成城学園小学部から旧制の成城高等学校尋常科に進むが、成城事件で父の友人の小原國芳が排斥されたため、玉川学園中等部に転じる[2]。作曲を呉泰次郎[3][2]について約3年間学んだ。武蔵野音楽大学本科ピアノ科を卒業後、池内友次郎に師事[4]。太平洋戦争中は海軍予備学生として海軍入隊後、約2年間勤務。1947年(昭和22年)から尾高尚忠に指揮法を師事。1952年(昭和27年)、西ドイツに留学し、ミュンヘン国立音楽大学作曲科・指揮科を修了[4]。その際、カール・オルフに師事して強い影響を受ける[4]。
1954年(昭和29年)に帰国後、1955年(昭和29年0年)に創設されたばかりの桐朋学園大学で作曲科主任教授他を務め[4]、その後、愛知県立芸術大学音楽学部教授・学部長など各地の学校で要職を務め、指揮者としても活躍した。
合唱界にも長く関わり、全日本合唱連盟東京支部理事長、および同連盟理事長(第5代)を歴任。同連盟主催のおかあさんコーラスの産みの親でもある。
映画音楽はあまり多く手掛けていないが、主演6代目市川染五郎・監督稲垣浩の作品を4本担当した[5]。
1979年(昭和54年)ニムラ舞踊賞受賞。
1981年、中日文化賞受賞[6]。1984年、紫綬褒章受章。
1989年、秋田県県民栄誉章受章[7]。
2009年11月24日、肺炎のため死去。88歳没[8]。
()内の人物は特記がない限り、作詩者。
管弦楽曲
- 前奏曲(1949年)
- 第18回音楽コンクールの管弦楽部門において第1位受賞。
- 交響詩「山」(1954年)
- シンフォニア・アイヌ(1958年 - 1959年)
- 3楽章。3管編成のオーケストラにソプラノ独唱と合唱を伴う。
吹奏楽曲
- 曠野をゆく(1964年)
- 1964年度全日本吹奏楽コンクール課題曲中学校の部。
- 合唱とブラスのための楽曲「大いなる秋田」(1968年)
- 4楽章。第2楽章は本人により、ピアノと混声合唱に編曲されている。また、佐藤菊夫によるソプラノ、合唱、オルガン、管弦楽による版もある。2002年に秋田吹奏楽団により原曲版がCD化された。
- 組曲「まりも幻想」
- 5楽章。藤田玄播の編曲。
室内楽・器楽曲
- ヴィオラ・ソナタ(1962年)
- 八人の奏者による打楽器のための音楽(1970年)
- フルートのための音楽(1972年)
- こどものためのピアノ曲集「音のメルヘン」(1979年)
- こどものためのピアノ曲集「ピアノとおはなし」(1985年)
独唱曲
- 海四章(1953年/三好達治)
- 草に寝て(1959年/立原道造)
- ヴォーカリーズのための音楽
- 中原中也の詩による三題
- 日本の歌(一部、男声合唱を含む)
合唱曲
- 混声合唱組曲「白い季節の歌」(1950年/小柳透)
- 男声合唱組曲「枯木と太陽の歌」(1955年/中田浩一郎)
- 混声合唱組曲「三つの山の詩」(1957年/中田浩一郎)
- 青い葦とりんどうの話(1959年/中田浩一郎)
- 混声合唱組曲「たそがれ」(1964年/深尾須磨子)
- 男声合唱組曲「男の子が生まれて」(1964年/武川寛海)
- 男声合唱組曲「五つの学生の歌」(1965年/武川寛海)
- 女声のための三つの寓話(1967年/関根弘)
- 混声合唱「風紋」(1970年/岩谷時子)
- ソプラノと男声合唱のためのカンタータ「あすへの足音」(1972年/中村千栄子)
- 少年少女合唱曲集「春といっしょに」(1973年)
- 混声合唱のためのバラード「杉の木のうた」(1976年/中村千栄子)
- 混声合唱組曲「明日香の風」(1977年/中村千栄子)
- 独唱、合唱と管弦楽のためのカンタータ「良寛と貞心」(1980年/中村千栄子)
- 女声合唱組曲「少女のいる画集」(1981年/中村千栄子)
- オーケストラと合唱による「日向の讃歌」(1981年/中村千栄子)
- 混声(男声)合唱組曲「花之伝言」(混声版1981年、男声版1983年/中村千栄子)
- 日本民謡による三つの男声合唱曲
- 混声(男声)合唱組曲「石橋の町」(混声版1998年、男声版1999年/佐々木均太郎)
歌劇
- 役の行者(1964年/坪内逍遙原作)
- 袈裟と盛遠(1968年/山内康雄台本)
- 女はすてき(1978年/山内康雄台本)
- カントミ(1981年/中田浩一郎台本)
バレエ音楽
- 潮鳴り(1943年)- 文部大臣賞を受賞
- 神とバヤデーレ(1950年)
- 令嬢ジュリー(1954年) - 芸術祭奨励賞を受賞
- 人間誕生(1954年)
- バレエ組曲「まりも」(1962年)
- ビルマの竪琴(1963年)- 芸術祭奨励賞を受賞
- 破戒(1965年)- 芸術祭奨励賞を受賞
- 舞踊詩人石井漠(未來社)
- 教育出版発行の音楽教科書(小・中・高)の監修を担当していた。
小林淳 2022, p. 173, 「第五章 空想特撮映画の百花繚乱の姿を包む響動 [1962、1963] 一『妖星ゴラス』」
“石井歓”. www.chopin.co.jp. www.chopin.co.jp. 2023年2月8日閲覧。
小林淳 2022, p. 174, 「第五章 空想特撮映画の百花繚乱の姿を包む響動 [1962、1963] 一『妖星ゴラス』」
小林淳 2022, pp. 208–211, 「第六章 奇想天外映画に華美な光彩を加える音場 [1964、1965] 一『士魂魔道 大竜巻』」