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シバの女王ベルキス

オットリーノ・レスピーギ作曲のバレエ音楽 ウィキペディアから

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シバの女王ベルキス』(シバのじょおうベルキス、: Belkis, Regina di Saba)は、オットリーノ・レスピーギが最後に手掛けたバレエ音楽で、1930年から1931年にかけて作曲された。

レスピーギの「ローマ三部作」と呼ばれる一連の作品群、交響詩『ローマの噴水』『ローマの松』『ローマの祭り』以上に大きな編成が要求される規模の大きな楽曲である。バレエの全曲は80分を要し、オフステージ、バンダなどの楽器群、合唱、独唱群をも必要とする大がかりな内容から、十数回の公演が初演時に行われて以降、現在に至るまでほとんどレパートリーとしては定着していない。アラビア風な旋律を用いて異国的な雰囲気を醸し出したり、多種多様な打楽器群を用いたりする手法により、レスピーギらしい色彩感豊かな世界を描き出している。

作曲者自身により、バレエ音楽の流れに沿った形で2つの組曲が編む構想があったが、結果的に1934年に4部から成る1つの組曲が編まれた。本項は主に組曲版について説明する。

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概略

楽器編成

以下の記述は組曲版に準ずる。

木管楽器
ピッコロ
2 フルート
2 オーボエ
コーラングレ
ピッコロ・クラリネット(D調およびE♭調)
2 クラリネット(B♭調)
バスクラリネット(A調およびB♭調)
2 ファゴット
コントラファゴット
金管楽器
4 ホルン(F調)
4 トランペット(B♭調)
4 トロンボーン
打楽器
ティンパニ
Tamburo Arabo(ダラブッカ
タンバリン
スネアドラム
トライアングル
シンバル
銅鑼
バスドラム
シロフォン
グロッケンシュピール
チェレスタ
そのほかバンダなど
2 ハープ
ピアノ
オフステージのテノール、またはトランペット
3 トランペット(B♭調)
2 Tamburi di guerra(戦太鼓、小型および大型)
弦楽器
第1ヴァイオリン
第2ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ
コントラバス

楽曲構成

要約
視点

組曲版

概要 音楽・音声外部リンク ...

組曲は、次の4曲から構成される。演奏上の効果を鑑み、第2曲と第3曲を入れ替えて演奏されることがある。

  1. ソロモンの夢(Il sogno di Salomone)
    弦楽器による弱奏から始まり、管楽器が呼応するように旋律を奏でる。それに続き、コーラングレが効果的に用いられた異国風の旋律を奏でる。始まりから3分前後付近で曲想が変わり、弦楽器による力強いきっかけに続いて、金管楽器群が咆哮する。一旦落ち着き、チェロソロハープが印象的な部分に続き、同様の旋律を弦楽器群が演奏する。オーボエの橋渡しにより、主題が再現される。次第に弱まり、ピッツィカートにより曲を閉じる。
  2. 夜明けのベルキスの踊り(La danza di Belkis all'aurora)
    短い前奏部分に続き、フルートによる長い叙情的なソロ。チェレスタやクラリネットによる繋ぎを挟み、コールラングレによりソロが演奏され、いくつかの楽器を経て、弦楽器が加わり若干盛り上がる。似たような形式を繰り返し、最後はハープの奏でる分散和音に乗り、やや不協和音気味に、静かに曲は終わる。
  3. 戦いの踊り(Danza guerresca)
    金管楽器群と打楽器群により力強くリズムが刻まれ始まる。徐々に厚みを増し一旦盛り上がった後、総休止をはさみ、戦太鼓の伴奏に乗ったピッコロ・クラリネットにより民族的な旋律が演奏され、様々な楽器群が加わる。金管楽器群が細かいリズムを刻みながら、2拍子と3拍子がめぐるましく入れ替わりながら旋律が乗り、最高潮に達したところで、ホルンの余韻を残しながら曲を閉じる。
  4. 狂宴の踊り(Danza orgiastica)
    木管と弦楽器群による劇的な導入部に続き、木管楽器群が踊りの主題を開始する。不協和音の伴奏や打楽器群も効果的に盛り上げ、狂喜乱舞を表現。曲はいったん静まり、オフステージよりテノールヴォカリーズ、またはトランペットによるソロが穏やかに奏でられる。続いて踊りの調子が戻り、木管楽器群にティンパニの強打が加わり、弦楽器群・金管楽器群も入って興奮は更に盛り上がっていく。その頂点でコーダに入り、1楽章の最後に出てきた旋律が輝かしい響きをもって再現され、激しく華々しく曲を閉じる。

その他

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脚注

関連項目

外部リンク

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