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ファイナンシャル・プランニング技能士
日本の国家資格 ウィキペディアから
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ファイナンシャル・プランニング技能士(ファイナンシャル・プランニングぎのうし)は、日本の国家資格である技能検定制度の一種で、職業能力開発促進法第47条第1項による指定試験機関(一般社団法人金融財政事情研究会および特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)が実施する[1]、ファイナンシャル・プランニング技能士に必要な技能に関する学科および実技試験に合格した者をいう。
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概要
→「ファイナンシャル・プランナー」も参照
顧客の資産に応じた貯蓄・投資等のプランの立案・相談(ファイナンシャル・プランニング)の技能を認定する資格であり、名称独占資格である。試験は1級、2級、3級の区別があり実務経験や関連する資格の取得に応じて受検できる。
職業としてはファイナンシャル・プランナーと呼ばれることが一般的であり、ファイナンシャル・プランナーは、この資格より歴史のある各種資格・民間資格の取得者も含まれる。なおこの資格には証券外務員のような独占業務は存在しない。
就職活動を控えた大学生(特に文系)にとっては、TOEICや日商簿記検定、宅地建物取引士、ITパスポート、証券外務員などと並び人気の高い資格の一つとなっている[2]。
技能検定ファイナンシャル・プランニング職種には7種の選択作業があり、実施される等級区分が異なっている。資産設計提案業務のみ日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以後、日本FP協会と略す。)が実施し、ほかは金融財政事情研究会(以後、金財と略す。)が実施する。各級の選択作業は、受験申請時に選択する。
上図のとおり、日本FP協会は1級の学科試験のみ実施していないが、次項の各級受験資格のとおりCFP認定試験が実務上、日本FP協会が実施する1級学科試験相当として機能している。
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受検資格
- 1級(学科試験)
- 2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
- FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
- 1級選択作業(実技試験)
- 1級学科試験の合格者
- 日本FP協会のCFP認定者
- 日本FP協会のCFP資格審査試験の合格者
- 金財のFP養成コース修了者
※ 各級共通であるが複数ある選択作業のうち一つの選択作業をもって合格している者は、他の選択作業を受験する場合、学科試験が免除される。(例:資産設計提案業務1級合格者が資産相談業務1級を受験する場合、資産相談業務1級の学科試験が免除される。)
- 2級(学科・実技共通)
- 3級技能検定の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
- 3級(学科・実技共通)
- FP業務に従事している者または従事しようとしている者
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試験内容
要約
視点
学科試験および実技試験で構成される。(1級の学科試験は金財のみの実施)
学科試験
出題形式
試験科目
- ライフプランニングと資金計画 - 1.ファイナンシャル・プランニングと倫理、2.ファイナンシャル・プランニングと関連法規、3.ライフプランニングの考え方・手法、4.社会保険、5.公的年金、6.企業年金・個人年金等、7.年金と税金、8.ライフプラン策定上の資金計画、9.中小法人の資金計画、10.ローンとカード、11.ライフプランニングと資金計画の最新の動向
- リスク管理 - 1.リスクマネジメント、2.保険制度全般、3.生命保険、5.第三分野の保険、6.リスク管理と保険、7.リスク管理の最新の動向
- 金融資産運用 - 1.マーケット環境の理解、2.預貯金・金融類似商品等、3.投資信託、4.債券投資、5.株式投資、6.外貨建商品、7.保険商品、8.金融派生商品、9.ポートフォリオ運用、10.金融商品と税金、11.セーフティーネット、12.関連法規、13.金融資産運用の最新の動向
- タックスプランニング - 1.わが国の税制、2.所得税の仕組み、3.各種所得の内容、4.損益通算、5.所得控除、6.税額控除、7.定率減税、8.所得税の申告と納付、9.個人住民税、10.個人事業税、11.法人税、12.法人住民税、13.法人事業税、14.消費税、15.会社、役員間および会社間の税務、16.決算書と法人税申告書、17.諸外国の税制度、18.タックスプランニングの最新の動向
- 不動産 - 1.不動産の見方、2.不動産の取引、3.不動産に関する法令上の規制、4.不動産の取得・保有に係る税金、5.不動産の譲渡に係る税金、6.不動産の賃貸、7.不動産の有効活用、8.不動産の証券化、9.不動産の最新の動向
- 相続・事業承継 - 1.贈与と法律、2.贈与と税金、3.相続と法律、4.相続と税金、5.相続財産の評価(不動産以外)、6.相続財産の評価(不動産)、7.不動産の相続対策、8.相続と保険の活用、9.事業承継対策、10.事業と経営、11.相続・事業承継の最新の動向
合格基準
- 1級:120点以上(200点満点)
- 2級及び3級:36点以上(60点満点)
試験時間
- 1級: 基礎10:00-12:30、応用13:30-16:00
- 2級: 10:00-12:00
- 3級: 90分
実技試験
出題形式
- 1級(資産相談業務)
- 設例課題に基づき面接を2回行い、いずれの面接も「設例(ともに総合事例)」に基づいて、複数の審査委員(技能検定委員)と対面の口述試験を行う。
- 1級(資産設計提案業務)
- 事例形式で大問2題出題、多肢択一・正誤選択・計算・記述などの筆記試験を行う。
- 2級 - 記述による筆記。事例形式で5題(金財)、10題(日本FP協会)を出題する。
- 3級 - CBT試験。事例形式で5題(金財)、7題(日本FP協会)を出題する。
合格基準
- 1級(資産相談業務):120点以上(200点満点)
- 1級(資産設計提案業務):60点以上(100点満点)
- 2級及び3級:30点以上(50点満点)【金財】、60点以上(100点満点)【日本FP協会】
試験時間
- 1級: 半日
- 2級: 13:30-15:00
- 3級: 60分
免除規定
- 1級学科試験が免除となる者
- 1級技能検定合格者
- 日本FP協会のCFP資格認定の認定者および審査試験合格者
- 2級学科試験が免除となる者
- 2級技能検定合格者および2級学科試験合格者
- 2級実技試験が免除となる者
- 2級実技試験合格者
- 3級学科試験が免除となる者
- 3級技能検定合格者および3級学科試験合格者
- 3級実技試験が免除となる者
- 3級実技試験合格者
なお、免除の有効期限は、合格した試験日から翌々年度の試験日まで有効
その他
- 2級技能検定合格者は2級で受験していない実技試験のみ受験可能
- 3級技能検定合格者は3級で受験していない実技試験のみ受験可能
なお、技能検定合格者の場合、合格番号は無期限有効
取得後の称号
技能検定に合格した者は、技能士を称することができる。名刺などに資格を表示する場合は、「等級」「正式職種名」「技能士」の順で表示する必要があり、例えば「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」のように等級を明示しなければならない。等級の非表示、等級表示位置の誤り、正式職種名の省略表示などは不可である[4]。
なお、職業能力開発促進法により、資格を持っていないものがファイナンシャル・プランニング技能士と称することは禁じられている(名称独占資格)。
試験会場
全国各都市で開催。実施団体および年度回目により会場は異なる。大学等教育機関、貸し会議室等が会場となる。
合格率
学科試験
実技試験
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資格取得者数
ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得者数(2025年3月現在)
- 金財
- 1級 - 32,563(特例講習等・・・5,071)
- 2級 - 597,560(特例講習等・・・50,353)
- 3級 - 1,072,409(特例講習等・・・11,467)
- 日本FP協会
- 1級 - 24,527(特例講習等・・・8,651)
- 2級 - 587,493(特例講習等・・・94,968)
- 3級 - 684,489(特例講習等・・・0)
沿革
参考書
各種参考書が市販されている。
脚注
関連項目
外部リンク
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