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北極圏

北緯66度33分の緯線 ウィキペディアから

北極圏
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北極圏(ほっきょくけん、英語:Arctic Circle、ロシア語:Северный полярный круг、デンマーク語:Nordlige polarcirkel、ノルウェー語:Nordlige polarsirkel、アイスランド語:Norðurheimskautsbaugur)は、北緯66度33分以北の地域である。北極圏の限界線となる北緯66度33分線を北極線(ほっきょくせん、: Arctic Circle)という。地形学的見地からは「永久凍土層」の地域、地球物理学的見地からは「オーロラ及び磁気嵐」の地域、気候的見地からは「最も暖かい月の平均気温が10℃を越えない」地域、また、植生的見地からは「ツンドラ植物」の地域として捉えられている[1]。北極圏では、冬至を中心に真冬は太陽が昇らず極夜となり、夏至を中心に真夏は太陽が沈まない白夜となる[注釈 1]

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赤い線が北極線
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北極の地図

なお地学などでは、北極海ツンドラ気候区とを合わせてこう呼ぶ場合もある。

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北極線

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フィンランドロヴァニエミサンタクロース村の北極線の境界線。

北極線は、北半球における白夜の南限である。しかし、これは幾何学的な定義であり、実際の北半球における白夜の南限は、光の屈折などの影響で北極線よりも90キロメートルほど南となる。ただしこれも海水面での話であり、標高が高くなると南限はさらに南下する。さらには山岳地帯では水平線が見えないため、これも白夜に影響する。

また、北極線の位置は一定ではない。北極線の位置は赤道傾斜角で決まるが、この赤道傾斜角がの引力による潮汐力で長周期で2度ほど振れる。北極線は現在、1年で15メートルほどずつ北方に移動している。

地理

要約
視点
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アラスカのドルトン高速道路 (Dalton Highway) にある北極線を表す標識

中央の北極海を取り巻くように北アメリカ大陸最北部、クイーンエリザベス諸島などの島嶼、世界最大の島グリーンランドの大部分、スカンジナビア半島北部、ユーラシア大陸にあるシベリア北部を含む。北極圏に領土を持つ国家はアイスランドアメリカ合衆国カナダスウェーデンデンマーク(グリーンランド)、ノルウェー(本土とスヴァールバル諸島)、フィンランドロシア連邦である。

グリーンランドとスカンジナビア半島を例外として低地が広がる。北極圏の最高峰はグリーンランド東海岸に位置するギュンビョルン山(3700m)。

おもな河川はマッケンジー川(カナダ)と以下のロシアの河川、すなわちペチョラ川オビ川タズ川エニセイ川アナバル川オレニョク川レナ川ヤナ川インディギルカ川コルイマ川

おもな島はクイーンエリザベス諸島、ヴィクトリア島バフィン島(以上カナダの北極諸島)、グリーンランド、アイスランド、スヴァールバル諸島、以下のロシアの島嶼、すなわちコルグエフ島ノヴァヤゼムリャゼムリャフランツァヨシファセーヴェルナヤゼムリャノヴォシビルスク諸島リャホフ諸島ウランゲル島である。

一般には冷涼な気候であるが、気団の分布、海流の影響により地域による変化が見られる。寒帯もしくは冷帯に属する地域がほとんどだが偏西風北大西洋海流の影響を受けたノルウェー沿岸のようにわずかながら温帯西岸海洋性気候)も分布する。

北極圏は厳しい気候 (Climate of the Arctic) のため住む人は少ないが、都市が存在しないわけではない。北極圏内の3大都市はムルマンスク(人口325,100人)、ノリリスク(135,000人)、ヴォルクタ(85,000人)で、いずれもロシアにある。この他にノルウェートロムソ(62,000人)、また北極圏よりやや南になるが、フィンランドのロヴァニエミ(58,000人弱)などの都市もある。

次の一覧は、北極線上の国と地域をグリニッジ子午線から東回りに示したものである。

さらに見る 経度, 国、地域 ...
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自然災害

火災

北極圏の火災は北極圏やその周辺の地域で雷などが原因で自然発生的に起こることの多い火災である。近年、地球温暖化の影響で北極圏での火災発生件数が増加している。北極圏の火災は泥炭火災ロシア語版wikidataや煤による太陽光の吸収を促進する上、焼失面積が広範囲にわたるため、二酸化炭素の放出量が多く、さらなる地球温暖化へと悪循環になっていることが問題とされている[2]

脚注

関連項目

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