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南コーカサスのジョージアの郷土料理 ウィキペディアから
ジョージア料理(ジョージア語:ქართული სამზარეულო、ローマ字読み:kartuli samzareulo)あるいはグルジア料理は、南コーカサスの国ジョージアで日常的に食される食物(飲料)と食器によって形成される料理を中心とした食文化のことである。ジョージアの地域によって多様なスタイルのレシピがある。食事と飲酒はジョージア文化の中でも重要な役割を担っている。ジョージア国以外でも、ジョージア料理店はもちろん、ジョージア・ワイン店、ロシア料理店などでも食べられることがある[1]。
ジョージアはシルクロード上の国のひとつであるため、旅人によってジョージア料理は影響を受けたとされている。愛や友情はスプラ(テーブルクロス)がジョージアで非常に重要である理由のひとつである。スプラは、親戚や友人、客人に提供され、乾杯をして客人を楽しませるタマダ(トーストマスター)が欠かせない。
なお、アメリカ合衆国のジョージア州における伝統料理の「ジョージア料理」(南部料理およびローカントリー料理を参照)とは何の関係も無い。
ジョージア固有の料理であり、同国内の州ごとに独自に発祥した料理や伝統の中で洗練された料理が数多く存在する。一方、ジョージア料理の中には中東やヨーロッパだけではなく、西アジアからの影響も見られる。これらは、この地がユーラシア大陸の東西をつなぐ交易路の中継点であったため、相互の豊富なアイデアや香辛料を含む食材が行き交った結果と見られる[2]。
ジョージア料理の文化の中で、特徴的なのはケイピ、もしくはスプラと言われる宴会[3]と、それを盛り上げるタマダと呼ばれる仕切り役[3]存在である。この宴会では、大量のワインやビール類と、大量のジョージア料理が提供され、タマダが司会進行やスピーチ、宴会芸、踊り、音楽を披露して盛り上げることが、最高の歓迎として伝統となっている。
ジョージア料理は20世紀以降、ロシア国内で普及している。これはソビエト連邦共産党書記長のヨシフ・スターリンがカルトヴェリ人で、ジョージア料理が好物だった事による。ロシア国内の多くの都市には必ずジョージア系レストランが存在し、ジョージア料理をジョージアの様式に従って提供している[4]。
日本では20世紀半ばにロシア経由で知られるようになって以来「グルジア料理」と呼称されて来たが、同国の主たる民族であるカルトヴェリ人の多くはロシア語由来(異説あり)とされる「グルジア」の呼称を忌避しているため、2015年4月に日本政府が国家の外名を「ジョージア」に変更したのに前後して「ジョージア料理」と呼ばれることが多くなっている。
アブハジア料理はスパイスや胡桃を多く使用する。
アチャラ料理は、その自然(海辺、山岳地帯)と歴史に影響を受けた非常に多様な料理。
グリア料理は、主に家禽(特に鶏肉)、コーンブレッド(ムチャディ)、そして胡桃が多く使用される。
イメレティ料理は、隣接するグリア地方の料理とよく似たところがあり、胡桃をふんだんに使用することで知られている。
カヘティ料理は、より肉をベースにしたジョージア料理と見なされており、この地域は「ワインの地域」と呼ばれている。ジョージアのパンの一種であるトニスプリの発祥の地としても知られている。
カルトリは、フルーツ(特に林檎、アプリコット、イチジク、桃)と野菜(特に胡瓜やトマト、玉ねぎ)などの名産地として知られている。
ラゼティの歴史的名所のほとんどはトルコに位置しているが、ジョージアのラゼス特にサルピでは、今でも下記のとおり伝統的な料理が作られている。
サメグレロの郷土料理は、ジョージアの中でも最も有名な料理とみなされている。数々のスパイスや胡桃を使用するのが特徴。
これらの料理は類似性が高いため、同一料理とみなされることがよくある。
ラチャとレフチュミの料理は大半が同一料理であることから、ひとつの料理グループに分けられることが多い。
サムツヘとジャヴァへティの料理は、メスへティアとジャヴァへティの二つの郷土料理で構成されている。これらの地域の料理がよく似ていることから、しばしば同一料理とみなされる。この料理はガチョウの肉を多く使用することと、トルコの支配下にあったという歴史的背景から、ジョージアの他の郷土料理と大きく異なる点が多い。
伝統的なジョージアのパンは様々で、トニスプリ、ショティスプリ、メスクシュリプリ、ナズキ、ムチャディなどがある。
ジョージアのパンは伝統的に、トネという大きい円形の井戸の様な形のオーブンで焼かれる。
ハチャプリはチーズの詰まったパンで、ジョージアの伝統料理。パンは発酵させることで厚みができ、様々な形に作ることができる。通常、中央にチーズがあり、パンをちぎってチーズにつけて食べられる。フィリングには、チーズ(新鮮なものから熟成されたものまで、最も一般的にはスルグニ)や卵等が含まれる。[5]
ジョージアの地域によって様々な特徴的な種類のハチャプリがある:
ジョージア料理は基本的に魚中心ではないが、主にマスやナマズ、鯉を使って作られる料理がいくつかある:[7]
最も人気の高いジョージアの肉料理といえば:
ジョージアはワイン発祥の地として知られている。[8]8000年もの間、南コーカサスの肥沃な谷や斜面は葡萄栽培とワイン生産(ジョージア語でღვინო, ɣvino)の本拠地であった。[9][10][11][12]ジョージアワインの何千年にもわたる卓越した経済的・歴史的役割から、ワインの伝統はジョージア国民のアイデンティティとは切り離せない存在である。[9]
ジョージアの有名なワイン産地といえば、カヘティ(さらにテラヴィとクヴァレリのミクロ地域に区別される)、カルトゥリ、イメレティ、ラチャ・レチフミ、クヴェモ・スヴァネティ、アチャラ、アブハジアがある。
ユネスコ(UNESCO)は、クヴェヴリという陶器の壺を使用する、古代から伝わる伝統的なジョージアのワイン製造方法をユネスコ無形文化遺産として登録した。[13][14]
ジョージアで飲まれるアルコールといえば、チャチャとワイン(特にジョージアワイン)がある。最も親しまれているジョージアワインには、ピロスマニ、アラザニ、アハシェニ、サペラヴィ、キンズマラウリなどがある。ジョージアのワイン文化は数千年前まで遡り、サペラヴィやルカツィテリなど多くのジョージアワインは西洋ではほとんど知られていない古代の葡萄品種から作られる。ジョージアワインは東欧全土で非常によく知られており、ジョージアは年間1000万本以上ものワインを輸出している。ジョージアワインは国にとって大変重要な輸出品である。ジョージアには、ナタフタリ、カズベギ、アルゴ、カスリ、カルヴァなど多くのビールブランドもある。
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