Loading AI tools
ウィキペディアから
巻上 公一(まきがみ こういち、1956年1月25日 - )は日本の音楽家、詩人、音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、シンガーソングライター、ヴォイスパフォーマー[1]。「ヒカシュー」リーダー[2]。第一回大岡信賞受賞者[3]。口琴、テルミンなどの特殊なものから、コルネット、ベース、電子楽器など複数の楽器演奏を行う[2]。静岡県熱海市出身[4]。
巻上自身が、ヒカシューの名前は武満徹の「悲歌」にちなんでつけたと証言している。デビュー当時はP-MODEL、プラスチックスと並び「テクノ御三家」の一つにも数えられたが、前衛音楽(前衛ロック)、フリー・ジャズまで含めて、例外を作り出す音楽を真骨頂としているバンドとして、長期間活動している。自らをパタフィジック(形而上学をこえたものを研究する哲学)の曲と、インプロビゼーション(即興演奏)のグループと定義している。
ロシア・トゥヴァ共和国の喉歌ホーメイの日本の第一人者[5]。1994年に、白州フェスティバルに来日中のトゥヴァ共和国のホーメイ歌手の歌を聴いて魅了され、その場で頼んで習い始めた。翌年にはトゥヴァ共和国を訪問。以来毎年訪問しては現地の演奏家と交流を続けている。トゥヴァ共和国で開催される国際ホーメイフェスティバルではコンクールの審査員を務める。またトゥヴァ共和国から歌手や研究者を招聘し、日本国内で数々の公演やホーメイフェスティバルなどを開催する他、喉歌専門のレーベルEKI ATTALを立ち上げ数々のアルバムを制作したり、ホーメイを教える催しを続けている[6]。
2017年には、国際コンテスト現代部門で優勝。2020年には、詩集『至高の妄想』で第一回大岡信賞を受賞。
中学校時代(湯河原町立湯河原中学校)、美術部で井上誠と知り合う。当時は8ミリフィルムのスクラッチング作品を作っていた。
高校時代(神奈川県立小田原高等学校)、戸辺淳(哲の兄)と劇団ユリシーズを結成。海琳正道(現・三田超人)を劇団の活動に引き抜く。その他、3年間新聞部の部長も務め、新聞部全国大会2位、首都圏最優秀などを受賞。その後輩に、後に「フールズメイト」を創刊する北村昌士がいた[7]。
高校在学中に、劇団「東京キッドブラザーズ」のオーディションを受け、ロックミュージカル「ザ・シティ」海外公演に出演する。ニューヨークではラママ劇場、ロンドンではロイヤル・コート・シアターでの長期公演を経験する。ロンドンで「東京キッドブラザーズ」を退団。楠原映二とヒラリー・ウェストレイクに誘われ、ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズがパトロンをしていたフリンジ劇団「ルミエール&サン」に参加。ヘンリー・カウ[8]が音楽を担当する劇団でもあり、ここで即興の多くを学ぶ。
帰国後、原宿学校(現在の東京映像学院)で映画を学びながら、キッドを一緒に退団した深水三章、堀勉とともにミスタースリムカンパニーの旗揚げに参加。プロデューサーを務める。
また同時に自身の劇団「ユリシーズ」を1976年に再結成。1977年に虫の一生を描く前衛パフォーマンス「コレクティングネット」の音楽を山下康・井上誠に依頼した。1978年に第2弾「幼虫の危機」を上演。この時「プヨプヨ」「幼虫の危機」などの作品が生まれた。これらの歌をもとにその年の夏、「ヒカシュー」を結成。吉祥寺の羅宇屋でデビュー。当時はニュー・ウェイヴ全盛期だったが、当初はプラスティックスなどとともにテクノポップのバンドとみられていた。当時はアミューズに所属していた[9]。
1981年に、かつて通っていた原宿学校シナリオ科の講師であった佐藤重臣に依頼し、トッド・ブラウニングの映画『フリークス』の上映イベントを行う。村上春樹原作、大森一樹監督作品『風の歌を聴け』に鼠役で出演。映画では劇中劇の挿入歌もヒカシューとして提供。スペクトラム、EPO、FAIRCHILD、佐藤隆などに作詞提供する。
他にこの頃、南伸坊提唱・糸井重里命名のパフォーマンス集団「HAND-JOE」に末井昭、上杉清文、鈴木祐弘、山崎邦彦らと参加。滝本淳助も加え「ハンジョウ・オール・スターズ(H.A.S.)」として音楽活動も行った。
ヒカシューは前衛音楽のバンドとして継続して40年以上活動を続けており、現在もマンスリーで吉祥寺Star Pine's Cafeでライブを行う他、海外や地方でのツアーも行っている。
1995年にニューヨーク・John ZornのTZADIKレーベルから出したソロ・ヴォイス・アルバム『KUCHINOHA』をきっかけに、ヨーロッパや北米のコンテンポラリーミュージックのフェスティバルにヴォイス・パフォーマーとして招聘されるようになる。
1998年に、作・演出・音楽を担当した世界初の口琴室内オペラ「ホムス〜ぼくは頭をびょんびょんした」で、スイスの超絶口琴演奏家アントン・ブリューヒンを招聘。口琴ブームの火付け役となった(知久寿焼や時々自動の朝比奈尚行はこれをきっかけに口琴を知る)。
2005年の愛・地球博・ノルウェーの日の司会をきっかけにノルウェーのドラマー、Thomas Strønenとのコラボレーションを開始。彼のプロジェクト・Food/Humcrush/Meadow/Time is a Blind Guideと と相次ぎ共演する。
国内ではカルメン・マキやチャラン・ポ・ランタンと共演、海外ではロシアやヨーロッパで公演と、活発な音楽活動を展開している。近年は、JAZZ ART せんがわや湯河原現代音楽フェスティバル、熱海未来音楽祭など、即興音楽、ダンス、美術、詩の朗読などとコラボする様々なジャンルを横断するフェスをプロデュースしている。
自著『声帯から極楽』で歌唱の可能性の拡張をめざすとした「超歌唱法」の実践普及活動として、多摩川のいずるばでヴォイス・パフォーマンスのワークショップを毎月開催している[10]。
巻上公一 名義
タイトル | 発売日 | 規格 | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1st | 民族の祭典 | 1982年 1992年6月17日 2009年11月22日 |
LPレコード CD CD |
WTP-90153 TOCT-6501 EGDS-44 |
Side A 1.森の小人 2.国境の町 3.桑港のチャイナ街 4.アルタネイティヴ・サン 5.私の青空 Side B 6.イヨマンテ(熊祭)の夜 7.おおブレネリ 8.マヴォの歌 9.赤い靴 10.不滅のスタイル |
「アルタネイティヴ・サン」は、ヒカシューの『夏』に収録されている楽曲のセルフカバー。 |
2nd | 殺しのブルース | 1992年6月17日 2009年11月22日 |
CD CD |
TOCT-6496 EGDS-45 |
1.さいざんすマンボ(トニー谷、宮城まり子) 2.女を忘れろ(小林旭) 3.待ちぼうけの喫茶店(小坂一也) 4.悪人志願(炎加世子) 5.すきやきエトフェー(坂本九「上を向いて歩こう」) 6.夜空の笛(守屋浩) 7.東京の屋根の下(灰田勝彦) 8.帰って来たヨッパライ(ザ・フォーク・クルセイダーズ) 9.うつろ 10.マリアンヌ(ジャックス) 11.殺しのブルース(大和屋竺) |
カバーソング集。カッコ内はオリジナルアーティスト。Tr.9はオリジナル曲。 |
3rd | Kuchinoha | 1995年 | CD | 不明 | 1.石榴 ざくろ 2.百日紅 さるすべり 3.檀 まゆみ 4.木槿 むくげ 5.土筆 つくづくし 6.鈴掛 すずかけ 7.青柳 あおやぎ 8.玉葛 たまかづら 9.花薄 はなすすき |
無加工の完全即興ソロボイスアルバム[11]。 |
4th | Elecric Eel | 1998年 | CD | 不明 | 1.Mojiri 2.Electric Eel 3.Kimosui 4.Sea To River 5.Jubako 6.Tokujo 7.Unagi No Mimi |
アントン・ブリューヒンとの共作。 |
5th | Koedarake | 2005年 | CD | 不明 | 1.Ogoe 2.Prrr 3.Ngoh 4.Haahick 5.A-U 6.Khoomeiteki 7.Chaka Chapa 8.Tak 9.Doipapa 10.Hamesa 11.Tameiki 12.Ngoh 2 13.Pak 14.Hamanime 15.Hettia 16.Uzhi 17.Rakinoma |
前作同様、収録されたボイスは無加工。 |
6th | 月下のエーテル | 2006年 | CD | 不明 | 1.黒い鶴(カラドゥルヤ) 2.月の海 3.ヤバラホエ 4.月下のエーテル 5.喉仏すぎて 6.指生える 7.カタツムリの特急 8.ざっくり 9.李白の月 10.朧々縷縷 11.黒い鶴(カラドゥルヤ) |
テルミンがフィーチャーされている。 |
メンバーは巻上、ヒカシューの三田超人と坂出雅海。
メンバーは巻上、ヒカシューの佐藤正治、アルタイ共和国の歌手ボロット・バイルシェフ。
メンバーは巻上と三田。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.