ルテイン
ウィキペディア フリーな encyclopedia
「ルチン」とは異なります。 |
ルテイン(英語: Lutein、ラテン語のluteus「黄色」から派生)はキサントフィル(黄色の色素)であり、600種以上知られているカロテノイドのうちの一つ[1][2]。植物によってのみ合成され、他のキサントフィルと同様に、ホウレンソウやケールなどの緑の葉野菜に多く含まれる[3][4]。卵黄や動物性脂肪にも含まれる[3]。
概要 ルテイン, 識別情報 ...
ルテイン | |
---|---|
β,ε-カロテン-3,3'-ジオール | |
別称 trans-ルテイン; 4-[18-(4-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキシル)-3,7,12,16-テトラメチルオクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエニル]-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オール | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 127-40-2 |
PubChem | 5368396 |
E番号 | E161b (着色料) |
KEGG | C08601 |
| |
特性 | |
化学式 | C40H56O2 |
モル質量 | 568.871 g/mol |
外観 | 赤橙色の結晶 |
融点 |
193℃ |
水への溶解度 | 不溶 |
脂肪への溶解度 | 可溶 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
閉じる
体内ではゼアキサンチンと共に眼球内の黄斑部や水晶体、皮膚などに多く存在する[3][4]。ルテインの黄斑での役割は、青色光を吸収することで光によるストレス[要曖昧さ回避]を軽減することや、酸化ストレスから防御することである[1][4]。黄斑という名はルテインやゼアキサンチンがあることに由来し、この黄斑色素が加齢などで減少すると、眼の機能低下を招く[4]。
ヒトは体内でカロテノイドを合成できないため、黄斑の色素の維持には食事から継続的に摂取する必要がある[1][4]。食事から多く摂取した場合、健康な人においても黄斑色素濃度の上昇が期待できる[4]。しかし、視力改善や、加齢黄斑変性症や白内障などの疾患予防に関しては、実験条件が異なると効果にばらつきがあり、再現性が不確実である[4][5][6]。特に健康な人を対象にした臨床研究では信頼性はかなり限定的である[3][4]。