イスラエルのアラブ系市民
ウィキペディア フリーな encyclopedia
イスラエルのアラブ系市民[1]とは、アラブ的な文化的・言語的ルーツ、およびアラブ的な民族的アイデンティティを持つイスラエル国の市民を指す。多くは自身らをパレスチナ人であると認識し、イスラエルのパレスチナ系市民を自称する場合もある。その他の呼称としてはイスラエル・アラブやアラブ系イスラエル人などがあり、またアラビア語では48年アラブとも呼ばれることが多い。
総人口 | |
---|---|
1,658,000 278,000(東エルサレム、ゴラン高原 (2012)) イスラエル人口の20.7% | |
居住地域 | |
イスラエル | |
言語 | |
アラビア語パレスチナ方言、ベドウィン方言、ヘブライ語 | |
宗教 | |
イスラーム 83.8% (ほとんどがスンナ派), キリスト教 8.4%、ドルーズ 8.2% |
ほとんどのアラブ系市民は、アラビア語パレスチナ方言を伝統的な日常言語としている。またほとんどがバイリンガルであり、第二言語として現代ヘブライ語を話す。
宗教的な帰属としては、ほとんどがイスラーム教徒、特にスンナ派である。またアラブ系キリスト教徒も多く存在し、ドルーズなどのような教派も存在している[2]。
イスラエルの中央統計局によれば、2013年のアラブ系人口は1,658,000人ほどと見積もられており、イスラエル人口の20.7%を構成している[3]。大部分が自身らをシティズンシップとしてはイスラエル人であるが、民族としてはパレスチナ人あるいはアラブ人であると同定している[4][5][6]。多くがヨルダン川西岸地区やガザ地区との間に、あるいはヨルダン・シリア・レバノンの難民たちとの間に家族的紐帯を持っている。
ネゲヴ砂漠のベドウィンやドルーズに関しては、自身らをイスラエルのアラブ系市民というよりイスラエル市民として同定する傾向もみられる[7][8][9][10]。
1967年の第三次中東戦争の結果イスラエルに占領された東エルサレムやゴラン高原に集住しているアラブ系市民たちに関しては、イスラエルの市民権が与えられているが、イスラエルの主権を承認することを望まないために、ほとんどがこれを拒否している。その代わりに彼らは永住者となった[11]。彼らは市民権を得るために申請する権利を持っており、また地方自治体において福祉を享受する権利や、選挙権を持つ[12]。