タイ・ヴィエト文字(タイ・ヴィエトもじ、Tai Viet)は、ベトナム北西部、ラオス北部、タイ中央部で使用されるいくつかのタイ諸語の表記に使われる文字を統合したUnicodeの142個目のブロック名である。
タイ文字と同様、ブラーフミー系文字の一種であり、左から右に書かれるアブギダに属する。
Unicodeのバージョン5.2において初めて追加された。
概要
タイ・ヴィエト文字は以下の文字を統合したものである。
- 黒タイ文字 - 黒タイ語(タイ・ダム語)を表記する。
- 白タイ文字 - 白タイ語(タイ・ドン語)を表記する。
- タイ・ソン文字 - タイ・ソン語を表記する。
これらの文字は基本的に手書きであり、親から子に伝えられるために標準化されていなかった。1980年代はじめに北イリノイ大学および国際SILでは別々に黒タイ文字のコンピューター用フォントを開発した。SILは2006年以降、統合タイ文字をUnicodeに加える提案を行ってきた[1]。
当初の提案では赤タイ語(タイ・デン語)の文字も含めることが予定されていたが、他の文字との共通性が少ないために除かれた[2]。
2009年のUnicodeバージョン5.2でタイ・ヴィエト文字のブロックが基本多言語面のU+AA80-AADFに追加された[3][4]。
収録文字
小分類
このブロックの小分類は「子音字」(Consonants)、「母音字及び末子音字」(Vowels and finals)、「声調」(Tones)、「単語の合字記号」(Word ligature symbols)、「繰り返し記号」(Repetition mark)、「約物」(Punctuation)の6つとなっている[5]。
子音字(Consonants)
この小分類にはタイ・ヴィエト文字のうち、基本的な子音字が収録されている。
母音字及び末子音字(Vowels and finals)
この小分類にはタイ・ヴィエト文字のうち、基本的な母音字が収録されている。
母音字は別の母音記号と組み合わせて別の母音や末子音を表すことがある。
声調(Tones)
単語の合字記号(Word ligature symbols)
この小分類にはタイ・ヴィエト文字のうち、1文字で単語を表す記号が収録されている。
繰り返し記号(Repetition mark)
この小分類にはタイ・ヴィエト文字のうち、直前の単語を2回繰り返して読むことを表す繰り返し記号が収録されている。
約物(Punctuation)
文字コード
Tai Viet[6] | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+AA8x | ꪀ | ꪁ | ꪂ | ꪃ | ꪄ | ꪅ | ꪆ | ꪇ | ꪈ | ꪉ | ꪊ | ꪋ | ꪌ | ꪍ | ꪎ | ꪏ |
U+AA9x | ꪐ | ꪑ | ꪒ | ꪓ | ꪔ | ꪕ | ꪖ | ꪗ | ꪘ | ꪙ | ꪚ | ꪛ | ꪜ | ꪝ | ꪞ | ꪟ |
U+AAAx | ꪠ | ꪡ | ꪢ | ꪣ | ꪤ | ꪥ | ꪦ | ꪧ | ꪨ | ꪩ | ꪪ | ꪫ | ꪬ | ꪭ | ꪮ | ꪯ |
U+AABx | ꪰ | ꪱ | ꪲ | ꪳ | ꪴ | ꪵ | ꪶ | ꪷ | ꪸ | ꪹ | ꪺ | ꪻ | ꪼ | ꪽ | ꪾ | ꪿ |
U+AACx | ꫀ | ꫁ | ꫂ | |||||||||||||
U+AADx | ꫛ | ꫜ | ꫝ | ꫞ | ꫟ |
![]() |
履歴
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
脚注
外部リンク
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