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2013年のアメリカのアニメーション映画 ウィキペディアから
『モンスターズ・ユニバーシティ』(原題:Monsters University)は、2013年公開のアメリカ合衆国の3Dコンピュータアニメーション映画である。2001年の『モンスターズ・インク』の続編であり、サリーとマイクの大学時代を舞台にした冒険を描いている(事実上の前日譚)。略称は「MU」。
モンスターズ・ユニバーシティ | |
---|---|
Monsters University | |
監督 | ダン・スキャンロン |
脚本 |
ダン・スキャンロン ダン・ガーソン ロバート・L・ベアード |
原案 |
ダン・スキャンロン ダン・ガーソン ロバート・L・ベアード |
製作 | コリー・レイ |
製作総指揮 |
ジョン・ラセター ピート・ドクター アンドリュー・スタントン リー・アンクリッチ |
出演者 |
ジョン・グッドマン ビリー・クリスタル |
音楽 | ランディ・ニューマン |
編集 | グレッグ・スナイダー |
製作会社 | ピクサー・アニメーション・スタジオ |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公開 |
2013年6月21日 2013年7月6日 |
上映時間 | 104分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 |
$743,559,645[2] $268,492,764 89億6000万円[3] |
前作 | モンスターズ・インク |
多種多様なモンスターの暮らすモンスターワールド。彼らの生活に欠かせないエネルギーは、人間の子供の悲鳴が源となっており、大企業モンスターズ・インク(MI)では日夜、怖がらせ屋のモンスターが子供たちを怖がらせていた。
緑色の小柄なモンスターマイクは、幼いころ、見た目が怖くないのを理由に同級生から邪険にされていた。ある日、学校の授業でMIの見学にやって来たマイクは、怖がらせ屋フランク・マッケイを追いかけて子供の部屋へ侵入してしまう。間近でフランクの勇姿を拝み、さらに彼から「君がついて来たのに気づかなかった」と怖がらせ屋の素質を讃えられたのをきっかけに、怖がらせ屋になるのを決意する。それからマイクは勉強に勉強を重ね、フランクの出身校であるモンスターズ・ユニバーシティ(MU)へ入学を決める。モンスターたちが様々なクラブを運営し、賑わうMU。とりわけマイクが在籍する怖がらせ学部には、怖がらせることに自信を持つモンスターで溢れていた。自身の努力で身につけた知識や技量に自信づくマイクは、ルームメイトのランドールと共に初めての授業へ臨む。学部には、著名な怖がらせ屋を代々輩出するサリバン家のエリートモンスターサリーがいた。屈強な体と唸り声という自らの才能に慢心するサリーは、何かにつけて努力家のマイクを「才能がないから努力するのだろう」と馬鹿にした。サリーは学期当初から周囲の賞賛を浴び、学内最大の怖がらせ屋ジョニーが率いるフラタニティロアー・オメガ・ロアー(ROR)へルーキーとして加入した。これに憤慨したマイクは、学期末の試験へ向けて猛勉強に励む。最初は才能あふれるサリーが評価されていたものの、やがてマイクの方が良好な成績を収め、まっとうな評価を受けるのだった。
そして学期末試験がやってきた。試験は怖がらせシミュレーターを使った実技であった。試験の順番待ち中、マイクとサリーは小競り合いの末に、伝説の怖がらせ屋ハードスクラブル学長の記念悲鳴ボンベを誤って壊してしまう。マイクは「勉強では身につかない才能を持っていない」、サリーは「才能はあるが技量がまるでない」と見限られ、共に怖がらせ学部から追い出されてしまう。他学科へ転入させられ消沈するマイクと、マイクへの逆恨みで燃えるサリー。サリーはRORからも追放されてしまい、その穴には密かに評価を高めていたランドールが入った。そんな時、マイクはMUの伝統行事「怖がらせ大会」のチラシを見つける。大会はその名の通り、クラブ毎に出場し最も恐ろしい怖がらせ屋志望の生徒を決めるものであった。マイクは怖がらせ学部の落伍者が集うフラタニティウーズマカッパ(OK)を率い、学長相手に「大会で優勝すればクラブ全員を怖がらせ学部へ復帰させる。負ければマイクがMUを退学する」という賭けを持ちかけるが、出場に必要なメンバーが後ひとり足りない。そこへ、賭けの内容に旨味を見つけたサリーが加入を宣言し、晴れて出場権を得た。
OKのメンバーはいずれも落ちこぼれで、大会は前途多難であった。1回戦は罠だらけの暗闇での障害物競走。OKはグループ全員のゴールが叶わずビリになってしまうが、反則を犯したチームがいたために辛くも次へ進出する。2回戦の舞台は図書館。巨大な図書館長の目を逃れながら旗を奪取するというもの。ここでも最下位になりかけるが、手に吸盤のあるドン・カールトン、非常に気配の薄いスクイシー、行動の読めないアート、ダンスで気を引く2つ頭のペリー兄弟。それぞれが個性を発揮して何とか3回戦進出を果たす。勝利に興奮するOKの面々は、大会を勝ち進んだクラブによるパーティーに招待されるが、そこで優勝候補RORのリーダージョニーの罠にはまり学校中の笑いものにされてしまう。「お前たちは本物の怖がらせ屋にはなれない、郵便係がお似合いだ」と告げられ、彼らを見返そうとするマイクだが、サリーはメンバーの素質のなさに絶望し、カールトンたちは意気消沈してしまう。そこで、マイクは彼らを連れて「本物の怖がらせ屋」が集うモンスターズインクへ侵入する。怖がらせ屋として働くモンスターたちを眺め、その姿には共通点がなく、それぞれが自分だけの個性を活かしているのを目の当たりにしたメンバーは息を吹き返す。共通の趣味があったことでマイクとサリーは自分達の考えが間違っていたと反省し、大会へ向けて協力し合いながら努力しようと決意する。
OKは大会への準備を着々と進める。全員が基礎的な努力を共に積みチームワークを強めていった。さらにそれぞれの個性を競技に活かすことにも注力した。マイクによる指導の末、サリーはこれまで怠けていた技術を洗練し、カールトンは吸盤を活かした壁や天井の移動、スクイシーは気配を消すこと、アートは意表を突く力、ペリー兄弟はミスディレクションに目覚めた。その結果、準々決勝の迷路、準決勝の屋敷でのかくれんぼはRORに次ぐ2位でそれぞれ勝ち抜けた。次第にOKを支持する学生たちも増え、いよいよRORとOKの一騎打ちとなった。最高難易度に設定された怖がらせシミュレーターを使用した団体戦。OKの1番手カールトンは洗練された天井の移動を活かしてリードを勝ち取る。2番手のペリー兄弟は真正面から2つの頭で驚かせる手法で、高得点を出したRORに食らいつく。3番手のスクイシーは姿を見せても察知されないほど押し殺した気配を用いて見事な怖がらせを披露するが、RORに若干のリードを許す。アートは柔軟な体で障害物を避け思わぬところから驚かせるが、RORとの差を若干広めてしまう。5番手はサリー、その相手はランドールであった。サリーはマイクとの鍛錬ですっかり磨かれた恐ろしい唸り声を上げ、戦中最大のスコアを叩き出す。サリーの唸り声に圧されたランドールはシミュレーション中にミスを犯しスコアは振るわなかった。これでスコアは同点になった。ランドールは失態に憤慨しサリーに対して強烈な敵意を燃やすのだった。大将戦はマイクとジョニー。ジョニーがサリーを上回るスコアを叩き出す。勝利はマイクの結果次第。マイクが繰り出した唸り声は、シミュレーターのスコアの最大値に及ぶものだった。これによってOKの優勝が決まった。
勝利の余韻に浸るマイクは、冗談で競技に使用した怖がらせシミュレーターに軽く吠える。するとそのスコアが先程同様最高スコアに達した。不審に思ったマイクが調べると、シミュレーターの難易度が最低難易度に設定されていた。実はサリーがマイクに恥をかかせないため、競技中に細工したのだった。自分には怖がらせ屋の実力がないと認められないマイクは、人間の世界へ通じるドアの研究室へ立てこもり、未完成のドアを用いて子供が眠る部屋へ侵入する。自分は怖がらせ屋になれると、実践を以て証明するためだった。ところが、マイクがいくら吠えても子供は怖がらなかった。しかも、その部屋はひとり部屋ではなく、キャンプへ訪れた十数人の子供たちが眠る部屋へ通じていた。マイクが問題を起こしたために研究室は学長によって閉鎖される。マイクを救うべく、サリーは包囲網をかいくぐって人間の世界へ押し入る。人の手から逃げ延びるうちに消沈したマイクを見つけたサリーは、自分の非を侘びる。怖がらせる才能がないと嘆くマイクに対して、自分が人の評価を気にして、失敗に怯える怖がりであると明かす。これまで口に出さなかった秘密を共有したふたりだったが、再び警官に追われる。ドアからモンスターワールドへ戻ろうとするものの、子供がモンスターワールドへ入るのを恐れた学長によってドアの電源が切られ、出入りは不能となっていた。そこでマイクは、ふたりを追う警官たちを驚かし、悲鳴をあげさせてドアを開こうと提案する。悲鳴がエネルギーとなってこちらがわからドアを開けると確信していたマイクは、簡単には怖がらない大人を相手取るために、部屋へ多数のドアを張る。ポルターガイストに近いその罠によって警官たちは動揺する。最後はマイクが彼らを転ばせ、サリーが腹の底から出した大声で吠えた。警官たちが上げた悲鳴の量たるや、実験室に保管されていた多数のエネルギーボンベを埋め、さらに漏れ出すほど莫大な量であった。尋常でない状況は人間だけでなく、モンスターワールドでドアを監視していた学長すら恐怖に陥らせるほどだった。マイクとサリーはドアへ飛び込み、直後、エネルギー量に耐えきれずにドアは大爆発した。その直後、研究室に子供検疫局(CDA)の局員が押入り、ふたりを連れて行った。
事件からしばらく経ち、サリーは大会でのイカサマ、マイクはドアの一件によってMUを退学させられることとなった。学長に実力を認められたOKの4人は怖がらせ学部への復帰を許されていた。彼らとの別れ際、マイクは「皆みたいな怖いやつは見たことない」と仲間たちの健闘を祈った。サリーとの別れ際、マイクは彼から「お前はちっとも怖くないが、怖いもの知らずだ」と賞賛される。さらに後を追ってきた学長からも「怖がらせ学部にはあなたたちのような個性的な人物が必要だ。これからも皆を驚かせてくれ」と激励を受ける。学長が去った後、マイクは彼女から渡された新聞に載せられてあったモンスターズ・インクの郵便係募集要項に目をつける。大いなる野望を抱き、マイクとサリーはそこへアルバイトとして入り、成果を見せてのし上がってやろうと企む。ふたりは郵便係、清掃係、社員食堂係、ボンベ倉庫係を転々とし、その度に仕事場の記録を打ち立てた。そんな下積みの末、サリーは怖がらせ屋の有望新人として雇われ、マイクはそのアシスタントに昇進した。怖がらせ屋の仕事初日、マイクは子供の時以来、再び絶叫フロアへ足を踏み入れた。
MUには個性的なサークルが数多く存在し、物語の重要な部分を担っている。アメリカの大学の伝統的なサークル文化フラタニティとソロリティがモチーフになっており、ギリシャ文字をベースにしたサークル名もそこに由来する(実在のものとは違い、アルファベットも含む他、読み方もモンスター風にアレンジされている)。サークル独自の儀式やしきたりなど、フラタニティ文化を象徴するシーンも物語の随所に登場する。
役名 | 原語版 | 日本語吹替版 | |
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マイク・ワゾウスキ | 青年期・成人期 | ビリー・クリスタル | 田中裕二 (爆笑問題)[10][11] |
少年期 | ノア・ジョンストン | 佐藤和太 | |
ジェームズ・P・サリバン(サリー) | ジョン・グッドマン | 石塚英彦 (ホンジャマカ)[12] | |
ランドール・ボッグス(ランディ) | スティーブ・ブシェミ | 青山穣 | |
ディーン・ハードスクラブル学長 | ヘレン・ミレン | 一柳みる | |
スコット・スクイブルス(スクイシー) | ピーター・ソーン | 嶋田翔平 | |
ドン・カールトン | ジョエル・マーレイ | 宝亀克寿 | |
テリ・ペリー | ショーン・ヘイズ | 佐藤せつじ | |
テリー・ペリー | デイヴ・フォーリー | 花輪英司 | |
アート | チャーリー・デイ | 姫野惠二 | |
デレク・ナイト教授 | アルフレッド・モリーナ | 石住昭彦 | |
ジョニー・ワーシントン | ネイサン・フィリオン | 東地宏樹 | |
クレア・ウィーラー | オーブリー・プラザ | 東條加那子 | |
ブロック・ピアソン | タイラー・ラビーン | 三宅健太 | |
チェット・アレキサンダー | ボビー・モイニハン | 田中英樹 | |
シェリー・スクイブルス | ジュリア・スウィーニー | 堀越真己 | |
カレン・グレーブズ先生 | ボニー・ハント | 柳原可奈子 | |
フランク・マッケイ | ジョン・クラシンスキー | 小松史法 | |
スラッグ | ビル・ヘイダー | 玉木雅士 | |
レフェリー | 多田野曜平 | ||
会社のツアー・ガイド | |||
エメット | モナ・マーシャル | ||
キャリー・ウィリアムス | ベス・ベアーズ | 大津愛理 | |
ロズ | ボブ・ピーターソン | 磯辺万沙子 | |
イエティ | ジョン・ラッツェンバーガー | 立木文彦 | |
ロイ・“ビッグレッド”・オグロウラハン | ジョン・サイガン | 関貴昭 | |
バスの運転手 | ロリ・アラン | 杉浦慶子 | |
オメガ・ホウルの部長 | ジェス・ハーネル | 朝倉栄介 | |
パーシー・ボレスワフ | |||
ウィリアム・ブランディワイン教授 | 星野充昭 | ||
ジェイ | 星野健一 | ||
ケイ | 川島悠美 | ||
トレイ | 綿貫竜之介 | ||
フェイ | 愛河里花子 | ||
怖がらせ屋 | 西村太佑 | ||
スーパーバイザー | 北村謙次 | ||
男性 | 山本格 | ||
弁論部 | 角田紗里 野一祐子 | ||
天文部 | 石狩勇気 | ||
女子大生 | 八百屋杏 | ||
男子大生 | 遠藤純平 宮本崇弘 | ||
マルチアイモンスター | 後藤ヒロキ | ||
出場選手 | 志田有彩 宗川めぐみ まつだ志緒理 | ||
ティーン | 畠中祐 | ||
会社職員 | 佐々木優子 | ||
司書 | |||
子供 | モンセ・ヘルナンデス タイリー・ブラウン | ||
「誰だって、子供の頃の夢がある。難しいのは、その夢を持ち続けること…。」
「モンスターよ、大志を抱け。」
2013年11月20日にMovieNEXの第1弾として発売。 今までに発売されたソフトと違い、Blu-ray Disc、DVDは勿論、クラウドに対応したデジタルコピーや購入者限定の特典を収録。
2013年9月20日時点でRotten Tomatoesでは175件のレビューで支持率は78%、平均点は10点中6.8点となっている[13]。またMetacriticでは41件のレビューで加重平均値は65/100となっている[14]。
また、2013年に開催されたハリウッド映画祭において、アニメーション映画賞を受賞し[15]、作品賞にもノミネートされた[16]。
ディズニー・チャンネルでは、2016年6月17日にチャンネル初登場として放映された。
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