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『ホワイトハウス・ダウン』(White House Down)は、ローランド・エメリッヒ監督、ジェームズ・ヴァンダービルト脚本による2013年のアメリカ合衆国のアクションスリラー映画である。出演はチャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホールである。
ホワイトハウス・ダウン | |
---|---|
White House Down | |
監督 | ローランド・エメリッヒ |
脚本 | ジェームズ・ヴァンダービルト |
製作 |
ローランド・エメリッヒ ブラッド・フィッシャー ラリー・J・フランコ レータ・カログリディス ハラルド・クローサー ジェームズ・ヴァンダービルト |
製作総指揮 |
リード・キャロリン ウテ・エメリッヒ |
出演者 |
チャニング・テイタム ジェイミー・フォックス マギー・ジレンホール ジェイソン・クラーク リチャード・ジェンキンス ジェームズ・ウッズ ランス・レディック ジョーイ・キング ガーセル・ボヴェイ レイチェル・レフィブレ マイケル・マーフィー ニコラス・ライト |
音楽 |
ハラルド・クローサー トーマス・ワンカー |
主題歌 | ローリング・ストーンズ - ストリート・ファイティング・マン |
撮影 | アンナ・フォースター |
編集 | アダム・ウルフ |
製作会社 | セントロポリス・エンターテインメント |
配給 |
コロンビア ピクチャーズ ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開 |
2013年6月28日 2013年8月16日 |
上映時間 | 131分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $150,000,000[2] |
興行収入 |
$205,366,737[2] 9億9000万円[3] |
アメリカ合衆国では2013年6月28日より劇場公開された。当初は2013年11月2日公開が予定されていた[4]。
元軍人のジョン・ケイルは、イーライ・ラフェルソン下院議長の甥である伍長を戦場で助けた縁で、彼の警護を担当する議会警察官の職を得ていた。ジョンの娘エミリーは、現職大統領であるジェームズ・ソイヤーの大ファンであり、ジョンは娘を喜ばせるためにアメリカ合衆国シークレットサービスへの転職を志望していた。
ホワイトハウス見学ツアーへ参加する娘を連れて、シークレットサービスの面接に臨んだジョンだったが、採用担当をしているキャロル・フィナティ次席特別警護官は、彼の大学の同窓でジョンという人物をよく知っており、素行の良くなかった彼の採用をすげなく断る。
採用面接後、ジョンがエミリーを連れてホワイトハウスへ見学ツアーに訪れていたのと時を同じくして、中東からのアメリカ軍撤退を決議していた議会議事堂が爆破されるというテロ事件が発生する。
アルヴィン・ハモンド副大統領やラフェルソン下院議長らが避難する中、ホワイトハウス内に映画室関係の工事屋として潜り込んでいたエミール・ステンツ率いる武装集団が動き出し、ホワイトハウス内の警護官らの掃討を開始し、またたく間に武器庫を制圧。
シークレットサービスやガードマンらが次々と射殺される中、ジョンはテロリストの襲撃騒ぎではぐれてしまっていた娘を探すため、隙をついて傭兵の一人を倒し、装備を奪ってホワイトハウス内で単独での捜索を始める。
一方、シークレットサービスのリーダーであったマーティン・ジェームズ・ウォーカーが突如離反し、テッド・ホープ警護官ら自身の部下を次々と殺害してソイヤー大統領を拉致しようとする。ウォーカーがテロの首謀者であったことを知り愕然とするソイヤーだったが、偶然、娘を探して近くを通りかかったジョンが現れ、大統領は銃撃戦の末にウォーカーから逃れることに成功し、ジョンと行動を共にすることとなる。
ウォーカーはソイヤーの拉致に失敗するも、ステンツたちに彼を生きたまま確保するように指示しつつ、残っていた閣僚やツアー客の民間人らを手中に収め、ホワイトハウスから離れていたフィナティにホワイトハウスの占拠を宣言し、多額の現金と輸送機を要求。2時間以内に要求が聞き入れられなければ人質を殺害すると宣告する。
「大統領の指示した作戦で軍人だった息子ケビンを失っていた」という過去を持つウォーカーであったが、単に怨恨だけでホワイトハウス制圧に思い至ったのかとジョンとソイヤーは疑問に感じる。
ジョンとソイヤーは携帯電話から国防総省と連絡を取り、フィナティからホワイトハウスからの脱出経路の指示を受けて脱出を図る。一方、エミリーがテロリストたちの映像をYouTubeにアップロードしたことで襲撃犯たちの素性が判明してしまい、ステンツたちは激怒する。ジョンとソイヤーはステンツたちの追撃を交わしつつ地下道から脱出を図るが、出口に爆弾が仕掛けられていたため断念し、大統領専用車に乗り込み地上からの脱出を図る。
しかし、テロリストがエミリーを人質にしたことを知ったジョンは動揺し、テロリストの攻撃で大統領専用車を横転させてしまう。ジョンとソイヤーはグレネードを爆発させて、ウォーカーやステンツから逃げることに成功する。
ソイヤーの生死が不明となったアメリカ政府は、大統領専用機で避難中のハモンド副大統領を合衆国憲法修正第25条第1節第6項(大統領の空席)により大統領に昇格させ、国防総省にいる、コールフィールド統合参謀本部副議長が作戦の指揮権を掌握し、フィナティは追い出されてしまう。
ジョンは負傷したソイヤーを治療した後、一人でエミリーを助け出そうとするが、そこにコールフィールドの命令で出動した救出部隊が到着する。しかし、テロリストが用意した地対空ロケット、ジャベリンの攻撃で部隊が全滅し、NORADのシステムをハッキングさせたウォーカーはミサイルを発射させてエアフォースワンを撃墜する。ハモンドが死亡したことでラフェルソンが大統領に昇格し、彼は最終手段としてホワイトハウスの空爆を決定する。
一方、ウォーカーは「エミリーを殺す」と脅してジョンを投降させようとし、彼女を守るためにソイヤーが投降する。ウォーカーは息子の戦死を無駄にしないため、ソイヤーの認証を利用して中東への核攻撃を目論む。ジョンはステンツを倒して大統領執務室に乗り込み、核ミサイルの発射ボタンを押そうとしていたウォーカーを射殺してエミリーを救い出す。
ジョンはエミリーを逃がし、ウォーカーに撃たれて負傷したソイヤーを助けようとするが、そこに空爆部隊が迫って来る。しかし、エミリーが大統領旗を振って攻撃中止を訴えたため、部隊は空爆を中止する。
ホワイトハウス周辺に集まっていた群衆やマスコミはエミリーに駆け寄り事件の解決を喜ぶが、ジョンは独自にウォーカーの情報を探っていたフィナティから、ウォーカーを操っていた黒幕がいることを聞かされる。黒幕の正体が、中東からの撤退に反対する軍産複合体の支援を受けていて、現在は大統領職に就いているラフェルソン下院議長だと知ったソイヤーは、ラフェルソンを反逆罪で逮捕する。
事件が解決し、ソイヤーはジョン、エミリー、フィナティ、コールフィールドと共にハミングバードに乗りホワイトハウスを後にする。
※括弧内は日本語吹き替え
『ホワイトハウス・ダウン』はプロデューサーの1人であるジェームズ・ヴァンダービルトの脚本に基づき、ローランド・エメリッヒが監督している。
2012年3月にソニー・ピクチャーズはヴァンダービルトのスペック・スクリプトを300万ドルで購入した。『ハリウッド・リポーター』誌はその脚本を『ダイ・ハード』と『エアフォース・ワン』と同様の「トーンとテーマ」であると書いた[14]。
同年4月、ソニーは監督としてローランド・エメリッヒを雇った[15]。エメリッヒは2012年7月にカナダ・ケベック州モントリオールのラ・シテ・デュシネマで撮影を開始した[16]。
2012年にはミレニアム・フィルムズ製作で、同じくホワイトハウス占拠を題材とした『エンド・オブ・ホワイトハウス』のキャスティング・撮影が始まっており、本作のライバルプロジェクトとして注目を集めた[17]。同年に公開されており、両作とも「ホワイトハウスへのテロ攻撃」をテーマにしたアクション映画であり、大統領と共にテロリストを撃退する主人公や、子どもを救出する点など、いくつかの共通点がある。
『エンド・オブ・ホワイトハウス』は元シークレットサービス隊長の主人公による「現場のリアルさ」を重視しているサスペンス・アクション作品なのに対して、『ホワイトハウス・ダウン』はシークレットサービスへの就職を希望する父娘の「親子愛」や「大統領とのコメディー的な掛け合い」を取り入れたヒーロー・アクション映画となっている。
その他のライバル関係の作品については、「競合作品」を参照のこと。
アメリカとカナダで公開初週末に2,490万ドルを稼ぎ、初登場4位となった。しかし、この数字は当初の予想を下回るものだった[18]。公開第2週の興行収入は1,340万ドルを記録した[19]。
2013年10月、ソニー・ピクチャーズは6月、7月、8月の映画事業の損失の合計が1億9,700万ドルになったことを発表し、「『ホワイトハウス・ダウン』の失敗が大きな原因」と述べている[20]。本作の総製作費1.5億ドルに対して、興行収入2億ドルを稼ぎ出しており、これに「宣伝費」などを含めた際に赤字になったと見られる。
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