自閉症スペクトラム障害
神経発達症群に分類される診断名 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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自閉症スペクトラム障害(じへいしょうスペクトラムしょうがい、英語:Autism Spectrum Disorder, 略称:ASD)、あるいは自閉スペクトラム症とは、『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版(DSM-5)における、神経発達症群に分類されるひとつの診断名で、コミュニケーションや言語に関する症状があり、常同行動を示すといった様々な状態を連続体(スペクトラム)として包含する診断名である。従来からの典型的な自閉症だけでなく、もっと軽い状態が含まれることになった。自閉スペクトラム(Autism spectrum)[1]、自閉症連続体(じへいしょうれんぞくたい)、自閉症スペクトルなどともいう。
この項目では、DSM-5の定義による分類について説明しています。ICD-10の定義による分類については「広汎性発達障害」をご覧ください。 |
Autism spectrum | |
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パズルリボンはASDのシンボルとして用いられる | |
概要 | |
診療科 | 精神医学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-9-CM | 299.00 |
MedlinePlus | 001526 |
MeSH | D000067877 |
GeneReviews | |
かつてのICD-10やDSM-IVで用いられている広汎性発達障害の中分類に含まれていた、自閉性障害(自閉症)、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害、小児期崩壊性障害などの各障害は、DSM-5においてはASDの単一の診断名を用いて再定義された[2]。そのためDSM-5と、ICD-10やDSM-IVでは正確な分類の一致はない[1]。
ASDの診断基準は「社会的コミュニケーションの障害」と「限定された興味」の2つを満たすとDSM-5では定められている[1]。典型的には生後2年以内に明らかになる[1]。有病率は0.65〜1%とされる[1][3]。性差は男児において女児よりも4倍とされる[1]。またASD児童のうち約30%は知的障害を、11 - 39%はてんかんを併発している[1][3]。
原因については現時点では脳機能の変異とされているが、親の子育て能力は関係しないと判明している[1]。ASDは他の神経発達症と同様、一般的には治療法は存在せず、一生続き、治療より療育や支援に重きが置かれる[4][1][3]。治療のゴールは、中核症状および関連症状を最小化し、さらに患者のQOLを最大化し患者家族のストレスを軽減することに置かれる[3]。