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コガタスジシマドジョウ

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コガタスジシマドジョウ(小型筋縞泥鰌、Cobitis minamorii)は、ドジョウ科淡水魚である。日本固有種

概要 コガタスジシマドジョウ, 保全状況評価 ...
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分布

日本本州岡山県島根県鳥取県広島県兵庫県大阪府京都府滋賀県三重県岐阜県愛知県静岡県西部に分布する。河川中流ワンド下流や、平野部小川用水路などに生息し、流れがある砂底や礫底を好む[4]

形態

全長4-10cm。他のドジョウ科に似るが、体高は体後半に向かって低くなり、尾柄でもっとも低くなっている。口ひげは3対で、体側には暗褐色の縦筋が見られる。骨質盤円形[4]

生態

からの中にあるデトリタスや底生小動物を砂ごと吸い込んで、砂だけを鰓から出して食べるほか、ユスリカ幼虫藻類なども食べる。繁殖期は5-6月で、水田ワンドなどの一時水域に移動し産卵する。は一日でふ化する。雌雄ともに1年で成熟する。繁殖期は5-6月または5-7月で、田んぼなどの一時的な水域に侵入し、卵を泥底にばらまく[4][5]

分類

以前はスジシマドジョウ(Cobitis striata、現在のナミスジシマドジョウ)と同種と考えられていたが、分子系統学および分類学的研究によってスジシマドジョウ類が複数種に分けられることが明らかになり、そのうち小型種とされた個体群が2012年に新種・新亜種として記載された[2][3]。種小名minamoriiは、日本のドジョウ類の種文化研究の先駆者であった皆森寿美夫への献名[2]

亜種

Nakajima (2012) によって、以下の5亜種分類されている[2][3]

サンヨウコガタスジシマドジョウ(山陽小型筋縞泥鰌 Cobitis minamorii minamorii
日本本州兵庫県西部・岡山県広島県西部の瀬戸内海側の水系分布する。以前は、スジシマドジョウ小型種山陽型と呼ばれていた。タイプ産地は岡山県瀬戸内市吉井川水系。この縦筋は不規則に途切れたりくびれたりする。尾びれにも2-3筋の斑が見られ、この斑の後縁は尾鰭後端の輪郭を縁取るように広がることが多い。尾鰭基底には2個の黒い紋がある。背鰭には薄い黒色の斑が反秩序的に散らばる。全長4-7cm[5]。絶滅危惧IA類[6]
トウカイコガタスジシマドジョウ(東海小型筋縞泥鰌 Cobitis minamorii tokaiensis
日本本州三重県宮川以北、岐阜県伊勢湾流入河川愛知県静岡県太田川以東に生息する。以前は、スジシマドジョウ小型種東海型と呼ばれていた。尾鰭には3-4列の弧状横帯がある。全長4-9cm。絶滅危惧IB類[7]
ビワコガタスジシマドジョウ(琵琶小型筋縞泥鰌 Cobitis minamorii oumiensis
日本滋賀県琵琶湖沿岸部および周囲の内湖農業用水、細流の砂泥底に分布する。以前は、スジシマドジョウ小型種琵琶湖型。タイプ産地は滋賀県高島市新旭琵琶湖に近い水田地帯。体側は雌雄ともにきれいな縦帯がある。全長5-9cm。絶滅危惧IB類[8][9]
ヨドコガタスジシマドジョウ(淀小型筋縞泥鰌 Cobitis minamorii yodoensis
日本本州京都府大阪府桂川木津川淀川生息する。タイプ産地は大阪市旭区淀川。体側の縦帯は細く途切れることもある。尾鰭基底の黒色斑の発達が悪い。そのうち腹側の黒色斑はとくに不明瞭。ワンドの消失や、水田河川の分断、都市化によって個体数は激減し、1996年以降の採集例はなく、生存は絶望的である。京都府RDBでは絶滅種としている。一方大阪府RDBはⅠ類に指定している。は1年は2年で成熟する。全長4-7cm。絶滅危惧IA類[10]
サンインコガタスジシマドジョウ(山陰小型筋縞泥鰌 Cobitis minamorii saninensis
日本本州島根県鳥取県兵庫県分布する。この亜種は比較的短い川にも生息する。タイプ産地は斐伊川下流の農業用水路。体側の縦帯は通常点列である。全長6-10cm[4]。絶滅危惧IB類[11]
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保全状況

保全状況は極めて悪いとされている。河川改修圃場整備などで川本流の周辺にあった広大な氾濫原などの一時的水域の喪失が大きく影響している。また、水田河川との接続を担っている細流が改修されてコンクリート化したことなども影響している[4]

脚注

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