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利用者:Solidrock0327/sandbox/セブンスデー・アドベンチスト教会(草案)

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セブンスデー・アドベンチスト教会( -きょうかい、: Seventh-day Adventist Church、SDA)は、アメリカ再臨待望運動において「1843年-1844年にキリストが再臨する」と予告したことを源流とするキリスト教系宗教組織。信徒数は2000万人を越え、209の国々で活動。教育、医療、食品、出版、放送、福祉など諸事業活動も行われている。

概要 分類, 地域 ...
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セブンスデーアドベンチスト天沼教会 - panoramio

セブンスデー・アドベンチスト教会は自らをプロテスタント教会と位置付けており[1]、宗教学やキリスト教専門家・関係者の間ではキリスト教もしくはプロテスタントの一派とする[2][3]見解、キリスト教系の新宗教に分類する[4][5]見解の両論がある。

キリスト教大事典』652頁(教文館、昭和48年9月30日 改訂新版第二版)では、プロテスタントと位置づけず、一方で異端(キリスト教系の新宗教)とも位置づけず、冒頭文で単に「アメリカに始ったキリストの再臨と安息日厳守を主張する教派」としている。

名称の「セブンスデー」は週の第七日(現在の土曜日)の安息日を、「アドベンチスト」はキリスト再臨を待ち望む者を意味することから、日本では安息日再臨派あんそくびさいりんはまた第七日の再臨教会だいななにちのさいりんきょうかいと呼ばれることもある。

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歴史

要約
視点
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ウィリアム・ミラー
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エレン・G・ホワイト
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医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院(東京都杉並区)

1800年代前半に北米で起こった再臨待望運動を源としている。中心人物であるウィリアム・ミラーが、1843年にイエス・キリストの再臨の日を特定して予告した。ミラー派に加わった牧師・教会員たちは(異端として)自分たちの教会から追放され、後に「教団に与えられた預言者」とされるエレン・G・ホワイトも同様に、所属していたメソジスト教会から(異端として)教籍を剥奪される結果を招いた。

ミラーはキリストの再臨を1843年3月21-1844年3月21日の間と特定し、再臨待望集会は100以上の場所で開かれ、熱狂的な雰囲気であった。運動は拡大の一途を辿り、一時参加者の数は6万人に達したと言われている[6]。また一方でその特定は多くの人々を恐怖におとしいれ、財産を売るものもでてきた[7]。1843年が近づくにつれ、フィラデルフィアやボストンでは、ディオニソス的酒宴といってもよい自暴自棄的乱痴気騒ぎが開かれた[8]。しかし、再臨は起こらず、今度は翌年1844年10月22日だと主張し、彼らは再び熱狂的にその日の到来を待った。ある者は仕事を放棄し、屋根や山の上に登って天を仰いだ。しかし、その日も何の変化もなく、彼らの失望は非常に大きかった。その後、セブンスデー・アドベンチスト教会の指導者たちは「キリストは天の聖所に再臨した」のであり、日時は正しく場所が違っただけであり「預言は成就した」と説明した[9][10]

社会心理学者レオン・フェスティンガーによると、ミラーの預言失敗後も、ミラーの同調者は自分たちの計算ミスを数え立てて、預言の日を次々と変え、時が過ぎゆくうちに不協和に悩む人々の心を落ち着かせていったという。しかし同時に世間的現実に引き戻そうとする強制から精神不安定となり、精神障害者施設に収容された患者は、ボストン近郊だけでも170人以上もいたと報告されている(『カルトの諸相 キリスト教の場合』p152)[5]

その混乱の中に起こった、ミラーの支持者であるエレン・G・ホワイト夫人らを中心とした彼らの中の小さなグループは、ミラーの解釈の何が間違っていたか研究し、ホワイト夫人の「啓示の証言」と新たな聖書解釈を元に「第7日安息日の遵守とキリストの再臨とは深く結びついている」と解釈した[11]。その解釈によって、土曜日を安息日にするという意味で、セブンスデー・アドベンチスト教会が発足した[12][13][14]

その後米国で宗教団体として正式に組織されたのは1863年であり、現在209の国々で活動している。その後世界中に広がり、過去30年間では、10年毎に倍増する成長を逐げ、信徒数2000万人を越えている。福音宣教活動に加え、発展途上国においてはADRA(アドラ)という支援活動を行っている。日本における正式な活動は、1896年、ヒルズバーグ大学の学長を辞し、来日したグレンジャー教授によって開始された。第二次大戦中に再臨信仰が治安維持法に触れて宗教弾圧を受け、全牧師・有力信徒が検挙され教会は解散させられたが、戦後回復し今日に至っている。日本のセブンスデー・アドベンチスト教会は、100を超える教会と、1万5千人余の信徒を有している。また教会活動とあわせて、東京衛生病院を通じた病院伝道、三育学院を通した学校伝道など、教育、医療、食品、出版、放送、福祉など諸事業を行っている[1][10]

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組織の概要と活動

要約
視点

信徒数2000万人は越えており、世界を13の支部に分け、209の国々で732の言語を用いて活動する。日本の教団は中国を含めて55万人の会員がある「北アジア太平洋支部」に属する。2001年1月に開かれた「第34回教団定時総会」において「私たちの使命――愛情深い証人として生き、主のまもない再臨に備えて、三天使のメッセージの永遠の福音をすべての人に宣べ伝えるイエス・キリストの弟子をつくること。」という、他のキリスト教系宗教組織にはみられない特徴(「三天使のメッセージ」)を有する「使命宣言」を行うとともに、「福音による全人的回復をめざして(To Make People Whole)」というモットーに基づき、以下の宣教理念を採択した[15][13]

  1. 宣教(Ministry of Proclaiming the Word)・・・「教会は、聖書の教えに従い、週の第七日を安息日として遵守し、神の言 葉の宣教と聖礼典の執行によって人々にキリストの救いを伝える」「信徒の交わりをとおして、心に平和と癒しをもたらし、豊かな人間性の回復をはかる。」など。
  2. 教育(Ministry of Teaching)・・・「福音を基とした教育活動を行うため、教育機関を設置する。各教育機関は、「霊と心とからだ」(第1テサロニケ5:23)の3要素を含むトータルな人間形成による「神のかたち」(創世記1:27)の回復を推進」「教育は生涯にわたる過程でもあるゆえに、教育機関のみならず各教会 および各機関において、積極的に生涯教育プログラムを展開する。」など。
  3. 社会奉仕(Ministry of Caring)・・・「各機関は、それぞれの専門の働き をとおして、人間の尊厳の回復と維持および心とからだのトータルな健康の推進をめざし、「隣人を自分のように愛しなさい」(マタイによる福音書22:39)とのキリストの言葉を具体的に実践することに努める。」など。

上記理念のもとに教育、医療、食品、出版、放送、福祉など諸事業活動が行われている。

宣教

第36回教団定時総会で採択された教団伝道基本方針では、「アドベンチストの原点に立ち返って」を掲げ、モットーを「永遠の福音を、今すべての同胞 に」とした。また具体的な基本方針として以下を採択した。

  1. 伝道することこそアドベンチストの喜び
  2. 自然に成長するアドベンチスト教会
  3. アドベンチストであることの自覚

宣教活動は「全国各地に散在する信徒を中心に教会を組織する。」とし、事務所(横浜本部事務所、立川事務所、原宿事務所)と伝道局、教区事務所(東日本教区、西日本教区、沖縄教区)、全国の教会が連携して行われている[16]

教育

教育では日本各地にて保育園、幼稚園、小・中・高等学校および短大を運営し「三育グループ」と名付けキリスト主義教育を行なっている。三育教育とは、「人の中に創造主のみかたちを回復するという使命に従い、人の身体性、精神性、霊性の調和のある開発を行い、与えられた全生涯の期間に渡って、神と人とに奉仕する人物となることを目標に掲げる教育である」とされる[1][13]

医療

日本における医療活動は昭和28年の沖縄伝道を機に開始された。東京衛生病院で都内初、神戸アドベンチスト病院では兵庫県初のホスピス病棟が開設され、終末ケアが施されている。関連病院では生活習慣病予防教育に力を入れている。禁煙などに力を入れた活動も行っており、「日本禁煙協会」の活動は昭和62年に厚生省の「喫煙と健康問題に関する報告書」で紹介された。他にも「心の健康相談」(電話相談)などの活動も行われている[1][13]

福祉

福祉では養護老人ホームやその関連事業などを行っている。昭和59年、東京衛生病院の患者が寄贈した土地を基に、横須賀に50床の特別養護老人ホーム「シャローム」が完成し、「いのちを敬い、いのちを愛し、いのちに仕える」をモットーとするシャローム・グループとして、ケアハウスや身体障害者療養施設、グループホームなどの福祉関連施設を設立、運営している[1][13]

出版

出版では「福音社」を展開する。同社の創立は1899年。月刊誌『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』は100年以上発行を継続している[1][13]

国際開発支援、緊急救援活動

国際開発支援、緊急救援活動を行う組織として特定非営利法人(NPO)「ADRA(アドラ)Japan」を運営している。近年では新潟中越地震、スマトラ地震等で援助活動を行っている[1][13]

食品

また特徴的な事業として健康食品事業があり、120年以上に渡って穀物・卵乳菜食のポリシーを基に「三育フーズ」を展開している[1][13]

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教会の特徴

  • 患難後携挙説をとり、患難前携挙説を否定する[17]
  • 土曜安息日の遵守のため、仕事・公立学校の授業や試験も欠席するよう指導する[14]
  • 飲酒喫煙・麻薬類や刺激物(カフェイン類や香辛料を含む場合がある)を避けたり、菜食主義などを推奨する[14]
  • イースター(復活祭)を祝う教会は少数派である[14]
  • かつては十字架をシンボルに用いることに消極的であった[14]
  • 礼拝で聖書以外に、同教会が「主の使者」とするエレン・G・ホワイトの著書を朗読することがある[14]

教義

要約
視点

セブンスデー・アドベンチスト教会は自身を『聖書主義に立つキリスト教・プロテスタントの教会』『聖書に示されている神の愛による救いを全人類に伝え、その愛を、人々の必要に応えるさまざまな活動を通して実践しようとしている』と述べている[1]

信仰の大要

セブンスデー・アドベンチスト教会は信仰の大要として28の項目を宣言している[18]

  1. 神の言葉:旧新約聖書は、書かれた神の言葉である
  2. 三位一体:父と子と聖霊の三つの位格からなるひとりの神がいます
  3. 父なる神:父なる神は、すべてのものの創造者
  4. 子なる神:子なる神は人間の肉の姿をとってイエス・キリストとなられた
  5. 聖霊なる神:聖霊なる神は、創造と受肉とあがないのみわざにおいて、父なる神と子なる神とともに働かれた
  6. 創造:神は万物の創造者である
  7. 人間の本性:人間は、神のかたちに造られ、個性をそなえ、思考し行動する力と自由を持っている
  8. 大いなる戦い:すべての人間はキリストとサタンの大いなる戦いに巻き込まれている
  9. キリストの生涯と死と復活:キリストの生涯とその苦難・死・復活をとおして、人間の罪をあがなう唯一の方法を提供された
  10. 救いの体験:限りない愛とあわれみをもって、神は、罪を知らないキリストをわれわれのために罪とされた
  11. キリストにある成長:イエスは、十字架の死によって悪の力に勝利された
  12. 教会:教会は、イエス・キリストを主としてまた救い主として信じ告白するものの共同体である
  13. 残りの民とその使命:普遍的な教会は、キリストを真に信じるすべてのものからなる
  14. キリストのからだにおける一致:教会は、あらゆる国民・部族・国語・民族から召し出された多くの肢体を持つひとつのからだである
  15. バプテスマ:バプテスマによって、われわれは、イエス・キリストの死と復活を信じる信仰を言い表し、罪に死に新しい命に生きる決意を表明する
  16. 聖餐式:聖餐式は、主であり救い主であるイエス・キリストを信じる信仰の表明
  17. 霊の賜物と奉仕:神はどの時代にも、神の教会の会員すべてに霊の賜物を与えておられる
  18. 預言の賜物:主の使者としての彼女(エレン・G・ホワイト)の著書は、つねに信頼のおける真理のみなもとであって、教会を慰め、導き、教え、その過ちを正す
  19. 神の律法:神の律法の大原則は、十戒に具体化され、キリストの生涯に明らかとなっている
  20. 安息日:神の不変の律法の第4条は、 この7日目安息日を休息として礼拝と奉仕の日として守るよう求めている
  21. 管理者としての務め:われわれは、時間や機会、才能や資産、地の恩恵や資源を神から委ねられた、神の管理者である
  22. クリスチャンの行動:われわれは、天の原則に調和して考え、感じ、行動する敬虔な民であるように召されている
  23. 結婚と家庭:結婚は、エデンにおいて神によって制定され、愛の交わりにおける男女の生涯にわたる結合として、イエスによって認められた
  24. 天の聖所におけるキリストの奉仕:キリストは昇天してわれわれの大祭司となり、仲保の働きを開始された
  25. キリストの再臨:キリストの再臨は、祝福に満ちた教会の望みであり、福音の壮大な頂点である
  26. 死と復活:罪の支払う報酬は死である
  27. 千年期と罪の終わり:千年期とは、第一の復活と第二の復活にはさまれた、1000年にわたる、キリストと聖徒たちの天における支配のことである
  28. 新しい地:そこには神ご自身が民とともに住まわれ、苦しみや死とは過ぎ去る
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伝統的キリスト教との違い

要約
視点

1843年から始まった、起源の新しいセブンスデー・アドベンチスト教会には以下のように伝統的キリスト教と多くの点で違いがある。

セブンスデー・アドベンチスト教会が信じる「唯一性」

元来、セブンスデー・アドベンチスト教会は1984年ごろ存在していた文書において、自身のみが唯一の真の教会であると自称していた[9][19]。唯一の真の教会の条件として以下を挙げており、同教会のみがそれに当てはまるとしていた。

  1. 十戒をすべて守る
  2. 1798年以後に現れた教会
  3. 預言の賜物を持っている
  4. 三天使の使命を全世界に宣伝している

その後それらの文書を対外的に抹消し、プロテスタントとの融和を表明する方向に転換した[13]。そしてセブンスデー・アドベンチスト教会は自らを「聖書主義に立つキリスト教・プロテスタントの教会」とし「その教えは多くの点において、プロテスタント諸教会と共通しています。」としている[1]。しかし同時に、従来とかわらず自身の教会の「唯一性」として「エレン・G・ホワイトの著作=アドベンチスト教会に与えられた預言の霊の賜物(である)[20]」、「(ホワイトは)終末時代に神から与えられたメッセンジャーである[21]」とも主張している。

プロテスタントとの融和を表明し、相違点を積極的に強調しなくなったが、それでも最もはっきりプロテスタント教会および主流派キリスト教会と相違する点として宣言・表明されている見解が以下である。「自分たちの預言的見解の正当性を確信している。」「その時には、第七日安息日が論争点となる。」「主要なキリスト教団体と共に、神と安息日の教えに反対する勢力と同盟すると、私たちは考える。」とし、主流派キリスト教会と相違する点があることを表明している。

セブンスデー・アドベンチストはまた、自分たちの預言的見解の正当性を確信している。それによれば、人類は今、終わりの時に生きている。アドベンチストは、聖書の預言に基づいて、この地球がキリストの再臨の直前に前例のない混乱に直面すると信じている。その時には、第七日安息日が論争点となる。そのとき、世界の諸宗教は、中心的な役割を果たす。主要なキリスト教団体と共に、神と安息日の教えに反対する勢力と同盟すると、私たちは考える[22]セブンスデー・アドベンチストのローマ・カトリック観に関する声明 - セブンスデー・アドベンチスト教団公式サイト

相違点

  • 再臨日の特定から調査審判へ
ウィリアム・ミラーはキリストの再臨を1843年3月21-1844年3月21日の間と特定し、再臨待望集会は100以上の場所で開かれ、熱狂的な雰囲気であった。また一方でその特定は多くの人々を恐怖におとしいれ、財産を売るものもでてきた。ミラー派に加わった牧師・教会員たちは(異端として)自分たちの教会から追放され、エレン・G・ホワイトは所属していたメソジスト教会から(異端として)教籍を剥奪される結果を招いた。しかし、再臨は起こらず、今度は翌年1844年10月22日だと主張しその日も何の変化もなく、彼らの失望は非常に大きかった。その後、セブンスデー・アドベンチスト教会の指導者たちは「キリストは天の聖所に再臨した」のであり、日時は正しく場所が違っただけであり「預言は成就した」と説明した[8][9][13][7]
ここから、セブンスデー・アドベンチスト教会特有の信仰「調査審判」が生まれた[23]
彼らがキリストの再臨を予告した1844年10月22日に実際には再臨が起こらなかったことから、その後に教団は「調査審判」という教義を発表した。1844年10月22日にキリストは贖罪の業を続けるために天上の聖所に入られ、その日から人類に対する調査審判が始まったとする。イエス・キリストは今、誰が救われて天国に入りうる資格があるかどうかを検定するために調査中であるとしている。福音派尾形守による著書では、セブンスデー・アドベンチスト教会のこの教義は全く聖書的根拠がないと指摘されている[10]
  • イエス・キリストは天使ミカエルである
エレン・G・ホワイトは著書の複数の箇所においてキリストと大天使ミカエルを同一としている[24]。『初代文集』[25]164ページ[26]と、『各時代の希望』[27]421ページ[28]の2書の対照にて確認することができる。
セブンスデー・アドベンチスト教会による『預言の声聖書講座 第2部 第5課-6.天における戦い』においてもキリストは大天使ミカエルであると言及されている[29]
この教義はエホバの証人と同じ教義である[30]
  • イエス・キリストは全能の神ではない
エレン・G・ホワイトは著書において『人としてのキリスト・イエスは全能の主なる神ではありませんでした』と言及している[31]
  • サタンが私たちの罪と不義を負う者である
エレン・G・ホワイトは著書において『罪はサタンに最終的に配置される[32]』『キリストはこれらすべての罪をサタンに置く[33]』『彼らの罪は罪の創始者に移されます[34]』と記し、罪の贖いがキリストの十字架で完成されておらず、最終的にサタンが私たちの罪と不義を負うとする。
  • エレン・G・ホワイトは「主の使者」であり、「つねに信頼のおける真理のみなもと」であると宣言している
セブンスデー・アドベンチスト教会の公式サイトにて宣言している[1]
  • エレン・G・ホワイトの著作における霊感の質や程度は、聖書のそれと同じである
『エレン・G・ホワイトの著作の霊感と権威 /*否定(Denials)1』に明記されている[35]
  • 黙示録の十四万四千人は安息日(土曜礼拝)を守る者であり、日曜礼拝者は「獣の刻印」を受けている
エレン・G・ホワイトはヨハネの黙示録7:4に記されている「十四万四千人」「神の印」に関して、著作『教会への証8巻』(p117)において『神のしるし、または神の印は第七日の安息日、すなわち創造主の記念日の遵守に表わされている。……獣の刻印はこの反対である。それは週の第一日の遵守である。』と記し[36]、さらには『教会への証6巻』(p350)においては『十のすべての戒めの中で第四条の戒めだけが偉大なる律法制定者、すなわち天と地の創造主の印を含んでいる。』と言及[37]。黙示録の十四万四千人は『安息日(土曜)礼拝を守る者である』と断定し、日曜礼拝者をヨハネの黙示録13:16-17にて言及されている『獣の刻印(The mark of the beast)を受けた者』と断定している。
  • 霊魂消滅説を主張、地獄を否定している
セブンスデー・アドベンチスト教会では「地獄というのは墓にすぎない」とされる(霊魂消滅説[10]。死後の状態について、人間は魂と肉体を分けることのできない存在であり、肉体の活動が停止すると同時にすべての精神活動も停止し、よみがえりの時まで無意識の眠りの状態にあるとする(伝道の書9:5、ヨハネによる福音書5:28-29)[38]。死んだら魂が天国か地獄に行くということを信じない[13]。エレン・G・ホワイトの著書『大論争』[39]535ページ[40]、『初代文集』[41]221ページに記されている[42]
  • 聖日を第七日安息日とし、各時代のすべての人間が守るべきとする
公式サイトにて言及[38]。さらにエレン・G・ホワイトは著作『原稿27』(1899年)において『神の印を額に受ける人々は、神の第4条の戒めである安息日を守らなければならない。これは、真の安息日の代わりに人が作った制度を受け入れた不忠実な者から彼らを区別するものである。神の休みの日の遵守は、神に仕えない者と仕える者とを区別する印である。』と言及し、安息日(現在の土曜日)礼拝者をヨハネの黙示録7:4に記されている「神の印」を受けた者とし、日曜礼拝者を「神に仕えない者」「人が作った制度を受け入れた(神に)不忠実な者」としている[43]

「異端」であるかどうかの見解

キリスト教界において、「異端(ないしキリスト教系の新宗教)」として位置付けるかどうかの見解に違いがある。

さらに見る プロテスタント(一派)【P】、キリスト教(一派)【C】とする(【P】【C】は推測を含む。), 新宗教(もしくは異端)とする ...

対話

セブンスデー・アドベンチストと世界福音同盟との対話が2007年8月に行われた[90][91]。双方が互いに、共通する信仰内容があることを確認した一方、同意がみられなかった点があることを確認した上で、今後の協力関係を発展させることで合意した共同声明が発表された[92]

エホバの証人への影響

チャールズ・テイズ・ラッセルキリスト教系の新宗教であるエホバの証人を設立する前に、セブンスデー・アドベンチスト教会についたり離れたりしていた[93]。その中で後に彼の教義体系の中核になるものをつかんでいき、セブンスデー・アドベンチスト教会の本の中の「地獄というのは墓にすぎない」という教義を借用して、永遠の刑罰の教えに反対し「地獄」(マルコによる福音書9:43-48)の存在を否定した(霊魂消滅説[94][10]。この教理はキリスト教弁証家アルノビウスが4世紀にこの説を説いたが、第5ラテラノ総会議(1513年)にて異端とされた[95])。他にも類似する教理として「イエス・キリストは天使ミカエルである」とすること[6][30][24]、「自分たちこそ14万4千人の選民である」とすること[6]などの黙示録的表象の強調[96]、「聖書以外の啓示や霊の語りかけを重んじ、聖書以外の信仰の基準や教典を持つ」ことなどが挙げられる[10]

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派生・分派した組織

セブンスデー・アドベンチスト教会から派生・分派した組織として以下がある。

見解、文献等

  1. 日本基督教団総会議長であり、元・聖ヶ丘教会牧師である山北宣久はセブンスデー・アドベンチスト教会を「兄弟姉妹」と表現し、セブンスデー・アドベンチスト教会を支持・推薦している[13]
  2. 東京基督教大学 国際宣教センター・日本宣教リサーチの『JMR調査レポート(2017年4月)』[4]では「教義上あるいは信仰の実践上、キリスト教もしくはプロテスタントの一派と見なすことが困難とされるグループや教会の1つ」として、イエス之御霊教団萬国福音教団、聖書研究会(実際には統計に入れられており、聖書研究会は東京基督教大学支援会員であるという。詳細不明)、基督心宗教団復元イエス・キリスト教団真イエス教会日本総会、アメン教団日本基督召団地元に在って合一である立場に立つ教会原始福音(キリストの幕屋)、同仁キリスト教団と共にセブンスデー・アドベンチスト教会を挙げている。
  3. 東京基督教大学附属の共立基督教研究所による『宣教ハンドブック Q&A130』[6]では、「キリスト教の異端と宗派」の章にてエホバの証人、モルモン教、統一教会と共にセブンスデー・アドベンチスト教会を挙げ、通常のキリスト教の教派とは区別されなくてはならない、としている。
  4. 日本福音同盟理事長であり淀橋教会主管牧師の峯野龍弘はセブンスデー・アドベンチスト教会の書籍において「心からの敬意と賛辞を贈ります」とセブンスデー・アドベンチスト教会を称賛する態度を表明している[13]
  5. キリスト教福音派牧師の尾形守による著書『異端見分けハンドブック[10]では異端とキリスト教の根本的な違いは「霊の違い」であるとし、異端は悪霊による惑わしの教えであるとする。その聖句として、第一ヨハネ4:1-3、黙示録16:13、第一テモテ4:1をあげている。また異端の見分け方として、「聖書以外の啓示や霊の語りかけを重んじる」「聖書以外の信仰の基準を持つ」ことなどを挙げており、同書のp. 12にセブンスデー・アドベンチスト教会は「異端とみなされている団体」と明記されている。さらにp168以降ではセブンスデー・アドベンチスト教会の教理的問題点として「1844年にキリストの再臨があると主張したこと」「安息日(土曜日)礼拝を守らなければ真の教会ではないとすること」「1844年から天においてキリストの調査審判が始まったとすること」「霊魂不滅・地獄の否定」を挙げている。
  6. 本郷台キリスト教会牧師・池田 博はセブンスデー・アドベンチスト教会の書籍において「SDA教会(セブンスデー・アドベンチスト教会)の皆様の福音に対する、真摯な姿勢、御言葉に対して深く学ぶ姿勢」等とコメントし、セブンスデー・アドベンチスト教会を称賛する態度を表明している[13]
  7. ホサナ・キリスト教会牧師・辻川宏による著書『異端ポケットシリーズ4』[9]では異端であるかについては両論あるが異端であるとし、教義的問題点として「真の教会はSDAのみとする」「安息日を守ることは永遠の生死にかかわるとする」「霊魂不滅・地獄の否定」「贖罪は調査審判中である」を挙げている。
  8. セブンスデー・アドベンチスト教会の元信者で三育学院の神学生だった、山本杉広(和歌山ゴスペルライトセンター創設牧師)は、『異端ポケットシリーズ6』[45]で、信者であった頃の自身の体験を告白している。
  9. セブンスデー・アドベンチストがオブザーバーとして参加している世界教会協議会の公式サイトでは「保守的福音主義」と紹介されている[46]
  10. 日本イエス・キリスト教団顧間、荻窪栄光教会元老牧師を務めた森山諭は著書『現代日本におけるキリスト教の異端』[47]のp69にてセブンスデー・アドベンチスト教会が「携挙を信じない」点を指摘し、p70にて「再臨を指定した異端」として統一教会とともに同教会を取り上げている。
  11. カトリック教会においては、「福音主義のプロテスタント」として分類されている[48][49]
  12. 日本ルーテル教団伝道委員会の要請により執筆された轟勇一著『100の質問』[50]222ページでは、異端という言葉は使用していないものの、「エホバの証人やセブンスデー・アドベンチスト教会など」と具体的に2つの教団名を挙げて「再臨主義者たち」と称し、彼らが主張する霊魂消滅説(絶滅説)を否定する見解を記している。
  13. 同じ地域にあるカトリック教会聖公会と合同祈祷会を開催しているケースがある[51]
  14. バプテスト派の牧師John R. Rice は著書『False Doctrines(偽りの教義)』[52]で「セブンスデー・アドベンチスト教会(SDA)の教義は誤っている」としている。
  15. 日本聖書協会のウェブサイトのリンク集に、セブンスデー・アドベンチスト教会へのリンクが掲載されているほか[53]、『「聖書全巻リレー通読」を実施された教会』として紹介されており[54]、「異端」としての扱いは受けていない。
  16. プロテスタント牧師Anthony A. Hoekemaは著書『The Four Major Cults:Christian Science, Jehovah's Witnesses, Mormonism, Seventh-day Adventism』にてセブンスデー・アドベンチスト教会を『四大カルトのひとつ』としている[55]
  17. 福音派の牧師Walter Ralston Martin は当初、同教会を異端とする立場であったが、1957年にキリスト教として認める認識を表明した[56]
  18. 牧師だったセブンスデーアドベンチスト教会を去り、バプテストの牧師となったDM Canright [57]はセブンスデー・アドベンチスト教会に対し最も厳しい批評家の1人である。
  19. 大和カルバリーチャペル主任牧師の大川従道は、公の場でキリスト教の各教派について祈祷する際には同時にセブンスデー・アドベンチスト教会についても祈り、キリスト教に含める態度を繰り返し表明している[58]
  20. 大阪城東福音教会牧師の青木保憲は、セブンスデー・アドベンチスト教会の信者を主人公とした映画「ハクソー・リッジ」に関する記事において、セブンスデー・アドベンチスト教会について『(異論はあるだろうが)安息日以外のキリスト教教理に関しては、他の保守系キリスト教とほとんど変わりない』『セブンスデー・アドベンチスト教会が米国に認められて(いる)』と言及し、「キリスト教」内に入れる考えを明確に表明している[59]
  21. クリスチャン・トゥデイは会長の峯野龍弘がセブンスデー・アドベンチスト教会の支持を対外的に表明しているため、記事内では異端救出に関する記事であえてセブンスデー・アドベンチスト教会名誉牧師を正統派と扱い取り上げたり[60]、同教会が行うセミナーの広告宣伝を記事として掲載する[61]など、積極的にセブンスデー・アドベンチスト教会を支持する記事を頻繁に掲載している。
  22. いのちのことば社の発行する「クリスチャン情報ブック」では日本全国8,000のプロテスタント教会情報を掲載しているが、 セブンスデー・アドベンチスト教会は除外されている[62]
  23. キリスト新聞社が発行する『キリスト教年鑑』(2006年版)[63]では、エホバの証人、モルモン教、統一教会は収録されていないが、他のキリスト教各派と共にセブンスデー・アドベンチスト教会も収録されている。
  24. キリスト新聞の記事[64]で異端とは特に言及されていない。
  25. 韓国の「国際宗教問題研究所」発行の月刊誌「現代の宗教 (現代宗教)」や韓国のクリスチャン・トゥデイ(日本の同名紙とは別団体)では統一教会喜びのニュース宣教会、セブンスデー・アドベンチスト教会の北朝鮮との関わり方の共通点を「北朝鮮に進出する異端者たち」と題して取り上げている[65]
  26. 越川弘英の著書[3]でプロテスタントとして扱われている。
  27. 日本宗教学会会長の宗教学者である井門富二夫は著書[5]において、ミラーの運動での終末を特定化し、社会不安をあおりたてた行為は逸脱的かつ反社会的(カルト的)と批判されている、と述べている。さらに「メルトンの『カルト辞典』に載る、本格的な、かつ逸脱的カルトの始まり」(SDAの流れに成長するミラー派、p147)、「特異なプロテスタント教団、すなわち新宗教」(SDA、p150)とも記述するなど、新宗教・カルトである点を強調している。
  28. 山我哲雄はSDAについて、「キリスト教の基礎知識」の教派系統図(p48)でプロテスタントの範囲に含めている[66]
  29. J.G.メルトン の編集する『アメリカのカルト百科事典』では、セブンスデー・アドベンチスト教会は『既成のカルト』の項に分類されている[67]
  30. 高柳俊一は編著にて、SDAについて「19世紀半ばに成立したアメリカのプロテスタント新興教派」「三位一体などの教義面においては一般の福音的なキリスト教と変わらない」としている。[68]
  31. E.ケァンズ著『基督教全史』[69]ではセブンスデー・アドベンチスト教会をモルモン教、クリスチャン・サイエンスと同様に『非正統説の分派(異端)』として取り上げている。
  32. 松本宣郎は編著にて、SDAについて「19世紀半ばに成立したアメリカのプロテスタント新興教派」「三位一体などの教義面においては一般の福音的なキリスト教と変わらない」としている。[68]
  33. バーナード・ラムは著書『聖書解釈学概論』[70]において、セブンスデー・アドベンチスト教会、モルモン教、クリスチャン・サイエンス、エホバの証人に対し『聖書のほかに人間の声を加える諸教派に反対する』と述べている。
  34. 大貫隆による「岩波キリスト教辞典」はSDAについて、「米国で復興した再臨運動の1つ」「再臨待望派の1つ」としている[71]
  35. 神学者ヘンリー・シーセンは著書[72]のp557にて、(「異端」という言葉は用いていないものの)主日(日曜礼拝)と安息日についてのセブンスデー・アドベンチスト教会の主張を「実に愚かである」としている。
  36. 「世界宗教大事典」はSDAについて、「キリスト教の一教派」としている(古屋安雄記述)[73]
  37. 元・英国国教会聖職者であり、キリスト教異端史研究者であるD.クリスティ・マレイは『異端の歴史』の中でセブンスデー・アドベンチスト教会を異端として取り挙げている[74]
  38. 「オックスフォードキリスト教辞典」はSDAについて「もともと1844年に再臨を期待した、アドヴェンティスト派の一派」「忠実なプロテスタントの教派である」としている[2]
  39. キリスト教神学者のJ.K.Van Baalenはカルトに関する著作においてセブンスデー・アドベンチスト教会を取り上げている[75]
  40. 「世界宗教百科事典」はSDAについて「日本や欧米でも正統なプロテスタントと認められている」としている[76]
  41. 教会歴史学教授であるJohn Gerstnerは著書においてセブンスデー・アドベンチスト教会を異端として解説している[77]
  42. 「世界キリスト教百科事典」はSDAについて、「プロテスタント諸派・アドベンチスト派最大の教派」としている[78]
  43. 村上良夫は著書[79]において『「四大カルト」ないし「四大セクト」という言い方がある。十九世紀の米国に生まれた四つの有力なキリスト教系新興宗教を指すもので、具体的にはモルモン教、セブンスデー・アドベンチスト、クリスチャン・サイエンス、そしてエホバの証人のことである(p1、はしがき)。』と述べている。また同書の第五章においては、他の安息日主義者の例も併記しながら、問題点として聖書解釈への疑問やホワイトの主張の矛盾点などを解説している。
  44. 「キリスト教大事典」はSDAについて、「アメリカに始ったキリストの再臨と安息日厳守を主張する教派」としている[80]
  45. 井上順孝は著書[81]において、SDAについて「キリスト教系新宗教」としている。
  46. 島田裕巳は著書[82]において、SDAについて「キリスト教系の新宗教」としている。
  47. 文化庁「海外の宗教事情に関する調査報告書」はSDAについて、「キリスト教系の新宗教」としている[83]
  48. 「新宗教教団・人物事典」はSDAについて、「新宗教」としている[84]
  49. 山折哲雄 監修の「宗教の事典」はSDAについて、「北米の新宗教」としている[85]
  50. 「現代宗教事典」はSDAについて、「新宗教」としている[86]
  51. 「なんでもわかるキリスト教大事典」はSDAについて、「アドベンチスト派と呼ばれるグループ」とする。他の新宗教とまとめてあり、「特異な教理」「以前ほどホワイトを過度に祭り上げない」などの記述がある。「キリスト教」「新宗教」と特定する記載はない。まえがきで本書には「正統」と「異端」のジャッジを下す意図はないとしている[87]
  52. 「新宗教辞典」はSDAについて、「キリスト教系、一般のプロテスタント基本教義や(略)を根本とする」としている[88]
  53. 「世界宗教用語大事典」はSDAについて、「再臨と安息日遵守を主張する教派」としている[89]
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出典

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