トップQs
タイムライン
チャット
視点

三枝佐枝子

日本の著作家 ウィキペディアから

三枝佐枝子
Remove ads

三枝 佐枝子(さいぐさ さえこ、1920年(大正9年)10月4日 - 2023年(令和5年)1月12日)は、日本編集者、著述家。中央公論社編集局長、商品科学研究所所長などを務めた。旧姓、若尾。

概要 三枝 佐枝子(さいぐさ さえこ), 誕生 ...

略歴

要約
視点

若尾金造の三女として山梨県甲府市に生まれる[1]。生家の若尾家は甲州財閥の中心的存在だった。

1938年東洋英和女学院高等部1941年日本女子大学を卒業。1942年、同郷の三枝守雄と結婚。守雄は東大生時代に本郷追分のYMCAに寄宿していたことから佐枝子と知り合った。

1946年4月に中央公論社に入社。1958年9月、嶋中鵬二に代わって『婦人公論』編集長となり、日本で初めて商業誌の女性編集長となった。揺れ動く性道徳や女性観の中で斬新な誌面を作り、発行部数を20万台から30万台への飛躍を成し遂げ、40万部に迫らせた[2]。また女流新人賞にも力を入れ、新たに女流文学賞を設けた。女流文学賞はもともと女流文学者会の賞であったが、会の主催者と三枝が話し合いによって『婦人公論』が主催することになった[3]。のち編集局長。1968年に退職。

1973年に商品科学研究所所長に招かれ、1978年から西武百貨店監査役を務める[4]1984年から7年間山梨県立総合婦人会館館長と県教育委員を担い[4]、『山梨女性史ノート』編纂にも携わった。また、同年から13年間、読売新聞人生相談を担当した[5]

夫のある身で職業と家庭を両立させ、人生相談で不倫の相談をしてくる者に厳しい回答を与えていたのは、女性の評価がそういうことで下がってはならないという強い意志の表れだった。

2023年1月12日、老衰のため死去[6]102歳没

商品科学研究所所長として

商品科学研究所は、西友ストアーの10周年記念事業として、1973年10月に設立されたもので、中立的、公正な商品テストを行い、消費者の声をメーカーに伝えて商品づくりに反映させることを目的にした。この研究所の所長に評論家として活躍していた三枝は招かれ、理事には加藤秀俊高峰秀子など各界の有識者、堤清二三好基之らをはじめとする西武関係者が就任した[7]

商品科学研究所の実際のスタートは、1974年1月に西友ストアー荻窪店の隣に設置された荻窪テストキッチン・コアを舞台にスタートした[8]。テストキッチン・コアは、西友ストアー店頭でのアンケートに答えてくれた人を中心に呼びかけ、メンバーを募って会員制で運営した。商品テストを試験室で条件を設定して厳密に行うという、その当時の『暮しの手帖』方式ではなく、実際に家庭で使っている状態でテストするというのが、コアのやり方であった[8]。また機関誌の発行も、会員誌『TWO WAY』(隔月発行)と研究発表誌『CORE』(季刊)が定期的に刊行され、奥様セミナーも組織された[8]

量販店プライベートブランド(PB)の開発に取り組んだのは、1970年代半ばからであるが、西友ストアーは1977年に「料理素材館」と命名した独自のPB商品を開発・販売した[9]。そして、この新しいPB商品に「SEIYU LINE」という統一ブランドを付し、その開発には、商品科学研究所の協力も欠かせないものであった[9]。商品の本来の機能に沿って、ムダをそぎ落として良品廉価を実現する、というのが「SEIYU LINE」の基本コンセプトであったが、それには主な消費者である主婦の意見を反映することが重要であったからである[9]。こうして素材・工程・包装の3面から、従来のPB商品より10~15%低価格の商品群が開発され、1980年12月に40アイテムが西友ストアー全店、ファミリーマート6店舗、西武百貨店11店舗で発売された[10]。そしてそれらの新しいPB商品は、ノーブランドでありながら良質であるとの意味をこめて、デザインを担当した田中一光によって「無印良品」とネーミングされた[11]

Remove ads

著書

  • 『女性編集者』筑摩書房、1967年。
  • 『日本の母たち』中央公論社、1973年。
  • 『魅力ある女性への25章』PHP研究所、1974年。ISBN 978-4569209890
  • 『さわやかなひとに』PHP研究所、1976年。
  • 『共働きの人間学 仕事も結婚もと願う女性へ』ティビーエス・ブリタニカ、1980年。
  • 『働く女性のサクセスノート』大和書房、1983年5月。
    • 『働く女性のかしこいキャリア術』大和書房<銀河ブックス>、1988年7月。ISBN 978-4479180814
  • 『女が一生、仕事を上手に続けていく法』三笠書房、1991年1月。ISBN 4-8379-1435-7
  • 『生活者の発想 実態とニーズを探る15篇』実業之日本社、1994年1月。ISBN 978-4408131993

共編著

  • 今井田勲共著『編集長から読者へ』現代ジャーナリズム出版会<いるか叢書>、1967年1月。
  • 編著『これから女性はどう生きるか』講談社、1984年6月。ISBN 978-4062009492
  • 三枝佐枝子、商品科学研究所『女たちの21世紀:暮らしの場からの100の提案』PHP研究所、1988年11月。ISBN 4-569-22365-6
Remove ads

脚注

参考文献

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads