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アリオラムス族
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アリオラムス族(アリオラムスぞく、学名:Alioramini)は、長い吻部を特徴とするティラノサウルス科の族[1]。後期白亜紀に生息しており、アリオラムスとキアンゾウサウルスが含まれる。ティラノサウルス科自体は世界中の様々な場所から知られているが、アリオラムス族は現在、主にマーストリヒチアンの地層でアジアに限定されている[2]。アリオラムス族とされる化石の多くは、完全に成体のものではない[3]。
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概要

アリオラムス族は中型のティラノサウルス科で、全長は約5から7mに達する。他のティラノサウルス亜科と比較して、よりしなやかな体つきをしていた[4][5]。アリオラムス族の長い吻部はティラノサウルス類ではかなり珍しい特徴であるが、初期のティラノサウルス科であるシオングアンロンにも見られた[6]。アリオラムス族は、タルボサウルスやティラノサウルスのような同時期に生息したティラノサウルス科と比較するとユニークである。シオングアンロンのような吻部の長いティラノサウルス科のほとんどは、白亜紀のより古い時代の堆積物から発見されたからである。また、アリオラムス族は上顎洞が細長かった。長い吻部の他に、アリオラムス族の大きな特徴として、頭部の突起がある。他のほとんどのティラノサウルス科にも稜があるが、アリオラムス族の突起は顕著で離散的なものであった。その突起は、鼻骨の表面に発達し、吻部を形成した[7][2]。
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分類
要約
視点
アリオラムス族は1995年に、ジョージ・オルシェフスキーによって、当時は不確かであったアリオラムスを分類するためだけに初めて設立された[8]。2014年この族は、Junchang Lüらによって、アルバートサウルス、プロケラトサウルス、ティラノサウルスよりもアリオラムスに近縁なすべてのティラノサウルス科を含むクレードとして正式に定義された。したがって、アリオラムス族の3種、アリオラムス・アルタイ Alioramus altai、アリオラムス・レモトゥス Alioramus remotus、およびキアンゾウサウルス・シネンシス Qianzhousaurus sinensis からなる[2]。
一部の研究者はキアンゾウサウルスをアリオラムスと同一属と主張しているが[9]、大多数の研究者は両者を別の属であると主張している。しかし、両者を別の属だと主張する者も依然として多い。アリアラムス族は、ティラノサウルス科のティラノサウルス亜科に属すると考えられているが、系統学的研究ではティラノサウルス科の外側に属するとするものもある。アリオラムス族は、いくつかの特徴からティラノサウルス亜科に属する。これらの特徴には、上方を向いている前上顎骨の上顎突起、上顎の深い関節面が歯根に関連する特定の特徴を有していること、ほとんどが視界から隠されている涙目の特殊な形状、特徴的な円形または三角形の形状の空洞を持つ外翼状骨が含まれる[10]。一般的に、真ティラノサウルス類の初期に位置づけられるドリプトサウルスは、2016年のCarr and Brusatteによる論文のベイズ推定でアリオラムス族の属であることが発見されたが、同年の論文でこのような分析結果が出たのはこの1回だけで、他の論文ではドリプトサウルスは今も真ティラノサウルス類の位置に分類されている[11]。
以下は、2016年Brusatte & Carrによるティラノサウルス亜科内におけるアリオラムス族の分類学的位置を示すクラドグラムである[11]。
ティラノサウルス科 |
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以下は、2013年Loewenらによるアリオラムス族の関係を示す別のクラドグラム、アリオラムス族をティラノサウルス科の上位分類であるティラノサウルス上科に分類している[12]。
ティラノサウルス上科 |
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古生物学

アリオラムス族は比較的しなやかな体格と長い吻部を持つことから、素早く方向転換しながら小型の獲物を狩ることに特化していたと思われる。このような摂食戦略は、他のティラノサウルス科との直接的な競争を避けるためであった可能性がある。一般的なティラノサウルス科は幼体時な頭蓋骨に劇的な変化が生じたが、アリオラムス族の特徴的な細長い吻部の形態は、個体発生(成長)を通じて維持された可能性が高い[13][14]。
2024年8月に発表されたティラノサウルス科の頭蓋骨の形態に関する研究では、アリオラムス族が咬んだり摂食等する際に頭蓋骨に受ける負担が少ないことを示唆している。また同研究では、これらの獣脚類は、ティラノサウルスやダスプレトサウルスのような大型のティラノサウルス科のように、穿刺と引き抜きによる摂食を利用していなかった可能性が高いことを示唆している[15]。
脚注
関連項目
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