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カルムスチン

抗悪性腫瘍剤 ウィキペディアから

カルムスチン
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カルムスチン (英語: Carmustine) は、別名BCNU (bis-chloroethylnitrosourea) とも呼ばれるβ-クロロ-ニトロソウレア化合物であり、アルキル化剤として癌化学療法に用いられる。日本では2012年9月に承認を取得した[2]

概要 カルムスチン, 識別情報 ...

BCNUはジアルキル化剤であるので、2本のDNAを架橋固定して、DNA複製および転写を阻害する。血液脳関門を通過する。原薬は黄橙色の固体である。

商品名はギリアデル。米国ではBiCNUという商品名で、インドではCarustineという商品名で販売されているほか、欧州およびアジア諸国など29カ国で承認されている。

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適応

日本では、脳内留置用製剤が悪性神経膠腫の腫瘍切除後に用いられる[3]

米国では、脳腫瘍神経膠腫、多形膠芽腫髄芽腫星状細胞腫英語版を含む)のほか、多発性骨髄腫悪性リンパ腫ホジキンおよび非ホジキンに用いられる。BCNUはO6-ベンジルグアニン(日本未承認)などのアルキルグアニントランスフェラーゼ(AGT)阻害薬と併用されることが多い。AGT阻害薬はグアニンのN1シトシンのN3の間で架橋されたDNAの修復を阻害する事でBCNUの有効性を高めることができる。

米国には静脈注射用製剤もあり、骨髄移植の一つ造血幹細胞移植で患者(被移植側)の白血球数を減らすためにも用いられる。この場合通常は、フルダラビンおよびメルファランが併用される。

副作用

治験での副作用発生率は54.2%であり、その主な内容は、脳浮腫(25.0%)、発熱(12.5%)、リンパ球数減少(12.5%)、片麻痺(不全片麻痺を含む)(12.5%)、悪心(8.3%)、嘔吐(8.3%)、食欲減退(8.3%)、頭痛(8.3%)、ALT (GPT) 増加(8.3%)であった[3]

重大な副作用として、日本の添付文書には、

  • 痙攣、大発作痙攣、脳浮腫、頭蓋内圧上昇、水頭症、脳ヘルニア、
  • 創傷治癒不良、感染症(創傷感染、膿瘍、髄膜炎など)、
  • 血栓塞栓症(脳梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症など)、出血(腫瘍出血、脳出血、頭蓋内出血など)

が挙げられている。

留置

日本では上記の様に、悪性神経膠腫の切除術後に生体内分解性ポリマー基材(ポリフェプロサン20)に含浸した製剤が用いられる。

米国においても、脳腫瘍の治療に用いるために生体分解性ウェハー含浸製剤が認可されており[4]開頭術中に用いられる[5]

関連項目

出典

外部リンク

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