トップQs
タイムライン
チャット
視点

軟口蓋鼻音

ウィキペディアから

Remove ads

軟口蓋鼻音(なんこうがい びおん)とは、engengma、あるいはagma(ギリシア語 ἆγμα âgma「断片」から)とも呼ばれ、子音の類型の一つ。後舌と軟口蓋で閉鎖を作り、口蓋帆を下げて呼気を鼻へも通すことによって生じる音。国際音声字母[ŋ]と記述される。IPAの記号 ⟨ŋ⟩ は、右脚の下から右向きに鉤をもつそり舌鼻音の記号 ⟨ɳ⟩、および左脚の下から左向きに鉤をもつ硬口蓋鼻音の記号 ⟨ɲ⟩ と似ている。

概要 軟口蓋鼻音, IPA 番号 ...

ほとんどすべての言語が音素として /m/ および /n/ をもつのに対し、/ŋ/ をもつ言語は比較的稀である(Anderson 2008による469言語の調査のうち、半数が軟口蓋鼻音の音素をもっていた)。さらに興味深い点として、多くの言語ではその出現を音節末に限定している。軟口蓋鼻音は、アメリカ大陸、中東、コーカサス地方の多くの言語では現れないが、オーストラリア先住民諸語、サハラ以南アフリカ諸語、東アジアおよび東南アジア諸語、ポリネシア諸語ではきわめて一般的である。軟口蓋鼻音を音素としてもたない多くの言語(たとえばロマンス諸語)では、この音は /n/ が軟口蓋子音の前にくるときの異音として現れる。この種の同化は、有声軟口蓋鼻音を音素としてもつ言語(たとえば英語)においてさえ見られる。たとえば income という語は、基底形 /ˈɪnˌkʌm/ が [ˈɪnˌkʌm] または [ˈɪŋˌkʌm] として実現されうる。

音素的にも異音的にも軟口蓋鼻音を欠く言語の例としてはロシア語があり、この言語では /n/ が軟口蓋子音の前でも歯茎歯音的(laminal denti-alveolar)な [n̪] として発音される。一部の言語には前軟口蓋鼻音(pre-velar nasal)が存在し、これは典型的な軟口蓋鼻音よりもわずかに前方で調音されるが、典型的な硬口蓋鼻音ほど前方ではない(詳細については硬口蓋鼻音の記事を参照)。逆に、いくつかの言語には後軟口蓋鼻音(post-velar nasal)があり、これは典型的な軟口蓋鼻音よりもわずかに後方で調音されるが、典型的な口蓋垂鼻音(uvular nasal)ほど後方ではない。

Remove ads

特徴

存在

要約
視点
さらに見る 言語, 単語 ...
Remove ads

参照文献

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads