硫酸
無色・酸性の液体、硫黄のオキソ酸のひとつ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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硫酸(りゅうさん、英: sulfuric acid、独: Schwefelsäure)は、緑礬油(りょくばんゆ)、ビトリオール油としても知られており、硫黄、酸素、水素の元素からなる鉱酸である。分子式はH2SO4 で、無色、無臭の粘性のある液体で、水と混和する[2]。
硫酸 | |
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Sulfuric acid | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7664-93-9 |
EC番号 | 231-639-5 |
E番号 | E513 (pH調整剤、固化防止剤) |
国連/北米番号 | 1830 |
RTECS番号 | WS5600000 |
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特性 | |
化学式 | H2SO4 |
モル質量 | 98.08 g mol−1 |
外観 | 無色の油状液体 |
密度 | 1.84 g cm−3, 液体 |
融点 |
10 °C, 283 K, 50 °F |
沸点 |
290 °C, 563 K, 554 °F |
水への溶解度 | 任意に混和 |
酸解離定数 pKa | −3 |
粘度 | 26.7 cP (20 °C) |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−813.989 kJ mol−1 |
標準モルエントロピー S |
156.904 J mol−1K−1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
138.91 J mol−1K−1 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | 厚生労働省モデルSDS |
GHSピクトグラム | [1] |
GHSシグナルワード | 危険 [1] |
Hフレーズ |
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NFPA 704 | |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
関連する強酸 | セレン酸 塩酸 硝酸 |
関連物質 | 発煙硫酸 二酸化硫黄 三酸化硫黄 ペルオキソ一硫酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
純粋な硫酸は、水蒸気との親和性が高いため自然界には存在せず、空気中の水蒸気を容易に吸収する吸湿性がある[2]。濃硫酸は、強力な脱水作用を持つ酸化剤であるため、岩石や金属などの他の物質に対して強い腐食性を示す。五酸化二リンは例外的に酸の脱水性の影響を受けず、逆に硫酸を脱水して三酸化硫黄になる。硫酸を水に加えるとかなりの熱が発生する。逆に硫酸に水を加えて溶液を沸騰させると、その際に高温の酸が飛散する可能性があるため、そのような手順は行わない方がよい。硫酸が体組織に接触すると、重度の酸性化学熱傷や、脱水症状による二次熱傷を引き起こす可能性がある[3] [4]。希硫酸は、酸化作用や脱水作用がないため危険性はかなり低いが、酸性であるため取り扱いには注意が必要である。
硫酸は非常に重要な汎用化学品であり、硫酸の生産量はその国の工業力を示す良い指標となる[5]。硫酸は、接触法、湿式硫酸法、鉛室法など、さまざまな方法で広く生産されている[6]。肥料製造に最もよく使われている[7]が、鉱物処理、石油精製、廃水処理、化学合成にも重要である。また、家庭用の酸性排水処理剤[8]、鉛蓄電池の電解質、化合物の脱水、各種洗浄剤など、最終的な用途は多岐にわたっている。硫酸は、三酸化硫黄を水に溶かすことで得られる。