基本再生産数
感染症に感染した1人の感染者が、誰も免疫を持たない集団に加わったとき、平均して何人に直接感染させるかという人数 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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基本再生産数(きほんさいせいさんすう、英語: basic reproduction number、R0と表記され、R noughtあるいはR zeroと読まれる[1])とは、疫学において、感染症に感染した1人の感染者が、誰も免疫を持たない集団に加わったとき、直接感染させる人数の期待値である[2]。1人の患者が平均して何人に感染を広げる可能性があるかを示す[3][4]。
また、人口学においては女性が生涯に生む期待女児数(純再生産率)を指す[5]。女性が1人だけ娘を産むときには人口は単純再生産であって、1人より多く産めば拡大再生産となる[5]。すなわち母親世代とその娘世代の総数比を指し、R0 が1より大きければ人口は拡大再生産されるが、1より小さければ縮小再生産される[6][7]。
基本再生産数は、人口学で生まれた概念であるが、感染症疫学でも基本概念である[6]。R0 は、人口学では人口増加の閾値として用いられ、進化生物学においては侵入生物ないし突然変異体の適応度と解釈され、感染症疫学では感染症の侵入条件や臨界免疫化割合を定量化するものと見なされる[8]。