ニフルチモックス

ニフルチモックス(Nifurtimox)はシャーガス病とアフリカ睡眠病の治療に用いられる医薬品である^[1][2]。アフリカ睡眠病にはニフルロチモックス・エフルロチン併用療法でエフロルニチンと共に用いられる^[2]。シャーガス病の治療には、ベンズニダゾールがない場合にニフルチモックスが用いられる^[3]。投与法は経口である^[1]。

ニフルチモックス

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名 N-(3-Methyl-1,1-dioxido-4-thiomorpholinyl)-1-(5-nitro-2-furyl)methanimine
臨床データ
販売名	Lampit[1]
Drugs.com	Micromedex Detailed Consumer Information
胎児危険度分類	Undetermined
法的規制	℞ (Prescription only)
薬物動態データ
生物学的利用能	Low
代謝	Liver (CYP involved)
半減期	2.95 ± 1.19 hours
排泄	Kidney, very low
データベースID
CAS番号	23256-30-6
ATCコード	P01CC01 (WHO) QP51AC01 (WHO)
PubChem	CID: 6842999
DrugBank	DB11820
ChemSpider	29464
UNII	M84I3K7C2O
KEGG	D00833
ChEMBL	CHEMBL290960
別名	Bayer 2502[1]
化学的データ
化学式	C10H13N3O5S
分子量	287.293 g/mol
SMILES O=S2(=O)CC(N(N=Cc1oc([N+]([O-])=O)cc1)CC2)C
InChI InChI=1S/C10H13N3O5S/c1-8-7-19(16,17)5-4-12(8)11-6-9-2-3-10(18-9)13(14)15/h2-3,6,8H,4-5,7H2,1H3  Key:ARFHIAQFJWUCFH-UHFFFAOYSA-N
物理的データ
融点	180 - 182 °C (356 - 360 °F)

主な副作用は、腹痛、頭痛、吐き気、体重の減少などである^[1] 。動物研究からはがんになるリスクが懸念されるが、ヒトでの試験ではがんになるリスクは見つかっていない^[3]。ニフルチモックスの妊娠中のヒトへの投与は勧められず、また重度の腎臓病や肝臓病のヒトへの投与も勧められない^[3]。

ニフルチモックスはニトロフランに分類される抗寄生虫薬である^[3]。

ニフルチモックスは1965年から医薬品として使用され始めた^[3]。世界保健機関の必須医薬品リストに掲載されており、最も効果的で安全な医療制度に必要な医薬品である^[2]。カナダや米国では市販されていない^[1]。米国ではアメリカ疾病予防管理センターから入手できる^[4]。2013年時点の一貫の治療にかかる費用は約20米ドルである^[5]。世界中でシャーガス病とアフリカ睡眠病がよく診られる地域では世界保健機関から無料でニフルチモックスが提供される^[6]。