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エンゲル係数
同一年度の同じ国の各世帯属性ごとに家計比較時に用いる、家計支出に占める食料費の比率 ウィキペディアから
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エンゲル係数(エンゲルけいすう、英語:Engel's coefficient、ドイツ語:Engelsches Gesetz)とは家計の総消費支出のうち食料費が占める割合[1][2]。

概要
エンゲル係数は「食料費÷消費支出×100」の式で算出される[3]。一般に、所得が低いほど、生活に必要な食料費に多くの割合を費やすためエンゲル係数は高くなり、反対に所得が上昇するほどエンゲル係数は低くなる。これをエンゲルの法則という。
エンゲルの法則は、生活水準や消費パターンの変化を示す指標としても広く使われ、経済発展の度合いや国ごとの貧困層の割合を測定するためにも利用される。収入が増えると、飲食費以外の支出(住居、娯楽、教育など)が増加し、より豊かな生活を送ることが可能になるため、エンゲル係数は収入の増加に伴い低下する[1][2]。
有用性の議論
エンゲル係数の高低は生活水準を表す指標となっているが、1世帯あたりの人数や人口に占める生産年齢の割合、価格体系、生活慣習の異なる社会集団の比較には不適当な場合もある[2]。
経済学者の飯田泰之は、日本では支出に占める食費の割合は最も貧しい20%で約25%、最も豊かな20%で22%ぐらいであるとして、中間層の方が食費にあてる割合が高いとしている[4]。
岐阜大学教授の大藪千穂は、高齢化や為替変動、食文化の変化など複雑な要因によってエンゲル係数が上昇しているので、上昇すなわち貧困ということにはならないとしつつも、低所得者層の生活の厳しさについての指標としては有用であるとしている[5]。
ニッセイ基礎研究所の櫨浩一は、共働き世帯の増加は世帯所得が増えるため、中食による食費増はエンゲル係数の増加には大して影響していないと述べている。また、食品に対する公租公課が一律で増額された場合でその他の生活必需とされる物品や役務への公租公課が増やされなかった場合、社会全体のエンゲル係数は上昇することが多いとして、日本では2014年4月に消費税が5%から8%に増税となったが、食料品が増税となった一方で、医療費、学費、地代といった非課税品目も消費支出に含まれるため、相対的にエンゲル係数が上昇したとしているほか、高齢化に伴う無職世帯の増加が長期的なエンゲル係数の上昇に大きな影響を与えていると述べている[6]。
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日本の統計
第二次世界大戦以前のエンゲル係数は、都市労働者の場合、3割台だったが、敗戦後には6割前後にまで上昇した[7]。総務省の家計調査によると、2024年には価格高騰による節約の影響が現れ、28.3%と1981年以来43年ぶりの高水準となった[8]。
2020年はバブル以降もっとも高い数字となった。[9]
世界の統計
日本 | 25.4% |
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アメリカ | 19.3% |
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カナダ | 23.5% |
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イギリス | 24.9% |
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イタリア | 24.4% |
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トルコ | 35.5% |
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韓国 | 32.9% |
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スペイン | 26.9% |
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- 総務省統計局 『世界の統計2008』 "13-補2 家計の収入"より
脚注
関連項目
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