台北市議会

台北市議会（タイペイしぎかい/たいほくしぎかい、繁: 臺北市議會）は、中華民国台北市の最高立法機関である。現在の議員は2022年（民国111年）11月26日の選挙で選出された第14期である^[1]。

台北市議会 臺北市議會 Taipei City Council
第14期台北市議会
種類
種類	一院制
沿革
設立	1969年12月25日
前身	台北市臨時議会
役職
議長	戴錫欽（中国語版）（ 中国国民党）、 2022年12月25日より現職
副議長	葉林伝（中国語版）（ 中国国民党）、 2018年12月25日より現職
秘書長	洪樹林
副秘書長	陳慶安
構成
定数	61
院内勢力	中国国民党（28）    民主進歩党（19）    台湾民衆党（4）    新党（1）   社会民主党（1）   無所属（1）   欠員（7）
委員会	8委員会 民政委員会 財政建設委員会 教育委員会 交通委員会 警政衛生委員会 工務委員会 法規委員会 程序委員会
任期	4年
選挙
選挙制度	大選挙区制
前回選挙	2022年11月26日
議事堂
中華民国 台北市信義区仁愛路四段507号
ウェブサイト
tcc.gov.tw

沿革

台湾光復直後の1945年（民国34年）12月26日、台湾省における地方自治の実施のため、台湾省行政長官公署は「台湾省各級民意機関成立方案」を発表した^[1]。1946年（民国35年）4月15日、台湾省台北市^{[注 1]}に諮問機関として台北市参議会が設置された^[1]。その後、1950年（民国39年）4月24日に「台湾省各県市実施地方自治綱要（中国語版）」が施行され、同年11月29日より、台北市参議会は立法機関としての台北市議会に改組された^[1]。

院轄市への昇格・臨時市議会の成立を記念する式典（1967年）

1967年（民国56年）7月1日、台北市は院轄市（現：直轄市）に昇格し、第1期市議会の成立までの暫定的な立法機関として台北市臨時市議会が設置された^[1]。1969年（民国78年）11月15日に第1期市議会議員選挙が実施されて48人の議員が選出され、12月25日、直轄市としての台北市議会が発足した^[1][2]。ただし、当時の中華民国には直轄市の自治に関する法制度が存在しておらず、行政命令「台北市各級組織・実施地方自治綱要」が暫定的な法規として行政院によって定められた^[1][2]。

1994年（民国83年）4月14日、「直轄市自治法（中国語版）」が施行され、台北市議会の地位・権限が法的に確定した。1998年（民国87年）1月25日には省・直轄市・県・市などの全ての地方自治団体について規定する「地方制度法（中国語版）」が公布され、「直轄市自治法」に取って代わった。

議員の選出

台北市議会議場

台北市議会議員は20歳以上の台北市民による直接選挙で選出され、任期は4年（多選制限なし）である。2022年（民国111年）現在の定数は61であり、以下の8選挙区に分けられている^[3]。

• 第1選挙区：12席（士林区・北投区）
• 第2選挙区：9席（内湖区・南港区）
• 第3選挙区：9席（松山区・信義区）
• 第4選挙区：8席（中山区・大同区）
• 第5選挙区：8席（中正区・万華区）
• 第6選挙区：13席（大安区・文山区）
• 第7選挙区：1席（平地原住民）
• 第8選挙区：1席（山地原住民）

歴代正副議長

期	就任	退任	議長		副議長		備考
			氏名	所属政党	氏名	所属政党
台北市（省轄市）参議会
-	1946年4月15日	1946年8月31日	周延寿	中国国民党	林金臻	中国国民党	副議長の死去に伴う交代
	1946年8月31日	1950年11月28日			潘渠源
台北市（省轄市）議会
1	1950年11月29日	1953年1月15日	黄啓瑞（中国語版）	中国国民党	張祥伝	中国国民党
2	1953年1月16日	1955年1月15日
3	1955年1月16日	1958年2月20日	張祥伝		王飛竜
4	1958年2月21日	1961年2月20日			周財源
5	1961年2月21日	1964年2月20日
6	1964年2月21日	1967年6月30日			陳少輝
台北市（直轄市）臨時市議会
-	1967年7月1日	1969年12月24日	張祥伝	中国国民党	陳少輝	中国国民党
台北市（直轄市）議会
1	1969年12月25日	1973年12月24日	林挺生（中国語版）	中国国民党	張建邦（中国語版）	中国国民党
2	1973年12月25日	1977年12月24日
3	1977年12月25日	1981年12月24日
4	1981年12月25日	1985年12月24日	張建邦	中国国民党	陳健治（中国語版）	中国国民党
5	1985年12月25日	1989年6月1日					議長の交通部長就任に伴う辞職
	1989年6月12日	1989年12月25日	陳健治	中国国民党	郭石吉（中国語版）	中国国民党
6	1989年12月25日	1994年12月25日			陳烱松（中国語版）	中国国民党	次の選挙を「直轄市自治法」の施行に合わせるため、任期が1年延長された。
7	1994年12月25日	1998年12月25日			呉碧珠（中国語版）	中国国民党
8	1998年12月25日	2002年12月25日	呉碧珠	中国国民党	費鴻泰（中国語版）	新党
9	2002年12月25日	2006年12月25日			李新（中国語版）	親民党
10	2006年12月25日	2010年12月25日			陳錦祥（中国語版）	中国国民党
11	2010年12月25日	2014年12月25日			周柏雅（中国語版）	民主進歩党
12	2014年12月25日	2018年12月25日			陳錦祥	中国国民党
13	2018年12月25日	2022年12月25日	陳錦祥	中国国民党	葉林伝（中国語版）	中国国民党
14	2022年12月25日	現職	戴錫欽（中国語版）	中国国民党

議場所在地の変遷

旧議場（2007年）

当初は台北市中山堂が議場として使われていたが、1964年（民国53年）に中山南北路と忠孝東西路の交点（監察院の向かい側）に庁舎が新設された^[4]。1990年（民国79年）には信義区の現在地に移転し、旧庁舎には台北市政府警察局中正第一分局（中国語版）が入居したが2007年（民国96年）に他の建物へ移転した^[4]。一時は旧庁舎の保存運動も発生したが実現せず、2016年（民国105年）に取り壊された^[4]。2024年（民国113年）現在、旧庁舎の跡地にはオフィスビル「海悦国際大楼」が建設中である^[5]。