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ザンギエフ

ストリートファイターシリーズの登場キャラクター ウィキペディアから

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ザンギエフZangief: Зангиев)は、カプコン対戦型格闘ゲームストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。

概要 ザンギエフ, ゲームでの初登場 ...

キャラクター設定

要約
視点

ストリートファイターII』(以下『II』と表記)で初登場した、ソビエト連邦(現ロシア)出身のプロレスラー赤きサイクロンの二つ名で呼ばれる鍛え上げられた筋肉をもつ巨漢で、全身についた傷跡、剛毛、モヒカン頭が特徴。一人称は「俺」や「私」。雪山の中に小屋をかまえ、を相手に修練を積んでいる。

闇プロレス界で無敗を誇っていたが、あまりの強さのために対戦試合を組まれなくなり、追放同然の憂き目にあう。その力を振るう相手もいないまま山籠もりをしていたが、ある日、ソビエト連邦の「偉大な指導者」からレスリングによる国際交流に努めて欲しいとの依頼を受ける。指導者直々の依頼にザンギエフは感動し、その技と鋼の肉体を祖国のために振るうことを決心。『ストリートファイターZERO3』(以下『ZERO3』と表記)以降ではロシアの英雄的存在となっている。

ロシアレスリングアメリカンプロレスを融合したスタイルで戦う。他にも中国気功を取り入れて飛び道具への対策にしたり、コサックダンスの動きを蹴り技に取り入れたりと様々なものを組み入れている。

『II』シリーズおよび『ストリートファイターZERO2』での使命は上記の通りだが、『ZERO3』では祖国の脅威となる闇の組織シャドルーの兵器「サイコドライブ」の破壊を使命としており、同じく麻薬や兵器を売り捌く悪人の噂を聞きつけてシャドルー基地に忍び込んでいたエドモンド本田と協力してサイコドライブを破壊している。

現実のソビエト連邦の崩壊後もザンギエフの出身地が「ソ連」と設定され続けているのは、『II』『ZERO』の時代設定が1991年12月のソ連崩壊以前であるため。のちに、時代設定がソ連崩壊後である『CAPCOM VS. SNK』(以下『CvS』と表記)シリーズでは、台詞の中で「ロシアが祖国」としている[注 1]

ストリートファイターIV』(以下『IV』と表記)での参戦理由は、自分を慕う子供との約束を守り、最強を証明するためである。プレイヤーセレクト画面では現在のロシアの国旗が表示される。

ストリートファイターV』(以下『V』と表記)ではマイク・バイソンのパンチを真正面から受け止めたり、サツキの日本刀を弾き返すなど、従来の作品よりも筋肉のパワーアップが強調されている。

ウルトラストリートファイターII』(以下『ウルII』と表記)では大会優勝後、世界最大のレスリング連盟を運営する人間に契約を持ちかけられ、プロレス界に復帰することとなった[注 2]

「ザンギエフ」という名前は実在するソ連のプロレスラーから付けられた[1]

ザンギエフはゲーム中トップクラスの体力と攻撃力を持っている一方で移動速度はシリーズを通して全キャラクター中最低クラスでジャンプ力も低め。さらにその巨体が仇となり、敵の攻撃を受けやすく、また通常技も大振りなものが多い故に隙が大きい。岡本吉起は『II』シリーズで一貫しているザンギエフの特徴的な性能について、当時カプコンがロケテストを実施していたゲームセンターの常連だった「ザンギエフ使い」と呼ばれる人物の存在を理由のひとつに挙げている。岡本によるとその人物の腕前はずば抜けており、ロケテストを視察した社員から「ザンギエフで何十連勝もしているプレイヤーがいて他のプレイヤーが対戦をためらっている」と報告を受けていた。それを受けてある時、カプコン社内から対戦がとびきり上手い者を3名派遣したが惨敗。岡本に電話で連絡があり「歯が立ちません」と言われたという。その繰り返しで下方修正が続き、出荷する頃にはザンギエフの性能は他キャラクターに比べ抑えられることになった。岡本は「結果としてマニアックなキャラクターとして固定されたので今では良かったと思っている」と前置いたうえで「調整をミスしているのではないかと感じてしまい、当時は調整の邪魔だった」と苦笑交じりに述懐している[2]

人物

筋肉こそ美学という考えを持っており、自らを鋼の肉体と称して壮大な自信を持っている。「掴んで投げることこそが最善かつ最良の戦法」と豪語している[注 3]。相手に背を向けるのを良しとせず、正面には無数に傷があるが、背中には大統領を庇ったときにできたものが1箇所あるのみ。

愛国心が強く、国家のために闘う意識を持っている。ロシアの国民を「同志」と呼び、ファンをとても大切にする。製鉄所に設けられた特設リングを本拠地にしている。

痩躯の格闘家には、体を鍛えることやもっと食事を多く取るよう勧めるのが恒例となっている。愛国心を他人に押し付けることもしばしばある。

嫌いなものに「妙齢の美しい女性」を挙げているが、女性嫌いや同性愛者というわけでもなく、対戦相手にも男女公平に接している。

『CvS』ではキム・カッファンチャン・コーハンと間違われたことがある。のちにキムが謝罪したが、実際に会ってみたチャンが筋肉質の自分とは違い肥満体だったため、不快感を露わにした。

『II』の登場人物の勝利時メッセージは、ザンギエフに限らず攻撃的なものが多いが、それ以降の作品では敗者にアドバイスをしたりやや天然な発言をするなど『II』に比べて温和になっている。

興奮して頭の血管が浮き出ている描写がよく描かれ、『ZERO3』や『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』(以下『MSH VS. SF』と表記)では血管が切れて血が吹き出ている。

力頼みの頭の悪い人物と受け取られることもしばしばあるが、対戦相手に読書を薦める台詞もある[注 4]。ただし、ロシア文学を引用する際に「トルストイいわく『筋肉に勝るものなし』」と、内容を間違えて覚えている[注 4]。メガネを着用し、読書や勉学に勤しむイラストも存在する。

ザンギエフを取り巻く人々

『II』をはじめとしたザンギエフのエンディングに登場し、彼を「同志ザンギエフ君」と呼ぶ人物はレスリング部に所属した先輩後輩の関係にあたり[3]ペレストロイカを推進する要人である。ザンギエフに国際交流を依頼したのもペレストロイカへの理解を得るためである。ザンギエフのエンディングにて、ヘリコプターから姿を現してザンギエフにレスリングによる国際交流に努めたことに対する礼を述べたあとに、ザンギエフおよびKGBの護衛3人とともにコサックダンスを踊る。ただし、その本名はゲームには登場せず、劇中では「大統領」[注 5]と呼ばれるのみ。『ストリートファイターZERO2』(以下『ZERO2』と表記)以降は、呼び名が「偉い人」「偉大な指導者」となっている。『ZERO2』のザンギエフのエンディングで姿を現した際にはトレーニングルーム(実際には吹雪の中で熊と戦う)をザンギエフに与え、最高級のウォッカの支給を約束したり、その他の作品にも名前のみ登場してザンギエフに激励のメッセージを送るなど、ザンギエフの活躍に深く関わっている。ザンギエフと同じく祖国ロシアを愛しており、彼が活躍し「ロシアの強さが世界に示される」ことを望んでいる。この人物の名前は『II』の企画段階で「ゴロバチョフ」と名付けられており[4]、『1993年AUTUMN創刊号クラブ☆カプコン』および『カプコンファイティングジャム オフィシャルコンプリートガイド』でもこの名前が使用されている。その後『ストV』の公式サイト「シャドルー格闘家研究所」にて個別プロフィール[5]も設定された。

ストリートファイターEX』(以下『EX』と表記)のダラン・マイスター、『餓狼伝説』のライデンなど、同業者とはウマが合うらしくエンディングでタッグを組むなどの描写が見られる。とくにライデンとは『CvS』のCPU戦で同じチームとして登場することもある。『X-MEN VS. STREET FIGHTER』のエンディングでは、同じくロシア出身で筋骨隆々の鉄人コロッサスとコンビを組み(その際、名前の頭に「同志」を付ける)、シベリアで暴れるオメガレッドを止めるために出動する。

『ZERO3』に登場する女子プロレスラーのレインボー・ミカはザンギエフに憧れており、彼女のストーリーでは彼女と一勝負したザンギエフがミカを気に入ってその才能を認め、共に侵入したシャドルー基地が崩壊した際には崩落した天井のがれきから身を挺して庇っている。

頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』では、『サムライスピリッツ』シリーズの覇王丸がライバル関係となっている。

ストリートファイター X 鉄拳』(以下『ストクロ』と表記)では、ルーファスと公式タッグを組んでいる。

『ストV』ではラシードの執事アザムと旧友の関係にある。また、設定のみの存在だがゼンとシン[6][注 6]というインド人兄弟とも旧友の関係にある。

クロスオーバー

カプコンのクロスオーバーの格闘ゲームにも数多く登場している。『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』(以下『MARVEL VS. CAPCOM』と表記)ではリュウ春麗と共に数少ない『ストリートファイター』シリーズ出身キャラクターとして登場。『ポケットファイター』ではリュウ、ケン豪鬼などの主役級キャラクターや人気の高い女性キャラクターたちに混じって登場し、『CAPCOM FIGHTING Jam』でも『II』代表に選ばれるなど、その地位を確固たるものにしている。

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メカザンギエフ

『MSH VS. SF』以降の『MARVEL VS.』シリーズには、シャドルーに改造されたザンギエフとして「メカザンギエフ」が登場する。

体が鋼鉄に覆われ[注 7]、火を吹いたり、投げ技以外の一切の攻撃を受けてものけぞらないようになる「ハイパーアーマー」という状態になる。弱点としては、通常のザンギエフよりもさらに動きが鈍重になることと、ガードが一切できないことである。性格も若干変わり、祖国ロシアの代わりにシャドルーを崇拝するようになっている。エンディングでザンギエフは「これは本当の『鋼の体』ではない」と体を改造したことと己の弱さを悔い、元の体に戻る方法を探す旅に出る。

続編の『MARVEL VS. CAPCOM』ではザンギエフと同じキャラクターとなり、ハイパーコンボ「アイアンボディ」で二つの体を切り替えて戦えるようになった。エンディングでも自らの強さを誇示したあとにメカザンギエフに変身し、ブロディアに挑んでいる。

『ストV』公式サイト「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」では「PメカザンギF」が紹介された。この「P」は「プロトタイプ」の略で、屈強な肉体と強烈な破壊力を誇るザンギエフに対して、モニターサイボーグを改造して作られた。鈍色に輝くボディはLセラミカルチタンで覆われており、どんな攻撃も弾き返す予定だった。情報が古かったため、バニッシングエネルギーを射出させるための噴出口が無い。

『スパIV』以降の『ストIV』シリーズでは追加コスチュームの1つに存在する。『ストV』ではエクストラバトルの報酬の追加コスチュームとして配信されていた。

『ストクロ』と『ウルIV』のステージ「COSMIC ELEVATOR」にも背景で登場するが、『ウルIV』で追加コスチュームのメカザンギエフを選ぶと背景にメカザンギエフが登場しなくなる。

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他のメディアでのザンギエフ

要約
視点

その分かりやすいキャラクター性からゲーム以外のメディアでも登場することが多く、巨漢のプロレスラーとして試合やショーに出場するシーンが目立つ。

テレビアニメストリートファイターII V』ではシャドルー所属のレスラーという立場の敵役として登場し、語尾に「だべ」をつける日本方言を使う。悪役ではあるが、手荒なことはしたくないという一面もある。

劇場版アニメ『ストリートファイターII MOVIE』では、ラスベガスの格闘ショー(シャドルー主催)でブランカと対決する。スクリューパイルドライバーを繰り出し、勝利を確信したところ逆にローリングアタック、ワイルドファング、エレクトリックサンダーの連続攻撃を受ける。

橋口隆志の漫画『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』では、全身を走る傷跡と胸毛がチャームポイントと自称しており、自分の肉体美に惚れ込んでいる(これに対しバルログは「美しくない…」と評した)。バイソンが入り浸っている酒屋のマスター、ダルシムの息子ダッタが呼び出したランプの精、ブランカに嘘を吹き込む警官など、様々な役でも登場する。自身を模した巨大ロボット「ザギンガーZ」も登場した。

中平正彦の漫画『さくらがんばる!』ではロシアの英雄として登場し、さくらキャミィ2人を相手に二対一で戦う。さくらとの友情に戸惑うキャミィを諭し、リュウを探すさくらに助言をするなど人格者として描かれている。

OVA『ストリートファイターZERO - THE ANIMATION -』では格闘大会の試合中に、場外から乱入したリュウに試合の邪魔をされ、廃墟から地下へと転落する。

『ストリートファイターIV オリジナルアニメーション feat.さくら』では、さくらの対戦相手として登場しており、リングの上で激しい戦いを繰り広げる。

『ストリートファイター アート・コミックアンソロジー』の著・市川裕文の「アカイキズナ」ではメインキャラクターとして登場。突如格闘大会に乱入し、問答無用でケンに襲い掛かる。しかし、その真意はローズの依頼を受けて、シャドルーによってケンに仕込まれた悪意ある装置を解除するためのものだった。

ハリウッド映画版『ストリートファイター』ではバイソン将軍(日本国外でのベガ)の側近として登場。やや頭の弱い人物として描かれていて、ディージェイに言われるまで給料がもらえることを知らなかったり、テレビで生中継されていた爆薬を積んだ車が自分たちに突っ込んでくる様子を見てチャンネルを変えれば爆破が防げると考えたりしている。根っからの悪人ではなく最終的にガイルの味方になる。

2013年公開のディズニー映画『シュガー・ラッシュ』では、アーケードゲームの悪役キャラクターとしてベガとともに登場する。冒頭の悪役たちのグループセラピーで主人公に哲学的な語り口で「悪役は悪役にしかなれない」「今を生きるんだ」と語る。プロデューサーのクラーク・スペンサーはザンギエフを選んだ理由として、脚本家の1人が最初に登場した頃のザンギエフの悪役のイメージを主張したことと、ザンギエフもまた自分はいい奴か悪い奴かとアイデンティティに悩んでいるため、主人公に語りかけるのにうってつけの役であることを挙げている[7]。『II』のキャラクターデザインを担当したあきまんは、「ペレストロイカ時代で開放的なキャラクターなので日本やロシアでは英雄という扱いのつもりですが、アメリカでは悪で結構だと思います。『ストII』の世界はお客さんが物語を作る世界なので」と語っている[8]

その他

開発時の名前は「ウォッカ・ゴバルスキー」。ルールや手加減を知らず、対戦相手を全て再起不能にしたためレスリング界から追放、地下プロレスに身を落としたという設定であった。また共産主義を嫌っており、ストリートファイトを行う理由も金儲けのためである[9]

PCエンジン版『II'』では、2ボタンパッドでザンギエフを使用するプレイヤーが多かった[要出典]。RUNボタン・Iボタン・IIボタンを押しっぱなしの状態で、セレクトボタンを連打し「ダブルラリアット」を連続で出すという入力方法が可能だったからである。

アーケードゲーム誌『ゲーメスト』1993年1月号における誤植「ザンギュラはキックボタン3つ同時押しで足に判定のない、速めの回転のスーパーウリアッ上が出せる」[注 8]から、ザンギエフを指す隠語・通称として「ザンギュラ」が用いられることがある。また『CAPCOM FIGHTING Jam』でデミトリの「ミッドナイトブリス」を受けた際に変身するキャラクターの名前が「ザンギュラちゃん」となっている。

『MSH VS. SF』では彼の家族として両親、幼い弟2人と妹、2頭の熊が登場している。

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登場作品

背景出演
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担当声優・俳優

格闘ゲームでの担当声優
その他の関連作品での担当声優
俳優

脚注

関連項目

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