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佐々木閑

日本の仏教学者、僧侶 ウィキペディアから

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佐々木 閑(ささき しずか、男性、1956年〈昭和31年〉9月27日[1] - )は、日本の仏教学者インド仏教史、戒律)。真宗高田派の僧侶[2][3]花園大学教授。博士(文学)佛教大学論文博士・1999年)。

経歴

受賞歴

  • 1992年、日本印度学仏教学会賞
  • 2003年、鈴木学術財団特別賞

仏教学に関する事案

要約
視点

アカハラ事件を巡って

佐々木閑によれば、清水俊史馬場紀寿(東京大学教授)は、ブッダゴーサの仏教史における位置づけをめぐり2016年から論争を続けている[8][9]。この論争の過程で、清水はアカデミック・ハラスメント(アカハラ)や出版妨害を受けている[8][9]

上座部仏教の『パーリ仏典』の大乗経典に対する優位性(どちらが成立年代が先か、どちらが釈迦直説に近いか)については現在論争中の事案である。上座部の国々で普及している『パーリ仏典』はスリランカブッダゴーサが正典と定めた仏典を底本としているが、馬場紀寿はブッダゴーサが非仏説(釈迦が説いたものではない)として大乗経典を恣意的に排除し、また採用した仏典についてもブッダゴーサが信じる教説にそぐわない箇所は改ざんが行われた、すなわち現在の上座部仏教の教義はブッダゴーサの思惑によって釈迦の直説が排され、大乗的な要素が排されて成立したとする説を唱えた。この馬場説は大乗非仏説に対する有効な反論の論拠とされてきた。しかし清水俊史はこの説に異を唱え、ブッダゴーサは仏典注釈者としての本分を務めたにすぎず経典の改ざんは行わなかったとした。清水説では大乗経典は明らかに後世の創作であるため『パーリ仏典』に採用されず排除されたとした[10]。馬場・清水論争は、清水説が正しければ『パーリ仏典』の方が釈迦直説に近いということになり大乗非仏説に根拠を与え、日本仏教の教義は全て釈迦の直説ではなく後世に創作されたものだということになるので、仏教界の注目を集めていた。

2022年、佐々木閑は『禅学研究』第100号においてこの論争を整理する評論を発表し、アカハラの加害者が馬場であることを示唆した。佐々木は「加害者と利害を共有し、 加害者を援護している人もいるようなので、そういった人たちの言動を逐一観察し記録する。その記録は状況が変われば公にできる時が来るかもしれない。ひょっとしたら記録だけ残して死ぬかもしれないが、それはそれで構わない。(略)加害者側が清水氏に対しておこなった行為から類推して、このような評論を公にした私に対しても様々な攻撃がおこなわれる可能性はある。おおっぴらな攻撃は自らの行為を告白するようなものであるから、おそらくは秘密裏に,私の言動の信頼性を損なわせるような策を練るものと思われる。幸いなことに私はもう人生の峠も越し、守るべきものもないので構わないが、そのような私 に引き比べて、傑出した能力を持ち堂々と論陣を張りながら邪な妨害によって人生の登り口で足を引っ張られた清水氏の心中を思うとやるせない」とこの告発の覚悟と気概を述べている[11]

清水は著書『お布施のからくり』のあとがきで、佐々木閑より馬場の清水に対するアカハラを目撃したとの証言をいただいたとする旨の報告があった。

大乗非仏説に関する見解

佐々木は大乗非仏説寄りの見解を持っており、「釈迦はこの世を一切皆苦ととらえ、輪廻を断ち切って涅槃に入ることで、(浄土への往生ではなく)二度とこの世に生まれ変わらないことこそが究極の安楽だと考えた」「大乗仏教が言うような在家者として普通に暮らす中にも悟りへの修行がある、という考えは(釈迦本来の教えからは)成り立たない。在家者として普通に暮らすということは、善行を積んで(来世で)楽な生まれを目指すという生き方に従うということで(中略)俗世で善行を積み重ねても、悟りを開いて涅槃に入るという道にはつながらない」と説明している[12]

著書

  • 『出家とはなにか』(大蔵出版、1999年)
  • インド仏教変移論、なぜ仏教は多様化したのか』(大蔵出版、2000年)
  • 『犀の角たち』(大蔵出版、2006年)
  • 『日々是修行 現代人のための仏教100話』(ちくま新書、2009年)
  • 『「律」に学ぶ生き方の智慧』(新潮選書、2011年)
  • 『ブッダ真理のことば = Buddha Dhammapada』(NHK出版、2012年)。「100分de名著」ブックス
  • 『仏教は宇宙をどう見たか アビダルマ仏教の科学的世界観』(化学同人(選書判)、2013年、同・文庫判、2021年)
  • 『ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか』(NHK出版新書、2013年)
  • 般若心経』(NHK出版、2014年)。「100分de名著」ブックス
  • 『ブッダ 最期のことば』(NHK出版、2015年)。「100分de名著」放送テキスト
  • 『集中講義 大乗仏教―こうしてブッダの教えは変容した』(NHK出版、2015年)。別冊「100分de名著」放送テキスト
  • 『出家的人生のすすめ』(集英社新書、2015年)
  • 『ブッダに学ぶ「やり抜く力」』(宝島社、2017年)
  • 『ネットカルマ』(角川新書、2018年)
  • 『大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか』(NHK出版新書、2019年)
  • 『仏教の誕生』(河出新書、2020年)
  • 『宗教の本性 誰が「私」を救うのか』(NHK出版新書、2021年)

共編著

訳書

論文

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出演

ラジオ
テレビ


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脚注

外部リンク

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