡帛文字	小篆	流伝の古文字
殷	西周	戦国時代	《説文》 （漢）	《六書通》 （明）

1. 張亜初 『商周古文字源流疏證』 中華書局、2014年、602-605頁。

関連字

「此」を音符とする形声文字 （諧声域＝*TSE）

		精母	清母	從母	心母
一等	平声 齊韻	䂑啙
	上声 薺韻	㧗	泚玼皉	鮆啙
	去声 霽韻			眥	些 （箇韻：些）
	入声 錫韻		-	-
		莊母	初母	崇母	生母
二等	平声 佳韻	-		柴祡𪗶茈㧘㾹
	上声 蟹韻	-	-	-
	去声 卦韻		（曉母怪韻：𡘌）	㾹眦 （夬韻：寨砦）
	入声 麥韻
		精母	清母	從母	心母
三等A	平声 支韻	貲頿鴜𪕊鮆訾㠿𨚖㰣鈭姕𦺱䖪觜 （合口：觜㭰𦸺）	雌胔姕鈭𦍧		（麻韻：些）
	上声 紙韻	紫訿訾啙𣸆跐茈呰㧗 （合口：觜㭰）	此跐佌玼泚𩢑𧺼𡘌	-
	去声 寘韻	㰣	庛	眥㧘骴胔
	入声 昔韻
		莊母	初母	崇母	生母
三等B	平声 支韻	齜
	上声 紙韻	㧗跐	-	-
	去声 寘韻	𧙁𤿙	-	（群母：㧘）
	入声 陌韻

意義

• ここ。
  • この所・この時・このこと。
• ここ-に。
  • （仮定や条件を表す言葉に続けて）（～すれば・するならば）その結果。

用例：徳有れば此に人有り。人有れば此に土有り。土有れば此に財有り。財有れば此に用有り（〔君子に〕徳があればその結果として〔国に〕人が集まってくる。国に人が集まってくればその結果として国土を保つことが出来る。国土を保つことが出来ればその結果として国が豊かになる。国が豊かになればその結果として流通も盛んになる）（『大学』）。

• こ-の・これ
• か-く
  • こう。こういった。このように。このような。

用例：此くの如（ごと）くんば則（すなわ）ち天下に於（お）いて敵無し（こういった在りさまであれば天下無敵である）（『孟子』公孫丑上）^[2]。

語源

• 不詳。チベット語 འདི 、プミ語 di¹³ と同根の可能性があるが、音の対応関係には問題がある。