ジャムシード・ビン・アブドゥッラー

スルターン・サー・ジャムシード・ビン・アブドゥッラー・アル・サイード（GCMG, アラビア語: جمشيد بن عبد الله, 1929年9月16日 - 2024年12月30日）はザンジバルの王族。ザンジバル革命で廃位されるまで、ザンジバル王国におけるブーサイド家としての最後のスルターンであった^[1][2]。

ジャムシード・ビン・アブドゥッラー جمشيد بن عبد الله
ザンジバルのスルターン
1963年のスルターン・ジャムシード
在位	1963年7月1日 - 1964年1月12日
出生	(1929-09-16) 1929年9月16日 ザンジバル・スルターン国 ウングジャ島
死去	(2024-12-30) 2024年12月30日（95歳没） オマーン マスカット
埋葬	オマーン 王族墓地
子女	サイイド・アリー サイイダ・マトゥカ サイイド・ハリーファ サイイド・アブドゥッラー サイイド・ワスフィー サイイダ・アードラー サイイド・ガリーブ
家名	ブーサイード家
王朝	ブーサイード朝
父親	アブドゥッラー・ビン・ハリーファ（アラビア語版）
母親	サイイダ・トーファ・ビント・アリー・アル・サイード

経歴

ジャムシードはザンジバルを1963年7月1日から1964年1月12日まで支配した。1963年12月10日、イギリスは既に自治の確立していたザンジバルでの保護領（英語版）支配を終わらせ、ジャムシードの下、自立して防衛と外交を行うイギリス連邦内の立憲君主国とした。しかしながらイギリスの保護を失ったスルターンはその後間もなくザンジバル革命にてアフリカ人によって廃位され、この体制は短命に終わった。

彼は当初オマーンに亡命したものの、当地での永続的な居住を許可されなかった^[3]。後に彼は自らの妻子とともにイギリス・ポーツマスに移る^[4][5]。

彼の子や兄弟の居住は1980年代に許可されたものの、警備上の理由からジャムシード自身の居住申請は拒否され続けた^[6]。2020年9月に態度が変わり、50年以上のイギリス在住を経てようやくジャムシードの居住申請は、王位請求者としてではなくブーサイード家の王族としてという条件のもと新国王ハイサム・ビン・ターリク・アール＝サイードによって許可された^[7]。

2020年9月15日にまたオマーンに移住した。2024年12月30日にマスカットの病院で死去。95歳没。墓はマスカットの王族墓地にある^[8][9]。

栄典

国内

• ザンジバル景星勲章（アラビア語版）主権者（1963年7月1日-）、1等（1960年）
• ザンジバル独立最輝星勲章（5等、1963年11月9日）

他国

• 聖マイケル・聖ジョージ勲章ナイト・グランド・クロス（1963年12月29日）^[10]
• ロイヤル・オブ・ドラム勲章（ルワンダ）ナイト・グランド・カラー^[11]

家系図

アフマド1

カイス

サイード2

スルターン3

サイフ

アッザーン1世

ハマド

サイード5

バドル4

カイス

トゥルキー9

スワイニー6

マージド(1)

バルガッシュ(2)

ハリーファ1世(3)

アリー1世(4)

ムハンマド

アッザーン2世8

ファイサル10

サーリム7

ハマド(5)

ハルーフ

ハーリド(6)

ハムード(7)

タイムール11

大山清子

ハリーファ2世(9)

アリー2世(8)

サイード12

ターリク

ブサイナ （節子）

アブドゥッラー(10)

カーブース13

アスアド

ハイサム14

ジャムシード(11)

アリー

• 下津源太郎『世界帝王系図集』（増補版、近藤出版社、1987年）を基に作成。
• マスカットの支配者の名前と代数を太字とした。
• ザンジバルの支配者は名前を太字にし、代数に括弧を付した。

関連項目

• ブーサイド家
• ザンジバル革命
• ザンジバル王国
• ザンジバル革命政府
• ザンジバル