二硫化ゲルマニウム

二硫化ゲルマニウム(Germanium disulfide)は、化学式GeS₂の無機化合物である。白色で高融点の結晶性固体である^[1][2]。硫化ケイ素(SiS₂)が一次元ポリマーであるのに対し、三次元ポリマーである^[3][4]。Ge-S間距離は、2.19 Aである^[3]。

二硫化ゲルマニウム

Ball and stick model of crystalline germanium sulfide.
物質名
組織名 Germanium(IV) sulfide[1]
識別情報
CAS登録番号	12025-34-2
3D model (JSmol)	Interactive image
ChemSpider	74732
ECHA InfoCard	100.031.537
EC番号	234-705-1
PubChem CID	82816
CompTox Dashboard (EPA)	DTXSID2065177
InChI InChI=1S/GeS2/c2-1-3  Key: YIZVROFXIVWAAZ-UHFFFAOYSA-N  InChI=1/GeS2/c2-1-3 Key: YIZVROFXIVWAAZ-UHFFFAOYAU
SMILES S=[Ge]=S
性質
化学式	GeS2
モル質量	136.75 g·mol−1
外観	白色半透明結晶
密度	2.94 g cm−3
融点	840 °C (1,540 °F; 1,110 K)
沸点	1,530 °C (2,790 °F; 1,800 K)
水への溶解度	0.45 g/100 mL
溶解度	液体アンモニアに可溶
磁化率	−53.3·10−6 cm3/mol
構造
結晶構造	単斜晶, mP36
空間群	Pc, No. 7
配位構造	四面体：Ge, 屈曲：S
熱化学
標準定圧モル比熱, Cpo	50 J /(mol K)
標準生成熱 ΔfHo	-150.06 kJ/mol
関連する物質
関連物質	二硫化炭素 二酸化ゲルマニウム 二セレン化ゲルマニウム 一硫化ゲルマニウム 二硫化鉛 二硫化ケイ素 二硫化スズ
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。  verify (what is  N ?)

歴史

クレメンス・ヴィンクラーが硫ゲルマニウム銀鉱の分析中に発見した、初めてのゲルマニウム化合物である。この物質が水性酸に溶けないことが、新元素の単離に繋がった^[5]。

合成

濃塩酸中で、硫化水素と四塩化ゲルマニウムを反応させることで合成される。

自然界での生成

天然では、石炭鉱山の廃石捨場のある山の噴気孔でのみ見られる^[6]。