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割竹等の枠に紙を貼り底に蝋燭を立てて光源とするもの ウィキペディアから
提灯(ちょうちん)は、伸縮自在な構造で細い割竹等でできた枠に紙を貼り底に蝋燭を立てて光源とするもの[1]。現代では蝋燭ではなく電気による光源のものもある[1]。
内部に明かりを灯し、紙などの風防を通して周囲を照らす。
「提」は手にさげるという意味で、携行できる灯りを意味し、現代における懐中電灯の役割をするものを呼んだ。
提灯はその内部に蝋燭を灯して持ち歩いたが、現在では祭礼の際を除くと、日常の場でこのように使われることはほとんどない。
近年は、竹ひごや紙の代わりにプラスチックのシートを使い、蝋燭の代わりに電球を使って、主に祭りなどのイベントや看板として使用されることが多い。インテリアや土産物などとしても販売されている。
提灯は中国から日本へ伝来したが、中国から伝わった提灯には縦に竹ひごが入っており折りたたむことが出来なかった。提灯について書かれた最も古い文書は、1116年(永久4年)に書かれた『朝野群載』、絵画は1536年(天文5年)の『日蓮聖人註画讃(巻第五)』とされている[要出典]。室町時代の終わり頃に折りたたみ可能な構造が考案されたとされる。
江戸時代以前は、宗教的な祭礼や儀式に使われた。江戸時代以降は蝋燭が普及したため、照明器具として使うようになった。
明治時代から昭和戦前頃までの時代は、ガス灯や電灯などの街灯もあったが、それがあったのは大都市ぐらいのもので全国的にはそれほど普及しておらず、多くの地域では街灯がなかったので、懐中電灯も高価だったこともあり、提灯が現役で使われていた。
現在では街灯が普及したため、夜間の外出に日常的に提灯を持ち歩くことは廃れ、主に祭りなどで用いられるようになった。また光源についても、本来は内部の蝋燭に火を灯すところ、現在では火災防止の観点からも照明に電球を用いたものが多くなっている。
手に持つ弓張り提灯、吊り下げる吊提灯など様々な形がある。祭事に使われる物は神社仏閣の名称または家紋などを記し、涼風を楽しむ際に使われる岐阜提灯などは風景などが描かれている。
中国語では、日本でいう据え置き用の行灯(これも本来は、字の通り携行用)を含め「灯籠」(タンロン)と呼んでいる。中秋節などに用いる柄の付いた手持ちの提灯は「手提灯籠」と呼ぶが、折りたたみ式のものは少ない。紙製の折りたたみの提灯は「折疊紙灯籠」と呼ぶ。小田原提灯のような円柱形のものは「直筒灯籠」、動物や植物などの形にしたものは「造型灯籠」と呼ぶ。大型で軒などに下げるものは球形に近いものがよく用いられるが、竹ひご(現在は鉄線を用いることが多い)は縦に通すことが多く、このタイプでは上下を押し、ひごを撓ませて膨らませ、上下のフックつきの棒を真ん中で掛け合わせて固定し、火を灯すため、たたむ時は中間のフックを外し傘のように細長くする。現在は、照明用というよりも、慶事の際の飾りや、企業名や商品名を書いて、広告として使うことの方が多い。軒につるすための、枠を付けた四角い提灯は「宮灯」といい、中には走馬灯に加工しているものもある。
中国の無形文化遺産で、唐代から作られているという唐灯(神灯、花灯)[2]や、宝石や花を模した骨組みのない針刺無骨花燈[3]、魚を模した魚灯(魚灯籠)などがある[4][5]。
中国と日本の各地で作られており、日本での有名生産地域は福岡県の八女提灯、神奈川県の小田原提灯、岐阜県の岐阜提灯、京都府の京提灯が有名。生産量1位は、岐阜提灯である(2014年)
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