アゾフ連隊

ウクライナの国家警備連隊 / ウィキペディア フリーな 百科事典

アゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフとくしゅさくせんぶんけんたい、ウクライナ語: Окремий загін спеціального призначення «Азов»)、アゾフ分遣隊アゾフ連隊ウクライナ語: Полк Азов)、アゾフ大隊(2014年9月まで)、または単にアゾフは、ウクライナ国家警備隊に所属する準軍事組織[2]アゾフ海沿岸のマリウポリを拠点とする[3][4]。アゾフ大隊、アゾフ連隊は通称で、ウクライナ国家警備隊での正式な所属・名称は東部作戦地域司令部第12特務旅団所属のアゾフ特殊作戦分遣隊である[5]

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アゾフ特殊作戦分遣隊
AZOV_logo.svg
エンブレム
創設 2014年5月5日
所属政体 Flag_of_Ukraine.svg ウクライナ
所属組織 Ensign_of_the_National_Guard_of_Ukraine.svg ウクライナ国家警備隊
部隊編制単位 連隊
兵科 歩兵
兵種/任務/特性 国家憲兵、国家安全保障
人員 900 - 1,500人[1]
所在地 Flag_of_Ukraine.svg ウクライナ
ドネツィク州マリウポリ
愛称 メン・イン・ブラック
彩色 青と金
上級単位 第12特務旅団
担当地域 ドネツィク州
キーウ州
ザポリージャ州
主な戦歴

ドンバス戦争(義勇軍として)

国家警備隊として

2022年ロシアのウクライナ侵攻

現司令官 デニス・プロコペンコ中佐
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アゾフ連隊の義勇兵

2014年ウクライナでの親ロシア派騒乱で親ロシア派に対抗するため発足した[3]ゼレンスキー大統領の政治支援を行っているウクライナ・オリガルヒユダヤ人イーホル・コロモイスキーもアゾフ大隊にも資金提供したとみられている[6]。同年5月の創設当初は義勇兵部隊であったものの、ドンバス戦争で対親露派・分離主義者の戦闘で名をあげ[7]ドンバス危機以降の11月からは国家警備隊として機能するようになり[8]、2014年11月11日のウクライナ内務大臣アルセン・アバコフの署名によってアゾフ大隊は正式にウクライナ国家警備隊に編入された[9][10]

創設当初は[11]極右[12][13][14]右翼[15]ネオナチ[16][17][18][19]ナショナリスト[11]として報じられた。2022年4月時点の日本では、白人至上主義者や反イスラーム主義者は排除され、ウクライナ民族主義に基づく[3]精鋭部隊として報じられている[20]。一方、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、2022年2月27日にウクライナ国家親衛隊Twitter公式アカウントに投稿された動画によるアゾフ連隊のイスラム教徒への差別、並びにネオナチ賞賛を批判している[21]

2022年ロシアのウクライナ侵攻では、ロシア政府はアゾフ大隊の存在を侵攻のプロパガンダの対象の一つとした[22][23]。ルポライターの清義明ワシントン・ポストは、ロシア政府の侵攻プロパガンダを問題視した上で、侵攻後のアゾフ連隊志願兵に白人至上主義等のネオナチとして知られる人物らの参加、またナショナル・コー(国民軍団)S14(C14)等のアメリカ合衆国国務省から国家主義的なヘイトグループ、またテロ組織登録されている極右・ネオナチと呼ばれる勢力の政権、行政、司法への関与がホワイトウォッシュされているとして、ウクライナ政府のプロパガンダに関しても警告している[24][25][26][27]