名鉄モ600形電車 (2代)
ウィキペディア フリーな encyclopedia
名鉄モ600形電車(めいてつモ600がたでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が岐阜地区の直流600 V電化路線区の一つである美濃町線において運用する目的で、1970年(昭和45年)に導入した電車である。名鉄に在籍する吊り掛け駆動車各形式のうち、間接非自動進段制御器を搭載するHL車に属する。
概要 基本情報, 製造所 ...
名鉄モ600形電車(2代) | |
---|---|
モ600形604(新関駅) | |
基本情報 | |
製造所 | 日本車輌製造 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電気方式 |
直流600 V / 1,500 V (架空電車線方式・複電圧仕様) |
車両定員 | 90人(座席32人) |
車両重量 | 18.1 t[* 1] |
全長 | 14,890 mm |
全幅 | 2,236 mm |
全高 | 3,926 mm |
車体 | 全金属製 |
台車 | D12[* 2] |
主電動機 | 直流直巻電動機 TDK-516-E |
主電動機出力 | 60 kW |
搭載数 | 2基 / 両[* 3] |
駆動方式 | 吊り掛け駆動 |
歯車比 | 2.65 (61:23) |
制御装置 | 電空単位スイッチ式間接非自動加速制御(HL制御) HL-480F |
制動装置 | SME非常直通ブレーキ |
テンプレートを表示 |
閉じる
モ600形は美濃町線から田神線経由で直流1,500 V電化路線区の各務原線へ乗り入れ、新岐阜(現・名鉄岐阜)へ直通運転する列車の運用に供するため[4]、直流600 V電化区間および同1,500 V電化区間の両方を走行可能な複電圧車両として設計・製造された[4]。また、美濃町線の狭小な車両限界に対応するため、前後の車端部を大きく絞り込んだ特異な外観を特徴とし[4]、その外観は「馬面電車」とも形容された[5]。
モ600形はモ601 - モ606(形式・記号番号とも2代)の全6両が新製され[6]、1970年代当時衰退の一途を辿っていた路面電車用車両として久方ぶりの新型車両であることなどが評価を受け、鉄道友の会より1971年(昭和46年)度のローレル賞を受賞した[5]。
後年、モ800形(2代)の導入に際して2000年(平成12年)に5両が廃車となり[7]、残存した1両は2005年(平成17年)3月の美濃町線を含む岐阜地区の架線電圧600 V路線区全線廃止まで運用された[7]。
以下、本項においてはモ600形を「本形式」と記述し、形式・記号番号については特に区分の必要がある場合を除いて(初代)または(2代)の表記を省略する。